- はじめに
- 発達障害の子どもとパーソナル・スペース
- 第1章 距離感 女性にどこまで近づいてよいか
- 0〜5歳 知り合いではない/知り合い
- 6〜12歳 知り合いではない/知り合い
- 13〜15歳 知り合いではない/知り合い
- 16〜18歳 知り合いではない/知り合い
- 19〜39歳 知り合いではない/知り合い
- 40〜64歳 知り合いではない/知り合い
- 65歳〜 知り合いではない/知り合い
- 発達障害の子どもを支援するためのアドバイス
- 第2章 視線 女性をどれだけ見つめてよいか
- 0〜5歳 知り合いではない/知り合い
- 6〜12歳 知り合いではない/知り合い
- 13〜15歳 知り合いではない/知り合い
- 16〜18歳 知り合いではない/知り合い
- 19〜39歳 知り合いではない/知り合い
- 40〜64歳 知り合いではない/知り合い
- 65歳〜 知り合いではない/知り合い
- 発達障害の子どもを支援するためのアドバイス
- 第3章 声の大きさ 女性に対してどれぐらいの大きさの声がよいか
- 0〜5歳 知り合いではない/知り合い
- 6〜12歳 知り合いではない/知り合い
- 13〜15歳 知り合いではない/知り合い
- 16〜18歳 知り合いではない/知り合い
- 19〜39歳 知り合いではない/知り合い
- 40〜64歳 知り合いではない/知り合い
- 65歳〜 知り合いではない/知り合い
- 発達障害の子どもを支援するためのアドバイス
- 第4章 接触 女性に触れても許してもらえる部分はどこか
- 0〜5歳 知り合いではない/知り合い
- 6〜12歳 知り合いではない/知り合い
- 13〜15歳 知り合いではない/知り合い
- 16〜18歳 知り合いではない/知り合い
- 19〜39歳 知り合いではない/知り合い
- 40〜64歳 知り合いではない/知り合い
- 65歳〜 知り合いではない/知り合い
- 発達障害の子どもを支援するためのアドバイス
- 第5章 表情 女性から不快と思われない表情はどれか
- 0〜5歳 知り合いではない/知り合い
- 6〜12歳 知り合いではない/知り合い
- 13〜15歳 知り合いではない/知り合い
- 16〜18歳 知り合いではない/知り合い
- 19〜39歳 知り合いではない/知り合い
- 40〜64歳 知り合いではない/知り合い
- 65歳〜 知り合いではない/知り合い
- 発達障害の子どもを支援するためのアドバイス
- 参考文献
はじめに
著者は小,中,高等学校や放課後等デイサービスなどに訪問して,子どもたちの行動について相談を受けることがあります。そのような相談の中で,子どもの中に他人との距離が近すぎたり,他人の身体を触ったりする子がおり,どうしたらよいかと質問されることがあります。
ある小学校低学年の男子が同級生の女子に近付いたり,彼女の身体に抱きついたり,背中を叩いたり,腕をつねったりするので,その女子が嫌がっていました。先生たちは「人に暴力を振るわないように」と彼に言い聞かせ,約束させます。彼は「わかりました」と言いますが,行動は直りません。
事情があるのでしょう。母親に可愛がってもらいたいのに,母親は家事と赤ちゃんの世話が忙しく,彼は相手をしてもらえない。彼には趣味や話題の合う友達がおらず,淋しい毎日を送っている。そこに,自分より弱そうな女子を見つけたので,迷惑な行動をしてみて,その女子の反応を楽しんでいる。そういうことかもしれません。彼は,人から愛情深く関わってもらう必要があるのでしょう。しかし,それに加えて,他にできることもあると思います。
著者は本書の試作を先生に差し上げました。先生は彼にそれを見せて,50cmの約束をしました。小学生男子は知り合いの女性でも50cmは離れる必要があると。彼は視覚刺激から入るのが得意だったのかもしれません。彼が女子に接触しそうになったら,先生が「50センチだよね」と言うと,彼はすぐに50cmの距離を置けるようになったのです。彼が50cmのルールを守るようになったことを,先生はほめることができて嬉しいと言いました。叱られてばかりいた彼も,ほめられることが増えて,最近落ち着いてきました。
話ができすぎだと思われるでしょうか。そんなに簡単な子ばかりではないと言われそうですね。でも,子どもによっては,このような視覚刺激がタイミングよくはまる場合があります。そして,多少でもルールを守れたらほめること,これが重要です。ほめなければすべてが水の泡になります。そのような関係づくりのきっかけのために,本書がお役に立てば望外の喜びです。
2018年6月 /佐竹 真次
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- 明治図書