- はじめに
- 本書の使い方
- 第1章 基礎理論編
- 1 国際バカロレアとは何か
- 2 IBの学習者像
- 3 IBを学ぶメリット
- 4 IBのカリキュラム
- 5 指導の方法
- 6 学習の方法(ATL)
- 7 学習のサイクル
- 8 学問的誠実性
- コラム@ 重大なゴールから設計する授業
- 第2章 授業設計編
- 1 MYP「言語と文学」の授業づくり
- 2 MYP「言語と文学」のねらい
- 3 MYP「言語と文学」の目標
- 4 概念ベース
- 5 重要概念
- 6 関連概念
- 7 概念の組み合わせ(概念理解)
- 8 グローバルな文脈
- 9 探究テーマ
- 10 探究の問い
- 11 ユニットプランナー
- コラムA 概念理解の効果とは…
- 第3章 学習活動編
- 1 対話
- 2 批評
- 3 プレゼンテーション・ポスターセッション
- 4 映像の活用
- 5 ドラマ・演劇的手法
- 6 創作
- コラムB 構成主義の教育理念
- 第4章 評価方法編
- 1 何のための評価か
- 2 評価の方法
- 3 総括的評価と形成的評価
- 4 MYPの評価規準
- 5 課題と評価の実際
- 6 パフォーマンス課題に対する評価
- 7 ルーブリック
- 8 豊かな学びへのサイクル
- コラムC リフレクション・トーク
- 第5章 授業実践編
- 1 状況に生きる人間像の探究 ―『故郷』トレーラー制作を通して―
- 2 詩の可能性 ―原爆詩朗読会―
- 3 自分の考えは何に影響されているか ―動物実験の是非についての討論会―
- 4 超高齢社会と私 ―映画『恍惚の人』と広告分析を通して―
- 5 創造は模倣から生まれる ―宮沢賢治をモチーフにして創作しよう―
- 6 MYP年間指導例と文学指導実践 ―夏目漱石『こころ』―
- 付録 ATLスキル一覧
- おわりに
- 参考資料一覧
はじめに
「国際バカロレア」という教育プログラムに関心が集まっています。
日本国内では,インターナショナルスクールだけでなく,近年では一条校でも導入している学校が増えてきました。
なぜ国際バカロレアが注目されるようになったのでしょうか。その魅力はどこにあるのでしょうか。
国際バカロレアは「国際」という名前が表すように,世界のどの国や地域でも行うことができる教育プログラムです。豊かな人間性と,世界的な視野をもった人間を育てることを目指しています。それは,地球を一つのコミュニティとして,全人類で協力し,持続可能な平和な社会を作っていくために必要だからです。この点において,グローバル化の進む現代,多くの保護者にその理念は受け入れられてきていると言えるでしょう。
また,生徒にとっても,国際バカロレアは魅力的です。国際バカロレアの授業では,今,学習していることが世界のどこに関連しているか,世の中のどこで役に立つのかを常に意識させる仕掛けがあります。何のために学ぶのか,勉強していることは将来役に立つのかといった問いにしっかりと答えてくれます。
さらに,先生方にとっても,国際バカロレアを取り入れることは多くのメリットがあります。複雑に急速に変化している社会状況への対応として,「主体的・対話的で深い学び」が必要とされています。国際バカロレアが行っている学習者を主体とした探究型の学習は,新学習指導要領の方向とまさに一致しているのです。新たな授業づくりのヒントが本書にはたくさんあります。
国際バカロレアでは,母語教育をとても重視しています。自分自身のものの見方,考え方を育んでいく上で,言葉はとても大切だからです。その言葉を育む仕事を受け持つ国語科の先生方に,より魅力的な授業を作っていただきたい。大きな視野をもち,新しい発想で,次世代を担う生徒たちに役立つ教育を一緒に考えていきたい。そんな想いから,この本が生まれました。
2019年3月 /中村 純子・関 康平
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- 明治図書
- 発問がわかりやすい2021/4/2540代・小学校教員