- まえがき
- T 全教科編
- 1 〈全学年 評価の方法〉ノートの評価は授業中に。評価の印は○と◎
- 2 〈全学年〉ノート指導の小技
- 3 〈中・高学年〉自由学習〜ノート指導のチャンス
- 4 〈五年〉吹き出しでオリジナルなノートにする
- U 国語科編
- 1 〈全学年 日記指導〉日記ノートの使い方を指導する
- 2 〈全学年 日記指導〉日記を定着させるために
- 3 〈全学年 日記指導〉よりよい日記を書かせる三つの方法
- 4 〈全学年〉まず量を書かせることが重要である
- 5 〈全学年 連絡帳指導〉連絡帳に短い文を入れよう
- 6 〈全学年 連絡帳指導〉連絡帳を書く時間を上手に設定する
- 7 〈中・高学年 連絡帳指導〉連絡帳で鍛える(中・高学年編)
- 8 〈低学年 詩の単元〉「黒板=ノート」の教え方
- 9 〈中学年 詩の単元〉ノートを楽しくする方法
- 10 〈中学年 作文の単元〉楽しく作文を書かせる方法
- 11 〈一年 連絡帳指導〉連絡帳で鍛える(一年生編)
- 12 〈三年 日記指導〉いろいろな日記を書かせたいときのノート指導
- 13 〈三年〉物語文で想像力を育てるノート指導
- V 算数科編
- 1 〈全学年〉1学期は、みんな同じノートがいいノート
- 2 〈全学年〉補助計算スペースを確保しよう
- 3 〈1年 かずとすうじ〉1年の算数ノート11例(その1)
- 4 〈1年 なんばんめ〉1年の算数ノート11例(その2)
- 5 〈1年 いくつといくつ(10を分ける時間)〉1年の算数ノート11例(その3)
- 6 〈1年 たしざん(あわせていくつ)〉1年の算数ノート11例(その4)
- 7 〈1年 ひきざん(のこりはいくつ)〉1年の算数ノート11例(その5)
- 8 〈1年 ひきざん(ちがいはいくつ)〉1年の算数ノート11例(その6)
- 9 〈1年 3つのかずのけいさん〉1年の算数ノート11例(その7)
- 10 〈1年 くりあがりのあるたしざん〉1年の算数ノート11例(その8)
- 11 〈1年 くりさがりのあるひきざん〉1年の算数ノート11例(その9)
- 12 〈1年 100までのかず〉1年の算数ノート11例(その10)
- 13 〈1年 発展(おかね)〉1年の算数ノート11例(その11)
- 14 〈1年 ひきざん/6年 分数のわり算〉数字は1マスの1字。図は1つ分は行の罫線を使う
- 15 〈4年 わり算の筆算〉ノート公開大作戦
- W 理科編
- 1 〈全学年〉テスト前の問題集を作ろう〜楽しく! わかりやすく! 覚えやすいノートを作ろう
- 2 〈全学年〉まずは「まねる」から〜楽しく! わかりやすく! まとめのノートを作ろう
- 3 〈全学年〉理科のまとめは見開き2ページで
- 4 〈高学年〉見開き2ページ、理科のノートスキル
- 5 〈6年〉感想用紙を生かす
- 6 〈6年〉見開きノートへの一歩
- 7 〈6年〉1ページにまとめる
- 8 〈5年〉ていねいなノートは力をつける
- 9 〈5年〉ていねいできれいなノートづくりの原則〜いいイメージと書き直し
- 10 〈5年〉ていねいできれいなノートづくりの原則〜教科書をきれいに写させる
- 11 〈5年〉ていねいできれいなノートづくりの原則〜色鉛筆を使わせる
- 12 〈5年〉ていねいできれいなノートづくりの原則〜枠を与える「4コマワーク」
- 13 〈6年〉板書とメモで自分だけのノートづくり
- X 社会科編
- 1 〈全学年〉ワークシートのよさを取り入れたノート指導
- 2 〈全学年〉単元のまとめのノートにひと工夫
- 3 〈全学年〉小話やクイズをノート指導に生かす
- 4 〈中学年〉新聞づくりを進めるノート指導
- 5 〈四〜六年〉有田式ワークでノートづくりを
- 6 〈五年 さむい地方のくらし〉聞き比べをしっかりさせたいときのノート指導
- 7 〈六年〉ノート一ページに、一つの時代をまとめる
- 8 〈五年〉新聞記事を利用する
- 9 〈五年 米づくりのさかんな庄内平野〉もう一度開きたくなるノートづくり
- 10 〈五年 水産業のさかんな枕崎市〉ノートが思考の作戦基地に!
- Y 総合・体育・学活編
- 1 〈総合 全学年〉総合的な学習の時間がチャンス
- 2 〈体育科 五年 走り幅跳び〉めあて学習を進める体育ノート
- 3 〈学級活動 一年 連絡帳〉大切な連絡は、子どもが喜ぶインパクトがある文に
- あとがき―教材・授業開発研究所メーリングリストについて
まえがき
『教材・授業開発研究所』のメーリングリストを古川光弘氏が開いてくださり、南惠介氏が管理して下さっています。このメーリングリストで原稿募集し、二冊目が発刊される運びとなりました。前著『授業力の開発――導入で子どもを熱中させる発問の開発』が、好評であったため、二冊目の発刊の運びとなりました。
前著も、今回も、古川光弘氏がメーリングリストを使って原稿を集め、きちんと整理した上でわたしのところへ送ってきました。
今回のテーマは、明治図書編集長の江部満氏の示唆によって、『ノート指導改革で授業が変わる』ということにしました。いい書名だなと、わたしは思っています。
古川光弘氏の原稿の整理のしかたは、「全教科編」「国語科編」「算数科編」「理科編」「社会科編」「総合・体育・学活編」と、六つにまとめる方法をとっていました。わたしは、全部の原稿を読みました。いくらか手を入れたところもありますが、古川光弘氏がまとめた通り、すべて生かしました。投稿して下さった方にも、この方がいいと考えました。前著の時は、ちょっとひどい原稿がありましたが、今回は慣れなのか、あまりひどい原稿はありませんでした。そういう意味で、前著より一段と内容がよくなっていると思います。
「ノート」は、授業の「武器」なのに、気の配り方が足りません。教室以外のところで飛び込み授業をしたとき、何も持たないできたクラスがあり、担任とその学校の程度がわかりました。ノートも教科書もなくて、授業が成立すると考えているのに驚かざるを得ませんでした。そのようなクラス、学校が結構あります。
ノートの機能を、ざっとあげただけでも次のようなものがあります。
記録ノート、備忘録としてのノート、理解・記憶の道具としてのノート、練習ノート、思考を深めるノート、授業と授業の「間」を生かすノート、聞く技能を伸ばすノート、読解技能を伸ばすノート、作文力を伸ばすノート、書く力を伸ばすノート、考えを創り出すノート、思考の変化や足跡を残すノート、子どもの成長を示すノート、教師の指導のあり方を写す三面鏡としてのノート、等々があります。
これをみると「ノートなしの授業」なんて考えられません。しかし、現実には「ノートの価値」がわかっていない教師が多いです。子どもに、ノートの大切さを認識させるには、授業終了後、毎時間「ノート点検」をすることです。「検印」を押しながら、ほめたり、注意したりすることです。「一時間に二ページ以上ノートを使わない子は、勉強したうちに入れない」とわたしはいってきました。このために、「鉛筆の先から煙が出るスピードで書きなさい」といっていました。
教師によって、ノートの使い方が多少違います。そのことが、本書によく出ています。しかし、基本的には、教師がどんな「点検のしかたをするか」によって、全く違ったノートになります。この意味で、ノートは「教師の教育観のあらわれ」であり、「指導の三面鏡」でもあるのです。ノートをよくするには、まず「授業」を変え「板書」を変えるべきです。大きくて、きれいな文字を書くべきです。そうすればノートもそのように変わります。
最後に、本書に投稿して下さった方々と、強力な後押しをして下さった明治図書の江部満編集長に厚くお礼を申し上げます。また、本書を実質的にまとめて下さった古川光弘氏にも厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。
二〇〇五年一二月 /有田 和正
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- 明治図書