「子どもが心を開いてくれない」と感じたら読む
先生のための「聞き方」の本

「子どもが心を開いてくれない」と感じたら読む先生のための「聞き方」の本

「その子」の言葉が、聞こえていますか?

明るく楽しそうなクラスほど、先生は子どもの話をよく「聞いて」います。子どもが話したくなる状況設定から、言葉を引き出すアイテムやツール、困った場面で役立つテクニック、様々な状況の子に応じた事例・エピソードまで、「聞き方」の知識と経験が詰まった1冊。


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PDF
ISBN:
978-4-18-228926-2
ジャンル:
学級経営
刊行:
対象:
小・中
仕様:
四六判 224頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年7月29日

目次

もくじの詳細表示

まえがき
第1章 子どもの心を開く教師になるために
1 子どもは「心を開く」ものなのか
2 心は推し量るしかないもの
3 「心を開く」とは受け止め方のこと
4 「心を開いた」と思えるとき
5 心を開いてもらうにはまず自分から
6 心を開いてもいいなと思える存在になる
7 そのとき、あなたはどう「聞く」のか
8 聞いて、話して、結びつきを深める
第2章 子どもの心を開く「聞き方」の技術
基礎・基本
1 子どもが心を開くための条件
2 心を開きにくい子もいるということ
3 子どもが思わず話したくなる状況設定
4 子どもが話し出したらまずすること
場をつくる技術
5 万能薬となる「笑顔」
6 自然と言葉を生み出す「安心・安全なクラス」
7 話してもいいんだと思える「教師の振る舞い」
8 子どもが思わずアクションを起こす「つぶやき・独り言」
9 気持ちを和らげる「ホワイトボード」
10 友達同士のおしゃべりに参加する「語り場・しゃべり場」
11 気づきを生む「席の交換」
12 今の自分に気づいてもらえる「人生グラフ」
13 その子の背景に語りかける「兄弟の話」
14 子どもの今を語り出す「日々のつぶやき集め」
15 話のきっかけを生む「構成的グループエンカウンター」
言葉を引き出す技術
16 その子だけの心の風景を知る「工作」
17 話を引き出す「コミック会話」
18 思わず言葉が出てくる「軽運動」
19 他者の言葉を借りて考える「ロールプレイ」
20 操作の過程で言葉がこぼれる「ブロック工作・箱庭」
21 子どもの達成感を言葉に変える「ビー玉集め」
22 話せない子どもの心を補う「付箋紙」
23 言葉ではない言葉を生み出す「気持ちの数値化」
24 次の話が生まれる「マンダラート」
25 言葉のキャッチボールが生まれる「アナログゲーム」
26 会話にうるおいをもたらす「好きなもの・ことの話」
27 次の言葉を紡ぐ「文章完成法」
28 聞いているよと伝える「アイコンタクト」
29 会話のテンポをつくる「オウム返し」
第3章 ケース別でよくわかる教師の「聞き方」
ケース1 家ではよく話すのに、学校では話さない子
ケース2 いつも職員室の入り口で待っている子
ケース3 吃音の子/特定の音が言いづらい子
ケース4 自分のことばかり話し、周囲から疎んじられがちな子
ケース5 気持ちが見えにくい、伝わりにくい子
ケース6 発想が豊かで自由奔放な子
ケース7 主張が過ぎる子
ケース8 泣きながら登校してくる子
ケース9 かんしゃくを起こす子/すぐに爆発する子
ケース10 長期の休みから久しぶりに登校した子
ケース11 表情があまり変わらない子
ケース12 みんなの活動に関わりにくい子
ケース13 いつも家族の世話の話をする子
ケース14 何を考えているのかがわからない子
ケース15 みんなのいる教室に入れない子
ケース16 「朝ご飯を食べていない」と言う子
ケース17 忘れ物がとても多い子
ケース18 授業で自分の意見をなかなか言えない子
あとがき
参考文献

まえがき

 「先生」というものを自分なりに続けてきた中で、いつも不思議に感じていたことがあります。

 それは、授業内容も特に変わったところはないし、新しい手立て、際立った手立てをとっているようにも見えないけれど、なぜか子どもも、そして先生自身も、生き生きとしていて、楽しそうなクラスが存在するということです。そんなクラスをちょっぴり羨ましいなと思っていた私は、実際に、そのようなクラスの様子を見せてもらったこともあります。しかし、そのようなクラスをつくるポイントは、当時の私にはあまりよくわかりませんでした。

 ただ、「聞く」というテーマの本を執筆するにあたり、改めて考えてみたことがあります。なるほど、私たちは新しい技術、新しい方法を求めます。今もまさに教育の場は、大きな変革の中にあります。そのためどうしても、「先生」である自分が何をするか、何を話すかという「アウトプット」に注目しがちです。

 もちろん私もそうでした。ですが、それなりに年代を経た今、クラスの経営について随分と自信がもてるようになった自分と、以前の自分とは何が違うのだろうと自問しました。

 行き着いたのは、以前の自分よりも「聞く」ということに重きを置いているということでした。あまり急がないで、その子たちの話に耳を傾け、しっかりと聞けているのではないかということなのです。

 その気づきについて、改めて、自分のこれまでの実践と合わせて文章にしてみました。この「聞く」という教育技術に、教職としての早い段階で気がつくことができれば、もっといろいろな取り組みができたのかもしれません。しかし反対に、それなりに年代を経なければ、理解しづらい領域でもあるのかもしれません。

 ですが、この「聞く」というポイントの大切さを、これから教職を始められる方々、そして今まさに「学校生活の中での教育的支援・心理的支援」を懸命に進められている方々には、ぜひ知っておいていただきたいと思い、今回筆をとった次第です。

 学校、そして教室という「フィールド」を共にする者として、少しでも何かお役に立てれば光栄です。


  二〇二三年五月   /渡邊 満昭

著者紹介

渡邊 満昭(わたなべ みつあき)著書を検索»

静岡県公立小学校教諭。伊豆半島各地と静岡市で小・中学校各学年を担任。また,特別支援学級,通級指導教室,特別支援学校に勤務。子どもとともに歩み,時には走り,その子の好きなこと・得意なことを見出し,見守り支えつつ将来の自立や自己実現につなぐことを目標としている。

専門分野は学校生活での心理支援,特別支援教育,ユニバーサルな野外・環境教育,保健体育。県内各大学,幼稚園・小・中学校,保護者,一般向けの講演・研修会講師は,45回を数える。

公認心理師,学校心理士,学校カウンセラー,野外教育インタープリター,JSPO公認陸上競技コーチ1。日本教育相談学会静岡支部,日本学校心理士会,静岡県公認心理師協会,静岡県生活科・総合的学習教育学会所属。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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