国語力をつける説明文・論説文の「読み」の授業
―読む力を確かに育てるあたらしい指導法入門―

国語力をつける説明文・論説文の「読み」の授業―読む力を確かに育てるあたらしい指導法入門―

好評2刷

インタビュー掲載中

日本の小・中学校の国語授業を大きく変える画期的な1冊!

教科書教材をもとに、説明文・論説文の「構造よみ」「論理よみ」「吟味よみ」の指導過程と教科内容を解明し、教材研究の方法、具体的な授業づくりのコツなども紹介した。活発な話し合いや対話・討論が展開される説明文・論説文の授業が必ず実現する指導過程を提案する。


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ISBN:
978-4-18-226024-7
ジャンル:
国語
刊行:
2刷
対象:
小・中
仕様:
A5判 168頁
状態:
在庫あり
出荷:
2018年7月23日
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目次

もくじの詳細表示

はじめに
第一章 説明文・論説文の「読み」の授業―三つの指導過程
第1節 「文種」を見分けると「読み」の切れ味が増す―「説明文(型)」と「論説文(型)」
第2節 三つの指導過程「構造よみ―論理よみ―吟味よみ」がもつ優位性
1 構造よみ
2 論理よみ
3 吟味よみ
第3節 「表層よみ(出会いよみ)」をおろそかにしない
第二章 構造よみー文章の構成・構造を読む指導過程
第1節 「はじめ・なか・おわり」「序論・本論・結び」という構成
1 説明文・論説文を「典型構成」で読む
2 三部構成のもつ意味と用語
3 「なか」「本論」をいくつかの「まとまり」に分ける
4 三部構成の指標
第2節 「ドラえもんの人気のひみつ」で典型構成を学ぶ
第3節 「はじめ」「序論」の役割
1 問題提示
2 導入(話題の提示、動機づけ、興味喚起、前提条件の提示)
3 結論
第4節 「おわり」「結び」の役割
1 まとめ・結論
2 新たな問題提起
第5節 小見出しをつけて大づかみする
第6節 第一読で構成・構造を読むことの意味
第7節 授業づくりのために
第三章 論理よみ―文章の論理・ことがらを読む指導過程
第1節 構成・構造の読みが論理の読みに生きてくる
第2節 「柱」に着目して論理を読みとく
第3節 「柱」をとらえながら論理関係を読む―論理関係の「型」を学ぶ
1 「柱と柱以外」の論理関係・五つの型
2 「対等」の論理関係・二つの型
第4節 「接続詞」に着目して論理関係をとらえる方法の問題点
第5節 要約・要旨にまとめる秘訣
第6節 「構造よみ」「論理よみ」を通じた「思考法」の指導
1 a 演繹的思考法
2 b 帰納的思考法
3 c 消去法
第7節 授業づくりのために
第四章 吟味よみ―文章を評価し批判する指導過程
第1節 「吟味」なしに主体的な読みは成立しない
第2節 その文章の優れた点・工夫を豊かに発見すること
1 構成・構造上の工夫の発見
2 論理関係の工夫の発見
第3節 その文章の不十分な点・問題点を鋭く発見すること
第4節 読むことから「吟味文」を書くことへの発展
第五章 小学校の説明文・論説文の「読み」の授業―教材研究と授業案
第1節 小学校低学年の説明文の「読み」の授業
1 「くちばし」
2 「じどう車くらべ」
3 「たんぽぽのちえ」
4 「あなのやくわり」
第2節 小学校中学年の説明文の「読み」の授業
1 「すがたをかえる大豆」
2 「アップとルーズで伝える」
3 「くらしの中の和と洋」
第3節 小学校高学年の説明文・論説文の「読み」の授業
1 「動物の体と気候」
2 「『鳥獣戯画』を読む」
第六章 中学校の説明文・論説文の「読み」の授業―教材研究と授業
第1節 中学校一年生の説明文・論説文の「読み」の授業
1 「シカの『落ち穂拾い』」
2 「幻の魚は生きていた」
第2節 中学校二年生の説明文・論説文の「読み」の授業
1 「モアイは語る―地球の未来」
2 「鰹節―世界に誇る伝統食」
第3節 中学校三年生の論説文の「読み」の授業
1 「作られた『物語』を超えて」
2 「絶滅の意味」
おわりに
執筆者一覧

はじめに

  説明文・論説文の授業は面白い!

 説明文・論説文は、国語の授業で取り上げる様々な教材の中でも、子どもたちが将来生きていく中で、出会う機会が最も多いものの一つです。生活を送る上でも、仕事をしていく上でも、主権者として社会や政治の在り方に参画する上でも、説明文・論説文との関わりなしというわけにはいきません。にもかかわらず、説明文・論説文の授業は、あまり人気がないようです。説明文・論説文の授業は面白くないと感じる子どもが少なくないようです。先生方もできれば説明文・論説文の授業は避けたい、早く文学の授業に行きたいと思う場合が比較的多いようです。語句の指導や要約の指導までは何となくわかるが、それ以上説明文・論説文で何をどう指導してよいかよくわからないということもあるようです。

 確かに説明文・論説文の指導については、これまで明確な指導方法が確立していたとはいいにくかったと思います。説明文・論説文を読んでいく中で、どういう国語の力をつけたらよいかも見えにくい。また説明文・論説文教材をどのように研究したらよいかの手立てもつかみにくいようです。

 しかし、説明文・論説文の授業は、本当はとても楽しいものです。「なぜそういう書き方なのか」「たくさんの仕掛けが読めそう」「文章の工夫が見えてきた」「みんなでその説得力の秘密を考えたい」などと子どもたちが思う授業ができます。小学校でも中学校でも高校でも必ずそういった授業が実現できます。

 そのために本書を刊行しました。

 本書では、どういう手順で指導をしていけば、子どもたちが楽しく興味をもって説明文・論説文を学んでいけるかという「指導過程」を示しています。また、その指導過程でどういう力をつけていくかという「教科内容」も示しています。そして、一つ一つの説明文・論説文をどのように教材研究していけばよいか、その方法と具体例も示しました。明確な指導過程で、わかりやすく授業づくりができます。そして、子どもたちに確実に力がつきます。


  全体を見わたす→詳しく見る→吟味するという指導法

 大きな枠組みは、次の三つの指導過程です。


 1 構造よみ―説明文・論説文の大きな枠組み(構成・構造)をとらえる俯瞰の読み

 2 論理よみ―俯瞰の読みを生かしつつ、段落相互、文相互、言葉相互の関係をとらえる論理の読み

 3 吟味よみ―俯瞰の読み、論理の読みを生かしつつ、その文章の工夫やよい点、またわかりにくいところや不十分な点を発見する吟味の読み


 まずは大きく文章全体の枠組み(構成・構造)をつかみます。文章が読めない子どもは、この大きく全体をつかむということができない場合が多いのです。構成・構造を大づかみするだけで、説明文・論説文が不得意な子どもも目を輝かせます。

 次に、焦点化して段落と段落の関係、文と文の関係、言葉と言葉の関係をつかんでいきます。「関係をつかむ」というと難しそうですが、「柱」という考え方を取り入れると、それらの関係=論理関係を簡単につかむことができます。また、構造よみで全体をとらえているので、一層それらの関係がつかみやすいのです。

 そして、構成・構造の読み、論理関係の読みを生かしながら文章を吟味していきます。まずその文章で工夫されている点・よい点です。「だからわかりやすいんだ」「そのせいでなるほどと思うんだ」「この言葉の使い方がうまい」など優れた点をとらえます。そしてわかりにくい点・不十分な点を発見していきます。「具体例がわかりにくい」「なぜ説明がわかりにくいの」「この理由づけでよいのかな」など疑問が生まれます。

 これは、国語科教育の世界では「通読・精読・味読」という昔から行われている三読法という指導法を現代に合った形で改善したものです。「全体を見わたす→詳しく見る→吟味する」という順序で文章を深く読みとっていきます。説明文・論説文があまり得意でない子どもも確実に読む力をつけていくことができます。


  今回の教育改革を先取りする教科内容

 二〇一六年度の学習指導要領改訂に向けて、今様々な論議がされています。その中でいろいろな角度からこれまでの能力観・学力観が見直され、新しい能力観・学力観が提案されつつあります。その中には「主体的判断力」「批判的思考力」などが含まれます。たとえば「吟味よみ」で示される様々な「吟味の方法」は、この「主体的判断力」「批判的思考力」そのものです。また、新しい能力観・学力観には「メタ認知力」「論理的思考力」なども含まれます。これは「構造よみ」「論理よみ」で学ぶこととかなりの程度重なります。

 また、「構造よみ」「論理よみ」「吟味よみ」ともに、今話題となっている「アクティブ・ラーニング」の授業とたいへん親和性が高いのです。「アクティブ・ラーニング」は、子どもが自分で考え、グループや学級全体で話し合いや討論する探究型の学習方法です。たとえば構造よみで「序論は何段落までか?」をめぐって、楽しい論争が子ども相互で交わされます。論理よみでも「柱の段落は5段落か8段落か?」などの論議が生まれます。吟味よみでも、その文章の優れた点、不十分な点をめぐって子ども相互での検討が展開されます。

 ぜひ、実際に授業で試してみてください。


  本書の章立て

 本書は、大きく二つの部分に分かれます。第一章〜第四章で、「構造よみ・論理よみ・吟味よみ」という指導過程について述べています。そして第五章と第六章で、それを応用して小学校と中学校の現行教科書の代表的教材を、「構造よみ・論理よみ・吟味よみ」という指導過程にそって教材研究しています。

 第一章では、「三つの指導過程」の大枠と、指導の前提となる「文種」「表層よみ(出会いよみ)」について述べています。文種の区別がつくと、説明文・論説文の指導はずっとわかりやすくなります。また、どの子どもも授業に主体的に参加できるようにするための入門的指導「表層よみ」も大切です。

 第二章では「構造よみ」について述べています。「はじめ・なか・おわり」「序論・本論・結び」という典型構成を大切にしながら、子どもたちが主体的に構成・構造をつかむための指導です。

 第三章では「論理よみ」について述べています。「柱の段落」「柱の文」などを手がかりに、段落相互・文相互の論理関係を子どもたちが自分の力でつかむための指導です。

 第四章では「吟味よみ」について述べています。子どもたちが文章を自力で吟味しながら、優れた点を発見する方法、不十分な点を発見する方法を学んでいくための指導です。

 第五章では小学校の教科書教材の研究を、第六章では中学校の教科書教材の研究を、詳細に示しています。これらの具体例を参考にして、この本に載っていない教材も丁寧に深く教材研究ができるはずです。

 もちろん「構造よみ→論理よみ→吟味よみ」という順番で指導することが有効ではあるのですが、すでにご自分の指導法をお持ちの先生方は、そこに本書から応用できることを取り入れていただくという形でもよいと思います。様々な形で本書を生かしていただければ幸いです。


  先行研究とお願い

 「読み」の授業研究会(読み研)は、二〇一六年で創立三十周年になります。これまで説明文・論説文の授業について研究・実践を積み重ねてきました。多くの先行研究・先行実践も取り入れてきました。そして、研究したことを常に授業化して検証を繰り返してきました。その成果の一つが本書です。

 最後に、説明文・論説文に関する読み研の先行研究・先行実践を紹介します。


 大西忠治『説明的文章の読み方指導』一九八一年、明治図書

 阿部 昇『授業づくりのための「説明的文章教材」の徹底批判』一九九六年、明治図書

 阿部 昇『文章吟味力を鍛える―教科書・メディア・総合の吟味』二○○三年、明治図書


 これ以外に、毎年刊行している読み研編『国語授業の改革』1〜16号(二○○一年〜二○一六年、学文社)でも、説明文・論説文の指導過程、教科内容、教材等の研究を行っています。

 本書は、小中高の説明文・論説文の授業を改革するための大きな力になると思います。とはいえ、まだ研究途上の部分もあります。本書をお読みいただく中で、また実際に授業化していただく中で気づかれたこと、気になったことを読み研まで是非お知らせいただきたいと思います。

 なお、本書の刊行にあたり、私たちを力強く支えてくださった明治図書の木山麻衣子氏に感謝を申し上げます。


   「読み」の授業研究会代表・編集委員長 /阿部 昇(秋田大学)

著者紹介

「読み」の授業研究会(読み研)著書を検索»

確かな「読む力」を育てるための指導方法について研究・実践を重ねてきた。説明的文章(説明文・論説文)の指導、文学作品の指導、「読むこと」から「書くこと」への発展指導などについて多くの提言を行ってきた。1986年創立、2016年で30周年。


〈編集委員〉

阿部 昇(あべ のぼる)(編集委員長)

「読み」の授業研究会代表、秋田大学大学院教育学研究科教授。日本教育方法学会常任理事、全国大学国語教育学会理事、日本NIE学会理事。


加藤 郁夫(かとう いくお)

「読み」の授業研究会事務局長。大阪大学非常勤講師。


高橋 喜代治(たかはし きよじ)

「読み」の授業研究会事務局次長、立教大学特任教授。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 説明文が良かった
      2018/4/29しいちゃん
    • 「はじめー中ー終わり」についてたいへんわかりやすく整理してある点がとてもよい。
      2016/9/1650代・教委
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