中学校・使える学級経営のマニュアル3
集団として一体化する学級経営術

中学校・使える学級経営のマニュアル3集団として一体化する学級経営術

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体育祭や合唱コンクールが絶対成功する前日の語り等実践を紹介

忘れ物をしない生徒はいないー担任が前提にしなければならない鉄則。対策はどうするか?教科書を含めて必要なものを教師が用意し、説教抜きで渡すだけ。こういうことで時間を費やさないことが、学級を集団としてまとめるスキル。そのノウハウを場面ごとに例示。


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ISBN:
978-4-18-224315-8
ジャンル:
学級経営
刊行:
対象:
中学校
仕様:
A5判 168頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

もくじ

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まえがき
第1章 規範意識の育て方 集団を統率する教師力
1.それは,生徒のための学習規律か? /染谷 幸二
2.教師なら,あいさつの意義を徹底的に考えよう /染谷 幸二
3.《減点法》から《加点法》に教師の発想を変えてみる /染谷 幸二
第2章 向山学級を中学で再現するための第一歩
1.「言う」側を認め,「受ける」側に優しさを求める /櫛引 丈志
2.「立候補じゃんけん」でやる気優先の学級をつくる /山本 真吾
第3章 温かな学級をつくる 心の指導1・2・3
1.あの手この手で布石を打つ /風林 裕太
2.行動を起こさせよ 心は後から磨かれる /横山 宏樹
3.すぐれた教材・教具を活用する /上野 一幸
第4章 学級担任の優しさ “困り感”のある生徒に寄り添う
1.そっと背中を押してあげる教師の優しさ /染谷 幸二
2.方法は1つではない,万策尽きるまで対応する /三並 郁恵
3.善悪を毅然と示し,常に味方となる /寺田 加奈子
4.望ましい行動をほめて,認める そして広げる /進士 かおり
5.予定は変えない,変える場合は早めに連絡 /冨田 茂
第5章 自信を持てない生徒への語りかけ
1.緊張を解消する具体的なスキルを教える /山本 真吾
2.「ほめる・そして励ます」 それをひたすら続ける /冨士谷 晃正
3.生徒の味方になる気持ちがあれば,語りは必ず生徒の心に届く /田中 克彦
第6章 生徒が変わる! 効果的なほめ方・叱り方
1.エピソードで語れる教師であれ! /垣内 秀明
2.ほめて育てるのが指導者の役目 /古松 育代
3.できていなくて当然! だから教師の仕事がある /山口 俊一
第7章 3年間のスタート 入学式後の学活で新入生に伝えたいこと
1.《しつけ三原則》と《1年間でなってほしい姿》を語る /志田 智明
2.強く指導すること,個人の向上,集団の向上 /橋 薫
3.学校に来る意味を語り,中学校生活の見通しを持たせる /杉山 学
第8章 生徒が燃える! 体育祭前日の語り
1.生徒の努力をほめ,生徒が思いを語る場をつくる /辻 拓也
2.勝利よりも大切なものに気づかせる「3つの約束」 /野口 敦広
3.全力を尽くすことの大切さを伝える /上野 一幸
4.手にすべきは,「本物」の勝利だ /坂本 育朗
第9章 感動を共有する! 合唱コンクール前日の語り
1.歌い切ったと,笑顔でステージから降りられたら成功 /伊藤 和子
2.ひとつのテーマで,常に語り続ける /パク フンミン
3.学級にいる生徒一人ひとりのために語る /星 由紀枝
第10章 卒業直前 生徒に贈った言葉
1.最後の学活で生徒に送ったメッセージ /川神 正輝
2.まわりの人から応援してもらえる人になってほしい /山下 修
3.たった1つの心構えと卒業して変わる勉強方法 /佐藤 泰弘
4.成人式で再会した時にも語れる贈る言葉 /山口 俊一
第11章 生徒とのツーウェイ 「交換ノート」を学級経営に活かす
1.「生徒会役員日誌」で学年リーダーを育てる /川神 正輝
2.続ける秘訣は「ノート」+「通信」 /橋 薫
第12章 学級に笑顔と活力! とっておきの学級レク・学年レク選
1.教師の都合で組み立てるのではない /櫛引 丈志
2.学級の絆を深めるお勧めレク3 /横山 宏樹
第13章 生徒の意欲を引き出す個人面談のシナリオ
1.笑顔で終えるよう,未来志向で語る /戸嶋 崇人
2.面談での質問項目から意欲を引き出す /佐藤 泰弘
あとがき

■まえがき■

 4月,生徒との出会いを大切にしたい。学級も,授業もそうだ。準備を綿密に行い,生徒に語る言葉をノートに書き出し,何度も何度も練習する。20代の頃は,そういったことが苦にならなかった。気持ちが充実していたのだろう。さすがに,今はそれほどの情熱はない。だが,20代の頃よりも心地よいスタートが切れるようになった。それはなぜか?

 私の心の中に,1年後の学級,授業の理想的なイメージがあるからだ。4月だからといって焦る必要はない。学級に,授業に最低限必要なことだけを洗い出し,それを3月まで徹底すればいい。大切なのは,3月の姿である。


  4月に指導したことを,3月まで継続させる。だから,3月まで継続できることしか指導しない。


 このことを意識できるようになったのは,大リーグで活躍するイチロー選手の話を聞いてからだ。プロ野球は4月に開幕し,半年間,ペナントレースが続く。若手選手は試合に出たいがために,4月の開幕戦に体調のピークを持ってくる。だから,気候が厳しくなる夏場に体力が落ち,やがて成績も落ちていく。イチローはピークを夏場に持ってくる。もちろん,4月の開幕でも普通の選手並の成績は残す。そして,試合を重ねる中で徐々に体調を整えていき,夏場にブレイクする。

 教師も同じではないか。出会いの授業,学級開きに力を注ぐ教師は多い。結構なことである。でも,その意欲を3月まで持続できるのだろうか。大切なことは,これから始まる1年間である。では,3月まで続けられることとは,どんなことであろうか。私の場合,次の一点である。


 時間にこだわる。


 授業を例にする。普通の教師は,チャイムが鳴ってから職員室を出る。私は,授業開始3分前には教室に入っている。これは《決定的な差》である。

 私が教室に入ると,廊下で遊んでいる生徒が教室に戻ってくる。これは,条件反射なのだろうか。生徒はチャイムではなく,教師の動きで授業の開始を判断する。私は「まだ休み時間だから自由に過ごしていいんだよ」と伝える。それでも,生徒は自分の席に座り始める。教室に入った私は,目の前の生徒と雑談を始める。部活動の話,テレビ番組の話,給食の献立の話などなど。当然ながら,教室では丁寧な言葉を使う。乱暴な言葉を平気で使う中学教師が多い。これでは,授業も粗雑になる。丁寧な言葉を使うから,授業もしっとりとなる。

 私は,チャイムと同時に授業を開始する。形式的なあいさつは必要がない。《休み時間モード》から《授業モード》に変わる。


 《授業はチャイムとともに始まる》《1分,1秒も無駄にしない》という教師の姿勢を,具体的な行動で示していくのである。ここから,授業に対する規範意識が育っていく。

 どんなに時間をかけて教材研究をしても,整然とした中で授業が開始しなければ意味がない。いい授業をしたければ,教師が時間を守ればいいのである。学級経営も根底は同じだと思っている。


 本書は,TOSS中学で学ぶ教師が,日々の学級経営から学び取った実践が綴られている。中学教師は成長期にある中学生を相手にしている。人生で最もエネルギーに満ちた中学生と一緒に過ごせることは,実に幸せなことである。

 本書が《笑顔があふれる学級》をつくるきっかけになれば幸いである。


   TOSS中学 /染谷 幸二

著者紹介

染谷 幸二(そめや こうじ)著書を検索»

1966年1月生まれ

TOSSオホーツク中学代表 中学向山型社会事務局

北海道別海町立中西別中学校勤務

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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