包摂する教室
「子どもの声」を聴くために欠かせないもの

包摂する教室「子どもの声」を聴くために欠かせないもの

新刊

総合11位

すべての子どもたちと、ともに学ぶために

発達障害、不登校、児童虐待、外国にルーツのある家庭、ヤングケアラー、性に関する課題…多様な子どもたちを包摂する学校教育のために、先生一人ひとりに「今、分かっておいてほしいこと」とは。ソーシャルワークの視点から学校と子どもを捉え、包摂の土台を築く1冊。


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PDF
ISBN:
978-4-18-221123-2
ジャンル:
教育学一般
刊行:
対象:
小・中
仕様:
四六判 256頁
状態:
在庫あり
出荷:
2025年10月22日

もくじ

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はじめに
第1章 学校と子どもたちの「いま」――なぜ「包摂」が必要なのか
1 マイノリティとマジョリティ
2 子どもの権利
3 子どもの意見
4 子どもの経験
第2章 「包摂する教室」に欠かせない7つの発想
1 個人モデルと社会モデル
2 合理的配慮
3 心理的安全性
4 日常的な応答関係
5 隠れたカリキュラム
6 威圧や暴力に頼らない姿勢
7 包摂――インクルージョン
第3章 「包摂する教室」に欠かせない子どもの背景と対応
1 発達障害
2 児童虐待
3 不登校
4 外国にルーツのある家庭
5 ヤングケアラー
6 性に関する課題
終章 学校がソーシャルワークの視点を持つということ
おわりに

はじめに

 高校生の時、障害者運動と出会い、その運動に魅了された私は、関西の大学へ進学し、その後14年間を障害者運動の世界で生きてきました。

 その運動で出会ったおとなから語られる自身の子ども時代も含めたしんどさ(家族の不和、保護者の精神疾患や依存症、児童虐待、学校での不適応行動、いじめ、不登校)に対して共感し、その正体を考えようとする中で、一つだけ共通していることに気が付きました。それは、全員が学校教育を通過し、しんどい渦中では家族以外の「おとな」と出会っているということでした。


 「なぜその時におとなが関わることができなかったのだろうか」この想いを胸に、障害者運動の世界から子どものソーシャルワーカーに転向しました。

 しかし、実際に学校と関わるようになると、同様の状況に対してどのように関わっていくのがよいのか悩み、キャッチアップすることの難しさに苦悩している先生たちの姿もありました。そして私の子どもが学齢期を迎えると、学校に適応することができない子どもたちとの試行錯誤の生活が始まり、親としても仕事としても「学校と子ども」を常に考える日々を過ごしてきました。そのような様々な立場から、私なりに「学校にどのような視点があれば、子どももおとなも安心して学校で過ごすことができるのか」をまとめました。


 本書は、第1章で、子どもが置かれている社会的な構造に触れながら子どもの権利とは何かということについて説明しています。第2章では、包摂の土台を作るために必要な知識を記しています。第3章では、学校で起こる具体的なことから、実際場面ではどのような視点で考えていくのか、ということについて記していますので、具体的なことを知りたい場合は、こちらから読んでいただいてもかまいません。そして、終章では、学校での包摂のキーワードになる、「ソーシャルワーク」について記しています。

 社会構造と知識と具体内容を行き来しながら読み進めていくことで、学校での包摂について、一緒に考えていければと思います。


  2025年8月   /小谷 綾子

著者紹介

小谷 綾子(こたに あやこ)著書を検索»

秋田県出身/兵庫県在住

社会福祉士/子どもソーシャルワーカー/SSW

NPO 法人SchoolVoiceProject 理事

大学で社会福祉と心理学を学ぶ。卒業後は,障害者の自立生活

センター(CIL)の職員を通して障害者の権利擁護活動を行い,

現職へ。

現在は,発達障害,不登校,不適切行動,児童虐待,親の養育

不安などの相談に対して,学校の外と中から子どもの権利に基

づくソーシャルワークの視点で働きかけている。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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