21世紀型授業づくり76
評価・評定と学力問題を読み解く

21世紀型授業づくり76評価・評定と学力問題を読み解く

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学力をめぐる論議が,また盛んになってきた。

戦後の学力論争をふまえて、評価と評定の問題点を解明し、先行研究遺産の検討、実践研究に見る高い学力形成の評価、さらには認知と情意の評価問題からメディア教育まで論究


復刊時予価: 2,244円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-221014-X
ジャンル:
評価・指導要録
刊行:
対象:
小・中
仕様:
A5判 116頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

もくじ

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はしがき
T 学習指導要領と指導要録にみる「ゆらぎの軌跡」
1 学習指導要領の変遷
2 指導要録の改定
1 相対評価と絶対評価
2 現実には両者の交差が
3 指導要録のゆらぎ
U 評価・評定そして学力とは
――基本概念の整理から――
1 評価と評定とはどう違うのか?
2 「評価はどうなる」という質問
3 学力を何でどう測るのか?
V 先行研究遺産の省察
1 イメージマップ
2 生徒に予想点をつけさせる
3 長期の記憶に残るのは
4 記述式の問題
W 高い学力の形式とその評価
――実践研究の最優先課題に――
1 日本史の入試問題から
2 高校入試,社会の問題から
3 中学理科「天気とその変化」より
4 理科の得意・不得意の調査から
X 認知と情意の評価
1 多重対問方式による科学的思考力の評価
2 映像視聴による評価
Y 情報教育の展開とその評価
1 教科としての情報科の持つ特徴
2 総合実習の事例と評価
3 情報化の「光と影」とその評価
Z 情報教育(ICT)の評価
1 課題研究「メディア・リテラシー講座」3単位(大阪市立・市岡商業高校)
2 「学校への道(Way to School)」(慶應義塾湘南藤沢中・高等部)
3 時空を超えた小学生による「おこめ白書」(東京・岡山)
[ メディア教育の質変化とその評価
1 放送教育の質変化
2 映像視聴能力からメディア・リテラシーの教育へ
3 評価の視点と方法は
\ 立場が変われば評価も違う
1 スリランカの学校での情報教育
2 スリランカの職業教育での情報教育
3 日本からの国際援助で目指すものは
] 学力問題の公開シンポジウムから
1 読売新聞(大阪本社)の教育シンポジウム
2 学力をどう捉えるか
3 学校経営の独自性,教育の地方分権を
4 「育児と育自」について
]T 交流学習の展開とその評価
1 学校間交流学習の展開
2 交流学習で育つ学力は
]U 評価を考えあうワークショップを
1 ワークショップの持ち方
2 各教科でも評価作りを
まとめに代えて

はしがき

 学力をめぐる論議が,また盛んになってきた。「また」というのは,戦後教育半世紀の間に,何度も学力低下をめぐる論争が繰り返されてきたからである。典型的なものをあげれば,1950年代から60年代前半,いわゆる新教育・問題解決学習と,教科の系統的な学習をめぐっての学力論争。あるいは1960年代後半から70年代にかけて,「教育の現代化」を目指す中で,児童生徒の学力に格差があらわになってきたことが,また別の学力論争をまきおこした。

 そして今回は,完全週5日制,総合的学習や教科情報の特設,選択学習の増加などが新学習指導要領の目玉になった。その反面,各教科の時間削減が現実になってきた。例えば中学校に例をとると,平成元(1989)年の学習指導要領では,総授業時数は1050時間,国語と数学はいずれも140時間であった。それが平成10年の学習指導要領では,総授業時数が980時間(年間に70時間減),中学3年では,国語と数学が,いずれも年間で105時間(35時間減)となっている。週に換算すれば,4時間の配当が3時間になるわけで,当然取り扱う内容が削減されたり,先送りされることになる。他方では,情報とコミュニケーション能力とか,総合的学習で培う新しい学びの能力が,生涯学習の基盤として注目もされている。

 「どうなる学力,どうする学力」――これは平成14年(2002)秋に,読売新聞大阪本社が実施した公開シンポジウムのテーマでもあるが――という論議が,広い層での論議を呼び,関心を集めている。

 ここで私は1つの反省を求めたい。これまでの学力論争は,ことごとく自分が強調する学力に的を絞り,それに都合のよいような事例を集めて,相手を批判し攻撃する。問題解決の実践的な能力――生きた働く力の形成を主張する人は,それに都合のよい事例を社会科や,自由研究,合科・総合の学習などに求め,干からびた教科中心の学力観を批判してきた。他方では,国語や算数・数学に事例を取り,基礎・基本の学力が低下してきたことを客観テストの結果などを元に取り上げて,「這い回る経験主義の亡霊」を切って捨てようとする。自分の主張の支えになる部分が,相手の主張の弱点と表裏一体になるわけで,激しく論争が燃えあがったようでも,実は「すれ違い」に終わり,なんら生産的な結果がもたらせない――これが戦後教育半世紀の歩んできた実態なのである。

 そうした反省を込めて,私は『現代教育科学』誌(明治図書)に平成14年4月から1年間かけて「これからの評価研究の課題」と題した連載をしてきた。その連載論文に修正を加え,新しく書き加えをして,単行本にまとめたのが本書である。私の希望を受け入れて刊行を励ましてくださった明治図書の江部満,樋口雅子さんらに,改めて感謝の意をささげたい。連載論文にいろいろと意見を寄せてくださった読者の皆さんにも,その励ましを感謝するとともに,書き直し,書き加えた本書にお目通しいただきたいと思う。


 私と共に長年にわたって研究に従事し,教材開発をしてきたプロジェクト・メンバーに心から謝意をささげたい。


  平成15年 春   /水越 敏行

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      明治図書

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