- はじめに
- 第1章 ほめる・叱る前にセルフチェック
- 1 妥当な規準が示されているのか
- 2 安心・安全を保障しているか
- 3 ラポールは十分か
- 4 ペーシングはできているか
- 5 決めつけていないか
- 6 余白(子どもが決める)を残しているか
- 7 コントロールしようとしていないか
- 8 クラスを分断する言葉になっていないか
- 9 気にかけていることが伝わっているか
- 10 教えているか
- 11 強すぎる報酬や罰になっていないか
- 12 子どもではなく、自分を変えようとしているか
- コラム@
- 第2章 だれでも「ほめ上手」になるポイント
- 1 「だれ」+「一点」でほめる
- 2 ほめた後のことを示す
- 3 初動をほめる
- 4 担任以外の人からほめてもらう
- 5 変化をほめる
- 6 「できた」ではなく、「やった」ことをほめる
- 7 経過を振り返ってほめる
- 8 好きなことをほめる
- 9 自覚していない点をほめる
- 10 「才能あるよ」「向いているよ」とほめる
- 11 できた理由を尋ねてほめる
- 12 目立たない子をほめる
- 13 失敗したときこそほめる
- 14 三秒以内にほめる
- 15 「いいねえ」より「ありがとう」と伝える
- 16 子どもの本音には「ありがとう」で返す
- 17 ほめる代わりに、質問する
- 18 「いちばん〇〇なのは?」と尋ねる
- コラムA
- 第3章 だれでも「叱り上手」になるポイント
- 1 客観的事実を伝える1数値
- 2 客観的事実を伝える2見せる
- 3 「先生も……」と言ってから叱る
- 4 「間違っている」ではなく、「困るかもしれない」で叱る
- 5 「今のあなたはどう思っている?」と質す
- 6 ノンフィクションで予防する
- 7 三秒以内に叱る
- 8 受け入れられるタイミングで叱る
- 9 「先生は、こうなってほしい」と叱る
- 10 成功したときこそ、次の目標を示す
- 11 ストップしてから、叱る
- 12 「本当は、どうしたかったの?」と尋ねる
- 13 「甘え」は叱らない
- 14 「○○怪獣をやっつけよう」と叱る
- コラムB
- 第4章 ほめベタ、叱りベタの××な習慣
- 1 他人と比べる
- 2 みんなの前でほめる
- 3 「言った通りにしたからできた」とほめる
- 4 あれも、これもついでに叱る
- 5 とにかく強く叱る
- 6 みんなの前で叱る
- 7 規準を変えて叱る
- 8 後出しルールで叱る
- 9 「いつもそう」と叱る
- 10 原因を決めつけて叱る
- 11 「ちゃんと〜」と叱る
- 12 「不機嫌ハラスメント」で、コントロールする
- 13 趣意を伝えず叱る
- 14 「ふつうは〜でしょ!」と言う
- 15 「みんなと仲良くしなさい」と促す
- 16 「ルールだから守りなさい」と叱る
- 17 「口答え」に言い返す
- 18 理由を問い詰める
- マンガ・図解を描き終えて
- おわりに
- 参考文献
はじめに
「ほめる」「叱る」―この二つの行為は、教師にとってあまりにも日常的で、教室のあちこちで無意識に行われています。けれども、いざ自分の言葉を振り返ってみると、「それは本当に子どもに届いていたのだろうか?」「伝えたかったことが、伝わっていたのだろうか?」と、ふと立ち止まる瞬間があるのではないでしょうか。
例えば、子どもがよい行動をしたときに、思わず「すごいね!」と声をかける。でも、何がどうすごかったのか、なぜそれが価値ある行動なのかを、きちんと伝えられていないことがあるかもしれません。
また、注意が必要な場面で「ダメだよ」「やめなさい」と言ったものの、その言葉が子どもの心に届かず、「怒られたからやめた」という表面的な改善にとどまってしまった経験もあるのではないでしょうか。
本書では、そんな日々の関わりの中にある「ほめ方」「叱り方」の工夫と可能性を、あらためて見つめ直す機会を提供したいと考えています。
言葉は、ただの指導の道具ではありません。子どもとの信頼関係を築く架け橋であり、子ども自身が自分の行動を理解し、納得し、よりよく生きるための手がかりとなるものです。
本書では、以下のような構成で、具体的な声かけの方法やタイミングの工夫、子どもの内面への寄り添い方を丁寧に紹介していきます。
第1章:ほめる・叱る以前に必要な「関係づくり」と「規準の整え方」
第2章:子どもが自分の行動を深く理解し、自律的に育つための「ほめ方」のポイント
第3章:子どもの成長につながる「叱り方」の工夫
第4章:子どもの心に届かない、不適切な「ほめ方・叱り方」の具体例とその見直し
どの章にも共通しているのは、「その言葉が、子どもにどう響くか」を大切にしていることです。教育における言葉は、評価や操作のためではなく、信頼と成長のために使われるべきもの。それは、私たち教師が「どんな子になってほしいか」を語る前に、「どんな大人として、どんな関係を築きたいか」という問いに向き合うことでもあります。
この本が、教師としてのあなた自身の接し方を見直すきっかけとなり、教室という小さな社会が、子どもたちにとって「安心して成長できる場所」となる一助になれば、これ以上うれしいことはありません。
/山田 洋一
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明治図書

















