- はじめに
- 第1章 図工大好き! はじめの一歩
- はじめの一歩を踏み出す前に
- 子供の自主的な活動を促す
- 子供のよさを見つけると、教師も図工が好きになる
- 第2章 見通しをもって年間指導計画を立てる
- 学習指導要領を側に置く
- 教科書を参考にする
- 6年間のスパイラルな学びを意識する
- 第3章 図工の授業は準備で決まる
- 授業のねらいに照らして準備する
- 材料を収集する
- 図工室を積極的に活用する
- 準備は片付けと対で考える
- 学校は協働の場であることを忘れない
- 第4章 授業に役立つ指導技術を身に付ける
- 用具を扱うときの指導と工夫
- 黒板の活用術
- 授業中の机間巡視
- 授業中の声かけ・働きかけ
- 片付けのポイント
- 第5章 材料と作品をかしこく保管する
- 限られたスペースを活用する
- 展示しながら保管する
- 平面作品をきれいに保管する
- 第6章 授業を改善する
- 授業の課題を見極める
- 日常的に学べる環境をつくる
- 第7章 具体的な子供の姿を評価する
- 教科の目標から図画工作の評価を理解する
- 授業中に評価する
- ワークシートから子供の思いを読み取る
- 作品には必ず題名をつける
- 第8章 魅力的な題材を開発する
- 教師自ら確かめる
- 題材の考え方
- 第9章 教師も素敵に成長するために
- 教師は何を教えるのか
- 子供から学ぶ
はじめに
私は長年、教師という職に就き、図画工作の授業を行っています。今も変わらず新鮮な驚きとともにこの仕事を続けています。初任の頃から「あっ、そうなんだ」「なるほど…」「しまった!」と失敗と発見を繰り返し成長の過程をたどっています。
特に表現の主体が子供である図画工作科において、教師に求められるのは、@教師自身が子供のような感覚でいること、A教師として、子供が発揮している資質・能力を読み取り必要な手立てを講じる力・人間性です。
@は、子供と一緒に活動し、話を聞き、子供がどのようなことに興味関心をもち、今夢中になっている楽しみはどこにあるのか、自分を子供の活動に重ねてその感覚を研ぎ澄ますことです。私は子供のような感覚でいることで、たくさんの出会いや発見から次の一歩を踏み出しました。そして、活動のよさや楽しさを実感し、子供と競いながら子供から学ぶ醍醐味を心得てきました。
Aは、経験が大切です。誰もが、思い通りにいかずに悩むことがいくらでもあるはずです。困ったときが成長するチャンスです。私は、人や本に助けられました。先輩や友人、あるときは保護者の一言から乗り越えるヒントをもらいました。本は、直接答えが書いてあるわけではありませんが、自分の考えが整理され、解決へのエネルギーに変換させてくれました。つまり、解決への道筋が生み出されたということです。
毎日必死に授業をし、夢中になって活動する子供の姿から学び、授業を改善する繰り返しの中で経験を積み重ね、教師は成長していくのだと思います。
本書は、先生方が授業での新しい一歩を踏み出すためのヒントになるよう心がけて執筆しました。先生方を、創造的な思考へ導くことができたら幸いです。旅をするように読み進め、出会いと発見があったら、ご自身の糧にしてください。そこから先は自分のアイディアとして活用し、目の前にいる子供たちと一緒に楽しい図画工作の時間を創造し、子供の表現を満喫しましょう。応援しています!!
2018年7月 /南 育子
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- 明治図書
- とても勉強になりました。図画工作科の専任教諭っていいなと感じました。2021/3/2720代・大学生