- まえがき
- 第1章 教師を悩ませる「むずかしい指導」
- 1 子どもは教師を試してくる
- 2 子どもは痛い所を突いてくる
- 3 むずかしい指導が続くとすべての指導が嫌になる
- 4 指導の「失敗」が子どもと教師の関係を歪める
- 5 一人の子どもの問題が学級の問題に広がる
- 第2章 こうすれば、「むずかしい指導」は即断できる
- 1 子どもを風呂敷のように柔らかく包む
- 2 竹のように節目を作ってしなやかな成長を促す
- 3 寄り添うからこそ妥協しない軸をもつ
- 4 信じるからこそ悪い可能性を想定する
- 5 情報量で子どもをリードする
- 6 子どもの主張の奥や裏を見る
- 7 子どもの理屈を尊重しつつ上書きする
- 8 子どもと共鳴するポイントを探る
- 9 子どもとの間合いを変えて駆け引きする
- 10 安易な二択にせず第三の選択肢を示す
- 11 回答に幅をもたせて答えの形をじわじわ広げる
- 12 正直に難しがってよい
- 13 視点が狭くなるときには憧れの先生に化ける
- 14 困ったときは即断しない即断をする
- 15 シミュレーションをこなして経験値を上げる
- 第3章 ケース別「むずかしい指導」即断ガイド
- 1 どうして学校でスマホを使ってはいけないの?
- 2 私のことを信じてくれないの?
- 3 先生と私だけの秘密にして!
- 4 どうしていつも俺ばかり怒られるの?
- 5 みんなやってるのに、どうしてダメなの?
- 6 悪いのはわかるけど、納得いかない。
- 7 そういう先生だってできてないでしょ。
- 8 ○○先生からは注意されなかったよ。
- 9 もういいです。先生の話は聞きたくない。
- 10 僕だっていじめられてる。
- 11 前のクラスの方がよかった。
- 12 みんなのためにしたのに、どうして「勝手なことするな」って言うの?
- 13 ○○くんの言う通りだと思う。
- 14 リーダーなんてやりたくない。
- 15 先生、やり方を変えてもよい?
- 16 話し合っても意味ないよ。
- 17 私のことをわかってくれない。
- 18 先生のせいで学校に行きたくない。
- 19 先生の言う通りでよい。
- 20 別にがんばりたくないよ。
- 21 クラスの問題は特にない。
- 22 この勉強、何の意味があるの?
- 23 ググっていい?
- 24 もう解き終わったから、読書をしていてもいい?
- 25 何がわからないのかわからない。
- 26 え〜、面倒くさい。
- 27 どうしていいかわからない。
- 28 話し合って楽しかった。
- 29 はい! 僕は〜だと思います!
- 30 家で勉強しようと思うけどできない。
- あとがき
まえがき
学校の「むずかしさ」を減らす。それが本書を通して私が目指すことです。
みなさん、教師をしていて「むずかしい」と感じるのはどんなときですか?
一生懸命に考えた授業が、うまくいかなかったときですか?
いじめや不登校の対応を続けているのに、結果が出ないときですか?
大きな行事の担当で、仕事を振ることができずに自分で抱えてしまうときですか?
保護者に厳しい口調で非難されたときですか?
年代や経験の違う同僚と歩調を合わせるときですか?
それとも、対応に困る言葉を子どもが口にしたときですか?
どれもむずかしいですよね。本書では、子どもの言葉にスポットライトを当てます。生徒指導や学級経営・授業の中で、子どもが投げかけた言動で困った経験は、誰しもあると思います。
教職経験の少ない先生はもちろんですが、中堅やベテランの先生も指導に困ることはありませんか?
これまでの経験を生かして指導したのに、手応えが薄いことはよくあります。「この対応で、本当に合っているのだろうか?」と、自信をもてなくなります。
学校を取り巻く状況が変わり、子どもの多様性が教室で顕在化しています。指導の仕方を変えないと、うまくいかない場面は増えます。
子どもに対する指導のむずかしさは、内容だけではありません。即座に判断しなければいけないことが、指導をさらに困難にします。
指導を終えて、放課後の職員室に戻ってから「もっとよい方法があったかもしれない」と後悔した経験、私には何度もあります。家に帰ってから指導した場面を思い出し、「あっ、こうすればよかった」と気付いても、後の祭りです。
指導はタイミングが命です。即断することが求められます。
そこで、むずかしい指導を即断するための考え方と指導の具体を一冊にまとめたのが本書です。私は中学校の教員ですが、校種にとらわれない内容を目指しました。
第1章は「教師を悩ませる『むずかしい指導』」です。むずかしい指導の背景や影響について考えます。
第2章は「こうすれば、『むずかしい指導』は即断できる」です。即断のための心構えや基本の技について考えます。ハウツーの紹介で終わらないように、教師としての在り方や指導の基本方針に触れています。
第3章は、「ケース別『むずかしい指導』即断ガイド」です。生徒指導や学級経営・授業の三つの場面で合計30のケースを想定し、即断の方法を具体的に考えます。どれも、私が実際に指導したり目の当たりにしたりした内容に基づいています。
ちなみに、第1章と第2章は、図解やイラストを入れていません。むずかしい指導には言葉の力が必要です。だから、思い切って文字だけにしました。もちろん、読み疲れないように、端的な表現を意識しました。
一方、第3章はケースを具体的に想像しやすいように、イラストを使いました。読んでいると、過去に経験した「あのときの教室」を思い出すかもしれません。また、今後むずかしい指導に直面したときに「あっ、本で読んだケースだ!」とすぐに気付くと思います。
「むずかしい指導なんて、できれば経験せずに過ごしたい」と思う気持ちがあるかもしれません。予防や回避ができるなら、それに越したことはありません。
しかし、実際はむずかしい指導に直面する日が、きっと来ます。そのときに「うわ〜、むずかしいなあ。でも、きっと大丈夫。よし! いっちょうがんばりますか!」と勇気をもって踏み出せるように、指導の構えを身につけましょう。むずかしい指導を乗り切るために知恵を蓄え、技を磨きましょう。本書がその手助けになります。
むずかしい指導をやり遂げると、子どもはぐんと成長します。学級の雰囲気はガラッと変わります。教師冥利に尽きる瞬間です。苦労の先には喜びが待っています。
さあ、それでは「むずかしい指導にどう対応するか?」というむずかしい問いについて、一緒に考えていきましょう。
2026年1月 /川端 裕介
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明治図書

















