- はじめに
- 第1章 学習指導要領と指導計画
- 学習指導要領と教科書
- 年間を見通した授業づくり
- 第2章 課題の設定
- 課題が授業を決める
- 課題設定における導入の大切さ
- 第3章 発問と生徒の発言
- 授業における発問の役割
- 発問のポイント
- 指名の方針
- 第4章 観察,実験
- 観察,実験の意義
- 観察,実験の工夫と改善
- 安全性への配慮と予備実験の重要性
- 効果的な演示実験
- 第5章 思考,表現の場面のつくり方
- 思考し,表現させることの大切さ
- 実験を計画する場面
- 実験結果を分析し,解釈する場面
- 法則や原理を事象に適用する場面
- 探究的な活動を行う機会
- 第6章 学習環境づくり
- 理科室と教室
- 理科室の机の配置と授業づくり
- 教室の机の配置と授業づくり
- 屋外における活動
- 第7章 板書とノート,ワークシート
- 板書とノートの役割
- 板書とノートの実際
- ワークシート
- 第8章 評価とその方法
- 評価とは
- 多様な評価方法とその実際
- 評価と高校入試
- 第9章 定期考査の問題づくり
- 目標に即した問題づくり
- 問題づくりの実際
- 第10章 理科室経営
- 理科室経営で目指すこと
- 理科室経営の実際
- 第11章 機器の活用
- スライド(パワーポイントなど)
- 教材提示装置
- 映像教材
- ホワイトボード
- 電子黒板
- 第12章 授業規律とルール
- 授業規律の大切さと難しさ
- 確認したいルールと指導
- 第13章 授業で配慮したいこと
- 生徒の目線で考える
- 声の大きさとテンポ
- 授業中の立ち位置
- 机間指導
はじめに
私の教員生活は,東京都八王子市の公立中学校でスタートしました。
ここでは2人の先輩の先生に恵まれ,空き時間が重なっているところでは,教科会の時間を設けてくださいました。日々の実践や科学の話題を語り合う場をつくってくださり,いろいろなアドバイスをいただきました。時折,夜の八王子に私を連れて行ってくださり,科学談義に花を咲かせたことも懐かしい思い出です。初任の時代を乗り越えられたのは,お2人の先生のおかげです。
八王子市の理科部会では,幹事の先生のご尽力でたびたび研修会が催されました。ちょっとした工夫やアイデアでいろいろな教材が生まれることを学び,自分の授業で新たな教材を試してみる喜びを知りました。このときに教えてもらった教材のいくつかは,今でも私の定番です。また,当時,多摩地区には「アルキメデスを育てる会」という研究会がありました。地域の理科の教員が教材や話題を持ち寄り,日頃の実践を交流する会です。ここでも,他校の先生との交流が生まれました。
附属中の時代の同僚は動物を自ら飼育し,フィールドにも出かけます。動物の話は,経験に裏打ちされたものが多く,説得力がありました。もう1人の同僚は,興味をもった本を片っ端から手に入れています。「全部読んでいるわけではないです」と謙遜しますが,旺盛な好奇心と豊かな知識には頭が下がりました。
ふり返ってみると,このように,実に多くの人との出会いのうえに現在の自分があることに気がつきます。初任のころの先輩の先生方,研究会で出会った先生方,附属中の同僚の先生方など,多くの先生方から刺激をいただきました。附属中の教員になってからは大学の先生とのご縁もできました。現場の実践に対して,理論的な裏づけを示してくださり,新たな視点をいただきました。そして,これまでに出会った数多くの生徒たちからも,多くのことを学びました。
本書は,そういった私自身の学びを,次代を担う若い理科の先生方や,これから理科教師になりたいと考えている方々に伝えるために書いた本です。
最後に,明治図書出版の矢口郁雄氏には,本書を執筆する機会をいただき,大変お世話になりました。心から御礼申し上げます。
2016年4月 /宮内 卓也
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- 明治図書
- 初心者にぴったりです!2017/2/3かん
- 教科の教材研究に役立った2016/8/1630代・中学校勤務