- はじめに
- 第T章 今,問われている教師の資質
- 1 説明責任のできる教師
- (1) 日々の学級経営上での説明責任
- (2) 危機管理としての日常的な説明
- 2 地方分権に生きる教師
- (1) 「総合的な学習の時間」の設計と実践
- (2) 一単位時間の弾力化の推進
- (3) 学校週五日制の完全実施
- 3 特色ある学校づくりに参画できる教師
- (1) 学校経営に参画する教師
- (2) 創意・工夫する教師
- (3) 教師全体の資質向上に貢献すること
- 4 人権感覚が身に付いている教師
- 5 職能成長する教師
- (1) 「総合的な学習の時間」の推進に向けて
- (2) 研修への主体的参画意識の高揚
- (3) 自己の力量を分析する
- 第U章 教師の専門性の再点検20
- 1 児童・生徒理解の徹底
- (1) 児童・生徒理解の徹底
- (2) 児童・生徒理解による学級経営
- 2 課題発見・解決能力の育成
- (1) 学級内での人間関係の把握
- (2) 学級内の気になる子に積極的にかかわる
- (3) 子どもが悩んでいることに気づく教師
- 3 先見性を身に付ける
- (1) 先見性を身に付けるために
- (2) 身近な教育課題から先見性を身に付ける
- 4 家庭との連携の在り方
- (1) 相互交流できる通信を
- (2) 授業公開の原則を学級でも
- (3) 児童・生徒理解に徹した家庭との連携
- 5 指導計画の作成
- (1) 意図的・計画的な指導計画
- (2) 自校の実態を重視したものを作成する
- 6 経営参画の意欲
- (1) 学級経営への創意・工夫した取り組み
- (2) 学年経営への積極的な参画
- (3) 学校経営への積極的な参画
- 7 学級経営案の作成
- (1) 学級経営の基本方針
- (2) 学習指導の方針
- (3) 生徒指導(生活指導)の方針
- (4) 家庭との連携の強化を図る
- 8 事務処理能力の育成
- (1) 学級での事務処理能力を高める
- (2) アンケートや出欠表などの提出
- (3) 学校事務の効率化を図る
- 9 専門性が生きる授業
- (1) 教師としての専門性が生きる
- (2) 授業改善を推進する
- (3) 得意分野の力量を生かす
- 10 企画力を身に付ける
- (1) 例年実施している行事,活動について
- (2) 新規の行事,活動を実施するとき
- (3) 行事,活動の見直しによって,再構成をするとき
- 11 教室経営・環境の整備
- (1) 教室経営の心得
- (2) 共につくり上げていく教室環境
- (3) 清潔な教室経営
- 12 公正・公平な対応力を身に付ける
- (1) 日常的な公正・公平な取り組み
- (2) 生徒指導(生活指導)上の問題での公正・公平な対応
- (3) 教師の意識改革を進める
- 13 教育目標達成に向けての努力
- (1) 教育課程の編成にかかわる
- (2) 特色ある学校づくりへの努力
- 14 健全育成にかかわる取り組み
- (1) 一体感のある連携
- (2) 日常からの危機意識の高揚
- 15 安全教育に留意した対応
- (1) 交通安全の徹底
- (2) 各教科での安全指導
- (3) 児童・生徒の危機意識を高める
- 16 情報収集能力の育成
- (1) 情報収集能力をどう身に付けるか
- (2) 情報の「光と影」の部分を見極める
- 17 「総合的な学習の時間」の推進
- (1) 「総合的な学習の時間」のビジョンづくりへのかかわり
- (2) 単元活動計画の作成
- 18 ティーム・ティーチングによる指導方法の改善
- (1) TTのよさの共有化
- (2) 自校の推進段階の把握
- (3) TT日常化に向けての課題
- 19 折衝能力の育成
- (1) 行事への対応
- (2) 苦情への対応
- 20 危機管理能力の育成
- (1) 学校事故が起きたとき
- (2) 危機管理能力としての危険回避
- 第V章 学級崩壊防止システムの確立
- 1 学級経営の共有化
- (1) 学級経営の基本的な方針を熟知する
- 2 学年経営,学校経営への参画
- (1) 学校での中心的な役割を担う
- (2) 若手教員の育成に向けて
- (3) 経営参画で学級開きを
- 3 指導体制,学校体制の確立
- (1) 指導体制の確立
- (2) 学校体制の確立
- (3) 崩壊を乗り越える力量
- 4 保護者,地域との強固なネットワークの確立
- (1) ネットワークづくりによる相互発信を
- (2) 学級開きの日常化
- 5 教師の指導力の向上システム
- (1) 「学級王国」的な経営システムからの転換
- (2) 教師の持ち味を生かす資質向上システム
- (3) コーディネート力の育成で資質向上を
- 付録資料
はじめに
現在,新教育課程の完全実施に向けて各校が特色ある学校づくりを構築しつつ,「総合的な学習の時間」の実践,各校の独自性あるカリキュラム編成,学校運営の工夫等によって,地域・家庭と一体となった教育活動が展開されている。
そして,様々な教育課題を克服するために,学校の説明責任,地方分権による学校の創意・工夫等,これまで以上に教師一人一人の在り方が問われてきている。
一方,崩壊に代表されるように,これまでとは違う子どもの姿を感じ,学級担任としての在り方そのものが問われる現象も起きている。学校そのものが大きく変革しなければならないと言われている。それは,学校そのものの公開性であり,教師一人一人の資質向上に他ならない。
東京都では,人事考課制度の導入によって,教師一人一人の自己申告,業績評価によって教師としての資質向上を目指す教育政策を取り入れた。この導入は全国に先駆けて教師の学習指導,生活指導,進路指導,特別活動他を情意面も含めて実績を評価しようとするものである。まさに日常の学級経営をしていく上での基本的な取り組みを自己申告に合わせて,どこまで意欲的に取り組み成果を上げたかを見ていくものでもある。
本書は,日常の学級経営を再認識しつつ,学校教育の達成に向けた教師の取り組みはどうあるべきか,時代を超えて身に付けていくべきことは何か等,学級崩壊防止に向けたシステムを理解していく手立てを具体的に表したものである。いまの自己を問い,子どもとともに生きる教師を目指していく際の指針にしていただければ幸いである。
平成12年8月 /釼持 勉
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- 明治図書