- はじめに
- 第1章 アクティブな授業づくりの基礎になる!小学校国語科でおさえておきたい基本事項
- 1 汎用性のある資質・能力としての言語能力を育む国語科教育の創造
- 2 国語科におけるパフォーマンス評価
- 3 子どもに出会わせたい音読教材
- 4 論理的思考を支える語彙の拡充
- 5 これだけはおさえたい語彙・文法
- Column 小中9年間を見通した言語力育成のポイントとは
- 第2章 国語授業をアクティブに変える!第5学年 言語活動を活性化する実践プラン
- 話す・聞く
- 1 友達と質問や意見を出し合い,「○○山の会」に必要なお礼を考えよう
- 「明日をつくるわたしたち」
- 書く
- 2 高学年としてよりよい小学校をつくっていこう
- 「グラフや表を引用して書こう」
- 3 わたしの町の商店街 お店を宣伝するポスターを作ろう!
- 「よさを伝えるポスター」
- 読む
- 4 登場人物同士の関わりを描いた作品を読み,「推薦ブックウィンドウ」で推薦しよう
- 「なまえつけてよ」
- 5 筆者の考えから感じ取ったことをリーフレットで友達に紹介しよう
- 「見立てる」「生き物は円柱形」
- 6 ノンフィクションを読んで心に残った名言を集め,語録集を作ろう
- 「千年の釘にいどむ」
- 7 椋鳩十作品を読み味わい,心ひかれる表現について推薦文で伝え合おう
- 「大造じいさんとガン」
- 8 想像力スイッチON! 提案します メディアとの上手な関わり方
- 「想像力のスイッチを入れよう」
- 9 語りに挑戦! 昔話・民話に親しもう
- 「見るなのざしき」
- 10 杉みき子さんの作品の魅力を書評で伝え合おう
- 「わらぐつの中の神様」
- Column 国語科の特質に応じた思考力の育成とは
- 第3章 国語授業をアクティブに変える!第6学年 言語活動を活性化する実践プラン
- 話す・聞く
- 1 今の思いをみんなに伝えるスピーチをしよう
- 「今,私は,ぼくは」
- 書く
- 2 未来へ残そう! わたしが変わった,あの日,あのとき,あの言葉
- 「随筆を書こう〜忘れられない言葉」
- 3 ようこそ○○小学校へ! 楽しさいっぱいパンフレット
- 「ようこそ,私たちの町へ」
- 4 よりよい未来をつくるために 今,わたしができること
- 「未来がよりよくあるために」
- 読む
- 5 読書座談会で広げる,深める,わたしたちの考え
- 「カレーライス」
- 6 ようこそ △△小学校賢治童話村へ
- 「やまなし」
- 7 「古典おすすめシート」で古典の世界の楽しさを友達に伝えよう
- 「伝えられてきたもの」「竹取物語」
- 8 未来の暮らしを守るために,地球資源の現状や解決方法をリーフレットで伝えよう
- 「自然に学ぶ暮らし」
- 9 写真と引用で伝える 星野道夫・命の写真展を開こう
- 「森へ」
- 10 交流シートを使ってクラスで意見交流会をしよう
- 「生き物はつながりの中に」
- Column 諸外国における「コンピテンシー」育成事情
- Column やってみよう!ブッククラブ
- おわりに
はじめに
グローバル化が進展する社会においても,「教育は不易流行である」。いかに時代が変わろうと変えてはいけない価値あるものと,時代の変化とともに変えなければならないものが,教育にはある。
私が教職に就いた1980年代,国語科は「生きて働く言葉の力」を身に付ける教科であると,先輩諸氏から教えていただいた。あれから35年。そのことは今も変わらず,国語科教育で大切にされていることである。
2008年に改訂された現行学習指導要領において,国語科は,言語の教育としての立場を一層重視し,国語に対する関心を高め,国語を尊重する態度を育てること,そして,実生活で生きて働き,各教科等の基本ともなる国語の能力を身に付けること,我が国の言語文化を享受し継承・発展させる態度を育てることに重点を置いている。そのために,実生活の様々な場面における言語活動が内容として示され,これらの言語活動を通して系統的に示されている事項を指導し,国語の能力を育成することが求められている。子どもたちが自ら学び,考え,判断し,自分の言葉で表現することができてこそ,生きて働く言葉の力が身に付いたと言えるだろう。
現在,国語の能力が確実に身に付く言語活動の在り方が課題になっている。子どもたち一人ひとりが,どのような言語活動を,どのように行い,どのような姿になったのか,どのようなことができるようになったのか,そして,それは生きて働く力となっているかなど,常に評価を行い,授業改善をする必要があるのではないだろうか。
本書は,これまで横浜市の教員として精力的に数々の教育実践を行い,横浜市の教育の推進に尽力してきた先生方が執筆をしている。ここで示している単元構想が,「国語が楽しい,分かった,できた」など,子どもたちの笑顔が多くの教室で見られる一助となることを願っている。
2018年,次期学習指導要領改訂にあっても,質の高い言語活動を通して日常生活や社会生活に生きて働く国語の能力,自ら学び課題を解決する能力を育てることが,より一層求められるだろう。子どもたちの興味・関心,教材の特長,言語活動の吟味,指導事項の重点化など,十分な教材研究の基に,魅力ある国語科の単元づくりが求められる。多くの先生方の真摯な取組に期待している。
2016年2月 鎌倉女子大学児童学部准教授 /入内嶋 周一
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- 明治図書
- 言語活動を考え、選ぶときの参考にしています。2019/1/1940代・小学校教員
- 新しい教材の言語活動が載っており、どのような評価につながるかなど、具体的なところがとても良い。2016/5/2640代・小学校管理職