『学級経営サポートＢＯＯＫＳ 「安心感」が荒れ・不登校を防ぐ！　クラス全員の思いをガッチリ「受け止める」対応術』の詳細情報

　それににもかかわらず挙手しないのは，間違ったら友だちに笑われるのではないか。先生から「それは違う」と一刀両断されるのではないかと不安なのです。

　不安が子どもの行動を躊躇させます。

　それなら，不安が「安心」に変われば子どもは「動く」はずです。しかし，子どもは未熟です。臆病です。小心者です。ですから，初めてのことや慣れないことや自信が無いことには尻込みをしてしまいます。

　そこで，「ほら，これだよ」と見せてあげます。一緒にやってあげます。すると，子どもは，先が見えるので，安心して取り組めます。安心できれば，子どもは動きます。

　では，どうやって子どもは「安心感」を得るのでしょうか。それは，担任の先生が失敗に対して日々前向きな指導をすることで得られます。

　ただ，そうはいっても，「学校は間違う所だよ。失敗を気にしなくてもいいよ」と言うだけでは，子どもたちは躊躇します。それは，「できる」という成功体験が無いからです。

　そこで，まずは失敗しない，「できる」経験を積ませます。それには，目標をクリアしやすいレベルに設定します。できる感を十分味わうことで，「あれができたのだから，これもできるかも」という次への挑戦の意欲を持てるようになります。

　仮に失敗しても，前の段階に戻ってやり直せばよいという安心感が行動するための自信となります。

　子どもは安心基盤があれば，「動く」ようになるのです。

　本書では，叱咤激励するのではなく，「やってみようかな」「自分にもできるかも」と，子どもが「動く」ような先生のものの考え方や具体的な事例を紹介しています。

　なお，本書は，各項目のはじめに，「×」と「○」の対応を提示して，そのあとで事例を引用しながらその内容を説明しています。本文で紹介した事例は，原則として著書が体験したことがもとになっています。また，各項目の最後には，日ごろ，子どもたちが感じている思いと，その思いを受け止めての先生の対応を紹介しました。

　　2015年1月　　　／城ヶ�ｱ　滋雄