- まえがき
- 1章 思考を深める発問・板書の基本は何か
- §1 考える力を育てる発問・板書の基本
- §2 学習意欲を高める発問・板書の基本
- §3 学びを促す発問・板書の基本
- 2章 発問・板書の仕方をどのように工夫するか
- §1 発問の仕方の工夫
- §2 板書の仕方の工夫
- 3章 知っておきたい発問・板書の仕方・生かし方
- §1 課題発見過程の発問・板書の仕方
- 1 課題発見過程の発問・板書の基礎・基本
- 2 課題発見過程の発問・板書の仕方
- 3 課題発見過程の発問・板書の生かし方
- §2 課題追究過程の発問・板書の仕方
- 1 課題追究過程の発問・板書の基礎・基本
- 2 課題追究過程の発問・板書の仕方
- 3 課題追究過程の発問・板書の生かし方
- §3 学習のまとめにおける発問・板書の仕方
- 1 学習のまとめにおける発問・板書の基礎・基本
- 2 学習のまとめにおける発問・板書の仕方
- 3 発問・板書の生かし方
- §4 興味・関心を高める発問・板書の仕方
- 1 興味・関心を高める発問・板書の基礎・基本
- 2 興味・関心を高める発問・板書の仕方
- 3 発問・板書の生かし方
- §5 学習意欲を高める発問・板書の仕方
- 1 学習意欲を高める発問・板書の基礎・基本
- 2 学習意欲を高める発問・板書の仕方
- 3 発問・板書の生かし方
- §6 知識・理解を確実に身に付けさせる発問・板書の仕方
- 1 知識・理解を確実に身に付けさせる発問・板書の基礎・基本
- 2 知識・理解を確実に身に付けさせる発問・板書の仕方
- 3 発問・板書の生かし方
- §7 一人ひとりの考えを大切にする発問・板書の仕方
- 1 一人ひとりの考えを大切にする発問・板書の基礎・基本
- 2 一人ひとりの考えを大切にする発問・板書の仕方
- 3 発問・板書の生かし方
- §8 多様な考え方を取り上げる発問・板書の仕方
- 1 多様な考え方を取り上げる発問・板書の基礎・基本
- 2 多様な考え方を取り上げる発問・板書の具体例
- §9 観察力をみがく発問・板書の仕方
- 1 観察力をみがく発問・板書の基礎・基本
- 2 観察力をみがく発問・板書の具体例
- §10 資料活用力を高める発問・板書の仕方
- 1 資料活用力を高める発問・板書の基礎・基本
- 2 資料活用力を高める発問・板書の仕方
- 3 資料活用力を高める発問・板書の生かし方
- §11 調査を確実を行わせる発問・板書の仕方
- 1 調査を確実に行わせる発問・板書の基礎・基本
- 2 調査を確実に行わせる発問・板書の仕方
- 3 発問・板書の生かし方
- §12 話し合いを深める発問・板書の仕方
- 1 話し合いを深める発問・板書の基礎・基本
- 2 話し合いを深める発問・板書の仕方
- 3 発問・板書の生かし方
- §13 討論を活発にする発問・板書の仕方
- 1 討論を活発にする発問・板書の基礎・基本
- 2 討論を活発にする発問・板書の仕方
- 3 発問・板書の生かし方
- §14 校外学習の事前指導における発問・板書の仕方
- 1 校外学習の事前指導でおさえておきたいこと
- 2 校外学習の事前指導の発問・板書の事例
- 3 事前指導における発問・板書
- §15 見学の効果を高める発問・板書の仕方
- 1 見学の効果を高める発問・板書の基礎・基本
- 2 見学の効果を高める発問・板書の方法
- 3 発問・板書の活用の仕方
- §16 グループ別学習を活発にする発問・板書の仕方
- 1 グループ別学習を活発にする発問・板書の基礎・基本
- 2 グループ別学習を活発にする発問・板書の方法
- 3 グループ別学習を活発にする発問・板書の活用の仕方
- §17 個別学習を充実させる発問・板書の仕方
- 1 個別学習における発問・板書の基礎・基本
- 2 個別学習における発問・板書の仕方
- 3 発問・板書の生かし方
- §18 少人数学習の効果を高める発問・板書の仕方
- 1 少人数学習における発問・板書の基礎・基本
- 2 少人数学習における発問・板書の仕方
- 3 発問・板書の活用の仕方
- §19 習熟度別学習の効果を高める発問・板書の仕方
- 1 習熟度別学習を効果的に行う基礎・基本
- 2 習熟度別学習の効果を高める発問・板書の仕方
- 3 習熟度別学習を取り入れるにあたって
- §20 課題選択を意欲的に行わせる発問・板書の仕方
- 1 課題選択を意欲的に行わせる発問・板書の基礎・基本
- 2 課題選択学習を意欲的に行わせる発問・板書の仕方
- 3 課題選択学習の活用の仕方
- 4章 これだけはやめたい発問・板書の仕方のタブー
- §1 発問の仕方のタブー
- 1 抽象的で難しい発問
- 2 内容の繰り返しや付け足しをする発問
- 3 教師のつぶやきのような発問
- 4 子どもの活動に即していない発問
- 5 特定の子どもに対して決めつけるような発問
- §2 板書の仕方のタブー
- 1 単元名や学習のねらいなどを書かない板書
- 2 子どもの発言を取り上げない板書
- 3 子どもの学習の手がかりがはっきりしていない板書
- 4 なぐり書きのような板書
まえがき
――学力保障時代の授業力――
今,学校・教師に求められていることは,次の3つのことである。それは,教育改革,学校改革の到達点と考えられるからである。
○ 基礎学力を確実に定着させる。
具体的には,学習意欲を高める(関心・意欲・態度),考えることができるようにする(思考・判断),分かるようにする(知識・理解),できるようにする(表現・処理または技能),学習したことが活用できるようにする(適用・応用,発展・創造)である。
○ 生徒指導(生活指導)・道徳教育を徹底する。
具体的には,基本的な生活習慣を確実に定着させる。誠実さ,礼儀,倫理観,感謝の心,思いやりの心,自然や生命を大切にする心,勤勉さなど豊かな人間性を育成する。
○ 充実した人生を送る基盤としての心身の健康の保持・増進やスポーツを楽 しむ習慣や能力を身に付ける。
具体的には,心身の健康保持・増進に必要な知識や習慣を身に付ける,スポーツを楽しむ習慣や意欲,技能を身に付けるなどである。
これらのこと,つまり上記の基礎学力等を子どもたちに保障するためには,教師の授業力と評価力が必要である。どのように立派な教育理念を持っていても,どのように優れた教育内容と教育活動を用意しても,それを実現する「技能」としての授業力と評価力を教師自身が身に付けていなければ,基礎学力等を保障する教育活動,授業は展開できないのである。
教師には,子どもや保護者から「子どもを確実に高めることのできる技能」を持ち,かつ発揮することが求められているのである。
そこで,私たちは,学力保障が強く求められる時代の教師に特に必要な「技能」(授業力や評価力)には,どのようなものがあるかを洗い出し,整理し,分かりやすく10巻にまとめてみた。その際,比喩的に言えば,次のようなことを念頭に置いて編集した。
○ 魚料理の食べ方を学習させる。――――すぐ使える。
○ 魚の料理の仕方を学習させる。――――使い方が分かる。
○ 魚の取り方を学習させる。――――――入手することができるようにする。
○ 魚の育て方を学習させる。――――――開発できるようにする。
つまり,すぐ役立つ知識・技能から,自分で創造・開発できるようになるヒントまでを整理し,まとめるよう努力したつもりである。それも,このようにしたらどうかという仮定や想定としての意見ではなく,実際に実践したこと,体験を基に生み出した知恵,よりよいものを生み出していくための考え方や方法などを具体的に紹介するようにした。
若い先生方,教育に情熱を持ち,さらにステップアップしようと努力している先生方の目に留まり,先生方の授業の充実,研修の手掛かりとして役立つことができれば幸いである。
本書を構想し,書き進める過程で大勢の方々にお世話になりました。特に,ご多用の中から本書のためにご執筆いただいた先生方に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
また,本書の企画の段階からお世話いただいた明治図書編集部の安藤征宏氏に対して,特に名を記して感謝の意を表します。
2003年6月 編者 /小島 宏 /寺崎 千秋
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- 明治図書