- はじめに
- 特別支援学級の担任になったら,子ども達のできることを探すプロになろう
- 特別支援学級の子どもは,「できない子」ではなく「できるようになりたい子」
- 新年度からはじめる特別支援学級のクラス運営 心がけたい10のポイント
- 特別支援学級の教室づくりは,「自分はここにいてもいいんだ」と思えることが大切
- 登校から朝の準備
- 毎朝の出会いを大切にしよう
- 01 持ちものの管理が一人でできる 靴箱と個人ロッカー
- 02 朝の支度が一人でできる 全体&個別の「やることカード」
- 03 自分の調子を確認できる 表情カードで出席合図
- 04 できた達成感が見える 個人用提出ケース
- 05 決められた位置で覚えやすい 全体用提出ケース
- 06 忘れものが少なくなる 名札ケースと教科書ボックス
- 07 使用場所がわかる 銀色トレーの消毒用アルコール
- 08 マイペースで学習できる 個別の学習机と椅子
- 09 今日の予定が確認できる 学級ボード
- 10 自分で確認・生活できる 週予定表と交流ボード
- 11 自分で選んで学習できる 個別の課題ケース
- 朝の会
- 楽しく一日の予定を見通そう
- 12 自分の学級だと一目でわかる 健康観察簿に学級シール
- 13 友達の顔を覚えることができる 立体カード
- 14 司会が一人でできる 朝の会進行表と台本
- 15 同じ情報が共有できる 見える化アイテム
- 16 視覚・体験・言葉をつなげる みんなで空を見てみよう
- 17 歌を楽しむことができる デジタル歌詞
- 18 「気持ち」を楽しく学習できる 表情クイズ
- 授業
- 学習進度・学習方法を尊重しよう
- 19 自分の空間がつくれる 机上サイズのパーテーション
- 20 じっくりと取り組める 集中スペース
- 21 パッと使って収納できる 教材ケース
- 22 逸れずに目標に向かえる めあてカード
- 23 自分で選べてやる気アップ いろいろなわとび
- 24 子どもに合った目標設定でやる気をあげる なわとびカード
- 25 一目でわかる 「スタート&ストップ」サイン
- 26 進捗状況がわかる パッと外せる学習カード
- 27 安心して気持ちを伝えられる 見えるほめ言葉
- 28 子どもの強みをいかす オーダーメイド教材
- 29 置いて伝える ヘルプカード
- 30 教室で季節を感じる 図工の作品掲示
- 31 板書時間を短縮できる 活動カード
- 32 校外学習の準備が一人でできる 板書と見本
- 休み時間
- リラックス&リフレッシュしよう
- 33 約束を守って使える 教材収納引き出し
- 34 遊びに参加できる 選べる遊びコーナー
- 35 困ったら教師を呼べるようになる こんなときどうするカード
- 36 プライベートを守る 着替えスペース
- 37 好きな感触でリラックス 感覚グッズと落ち着きスペース
- 38 教師と一緒にリフレッシュ コロコロボール
- 39 どこで遊ぶのか理解しやすい 個別遊び・ペア遊び
- 40 グループ遊びが楽しくなる 大型テーブル
- 41 学びが自信と実行力につながる 自立活動の教材遊び
- 給食・掃除
- 家庭の方針や子どもの思いを尊重しよう
- 42 給食準備を確認しながら進められる 給食手順カード
- 43 役割意識が高まる くるくる給食ボード
- 44 落ち着いた食事時間になる 給食ルールカード
- 45 自分の役割がはっきりする 掃除担当カード&掃除手順カード
- 46 用具の上手な使い方がわかる 掃除用具の持つ位置&片付けラベル
- 47 掃除で達成感を感じられる おそうじビンゴ
- 係・当番活動
- みんなが快適に過ごせるように助け合おう
- 48 クラスがもっとニコニコになる 係決め・係紹介
- 49 クラスへの貢献を実感できる 当番活動のふり返り
- 50 「やりました!」が見える 当番活動両面カード
- 帰りの会
- 「また明日会おうね。」と思える会を目指そう
- 51 一人ひとりのペースに合わせられる 全体掲示と個別チェッカー
- 52 個々の実態に合わせた 個別の連絡帳
- 53 学校への帰属感を高める 学校の合言葉と帰りの会ボード
- 54 楽しみながらチェックができる ピカピカビンゴ
- 55 触って確認したい 教師の安全点検
はじめに
本書を手に取っていただき,誠にありがとうございます。
特別支援学級の担任になったあなたは,すでに子どもたちにとってかけがえのない存在です。
子ども達は常に学びの途中です。「どうやったらできるだろう?」と考え続けることで,子どもの可能性は必ず見えてきます。そして,一つひとつの「できた!」を積み重ねていくと,子どもの笑顔と共に私たち自身の笑顔が増えていることに気がつきます。
何よりも忘れないでほしいのは,あなたの愛情が子ども達の成長を支える最大のエネルギーだということです。子どもは,愛情に満たされることで安心し,自分を信じて前に進む勇気をもてるのです。
子ども達の未来を拓くのは,日々のあたたかいまなざしと子ども達を想う声かけの積み重ねです。
どうか,自分の愛を信じてください。そして,子どもたちと共に歩む毎日を,あなた自身の誇りとしてください。
子ども達が安心して過ごせる居場所づくりをしよう
特別支援学級の一日は,子ども達が「ここなら安心して過ごせる」と感じることからはじまります。安全安心な環境づくりは,学習以前に欠かせない学校生活の土台です。教室の動線を整理し,危険物を取り除き,子どもが落ち着ける教材やスペースを確保することが大切です。
掲示物や日課表を視覚的に示す,声かけを一貫させるなどで一日の見通しをもって安心して過ごせます。また,不安のある子には「安心できる人」「安心できる場所」を事前に共有しておくと,パニックや混乱を未然に防ぐことにつながります。安全安心の基盤が整うと,子ども達は苦手意識のあることでも,自ら挑戦する力を発揮しやすくなります。
「どうしたらできるようになるだろう」に思考をアップデートしよう
学校で子ども達と過ごしていると,「なんでできないんだろう……」と感じる場面に必ず出会います。学習が進まない,板書が写せない,友達と一緒に行動できない。そんな姿を前にすると,教師としての力不足を感じたり,子どもに原因を求めたりする気持ちが湧いてくることもあるかもしれません。でも,そこで立ち止まらずに「どうやったらできるようになるだろう」と問い直してみてください。その瞬間,私たちの思考は前向きに切り替わり,アイデアの芽が生まれます。「文字を大きくする」「手順をカードにする」「動きを一緒にやってみる」その小さな工夫が,子どもの「できた!」につながっていきます。できない理由を探すよりも,できる方法を一緒に見つけること。これが特別支援教育の本質であり,担任としてのやりがいです。
あなたの愛情で子ども達の心を満たしていこう
子ども達が安心して学び,挑戦できるために,一番の土台になるのは「身近な大人の愛情」です。どんなに立派な教材や支援方法があっても,子どもが「自分は大切にされている」と感じられなければ,力を伸ばすことはできません。
だからこそ,やさしいまなざし,あたたかい声かけ,そっと寄り添う姿勢が何よりの基盤になるのです。子ども達は,失敗しても,間違えても,教師が変わらず受け止めてくれるとわかると,心のエネルギーをチャージして再び取り組むことができます。
私達教師が「大丈夫だよ,一緒にやってみよう」と伝えるだけで,子どもたちは安心し,次の一歩を踏み出せるのです。あなたのやさしさは,子どもの心を満たし,未来を生きる力を育てます。
どうか,子ども達を信じて,あなたの愛情を子ども達に惜しみなく注いであげてください。あなたのやさしさは,子ども達の成長を支える最大の力なのです。
学び続ける教師に担任してもらえる子ども達は幸せです
本書を通して,読者の皆様に,「子ども達が安心して生活・学習することができる特別支援学級の実践」がお役に立てたら幸せです。私達教師は,時代の変化に取り残されることのないように,常に学び続け,子ども達にとってよりよい指導・支援をすることができるように努めていきましょう。
今日も,本書を手に取り,子ども達のために研究している。
そんな,あなたのことが大好きです。
子ども達の笑顔のために,これからも同じ時代を生きていきましょう。
すべては子ども達のために,たくさんの愛を込めて……
著者 /いるかどり
-
明治図書















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