- プロローグ
- Chapter1 習慣にしたい教師のアイテム&思考術
- 習慣1 多様なペンを常に持ち歩く
- 習慣2 ノートに書く
- 習慣3 お気に入りのメモ帳を見つける
- 習慣4 デジタルカメラで手元に残す
- 習慣5 ICレコーダーでクリエイティブに働く
- 習慣6 ポメラを携帯する
- 習慣7 「+α名刺」を持つ
- 習慣8 「“あなたの”名刺」を持つ
- 習慣9 “行きつけ”の文房具屋を持つ
- 習慣10 身の周りは教材だらけだと気づく
- 習慣11 大人のための勉強部屋「大学図書館」を使う
- 習慣12 「楽しいなあ」と声に出す
- 習慣13 「笑顔」と「笑い」は絶やさない
- 習慣14 常に遊び心を持つ
- 習慣15 トコトン突き抜ける
- 習慣16 審美眼を磨く
- 習慣17 貪欲さを持つ
- 習慣18 敏感さを磨く
- 習慣19 “こだま”する
- 習慣20 よい鈍感力をまとう
- 習慣21 嫉妬される仕事をする
- 習慣22 図にのる才能を持つ
- 習慣23 あこがれの先生を見つける
- 習慣24 明日を味方につける
- 習慣25 タフなメンタルを持つ
- 習慣26 ネバーギブアップの心を持ち続ける
- Chapter2 習慣にしたい教師のための自分磨き
- 習慣27 気づきのカウンターを更新する
- 習慣28 メモ癖をつける
- 習慣29 何でもどこでも書く
- 習慣30 居酒屋では書きながら飲む
- 習慣31 メモ帳を宝物にする
- 習慣32 教材研究は三度の下ごしらえをする
- 習慣33 「作品」意識を持つ
- 習慣34 まずは自分の頭で考える
- 習慣35 “記録しながら”アウトプットする
- 習慣36 勢いよく板書する
- 習慣37 コンサート・舞台鑑賞から学ぶ
- 習慣38 映画の削除シーンに学ぶ
- 習慣39 真似るからスタートする
- 習慣40 勉強会を立ち上げる
- 習慣41 仲間と教材研究をする
- 習慣42 授業記録@ 授業記録を取る
- 習慣43 授業記録A 授業記録を量産する
- 習慣44 授業記録B 授業記録で自分の“足跡”を残す
- 習慣45 授業記録C 赤裸々に書く
- 習慣46 授業記録D 再現性を持たせて書く
- 習慣47 授業記録E 子どもたちの姿を具体的に書く
- 習慣48 授業記録F 思い出を閉じ込めて書く
- 習慣49 学級通信@ 「学級通信」は楽しく無理せず書く
- 習慣50 学級通信A 自分だけのパターンをつくる
- 習慣51 学級通信B 名前や数字を入れて書く
- 習慣52 学級通信C そのときの自分をとどめておく
- 習慣53 学級通信D 自分を見つめ続ける
- 習慣54 「テープ起こし」をする
- 習慣55 アイデアスポットを持つ―書店―
- 習慣56 アイデアスポットを持つ―車内―
- 習慣57 アイデアスポットを持つ―散歩中―
- 習慣58 アイデアを形にする場所を持つ―お洒落なカフェ―
- 習慣59 学校の周りを散歩する
- 習慣60 自分だけのユニーク仕事術を持つ
- Chapter3 習慣にしたい教師のための読書術
- 習慣61 読書は最高の遊びと考える
- 習慣62 本選びで気づく
- 習慣63 乱読する
- 習慣64 「いいな!」で買う
- 習慣65 リアル書店に行く
- 習慣66 本に相づちを打つ
- 習慣67 教育書以外から学ぶ
- 習慣68 子どもの前で夢中で本を読む
- 習慣69 言葉は読書でつくられる
- 習慣70 大好きな著者の本は全て読んでおく
- 習慣71 本はフレーズ買いする
- 習慣72 ページの折り方を変える
- 習慣73 「本起こし」をする
- 習慣74 一枚の紙にまとめる
- 習慣75 すすめられた本は即購入する
- 習慣76 同じ本を二度買う
- 習慣77 読書会を開く
- エピローグ
プロローグ
“こたえ”は子どもたちの中にある
ある子の「二学期の振り返り」の中に、次のような記述がありました。
「国語の授業の『やまなし』で板書を書いているとついていけなくなりそうだったので、ノートに書くのを少しとめて聞くことに専念しました」
この記述を読んだときに、私は「話し合い」形式の授業(森川は「座談会」と呼んでいます)のときは「授業後に板書を子どもたちに配る」ということを徹底しようと決めました。
それまでは板書を子どもたちに配ることもあったのですが、子どもたちに、「自分で板書を写したほうがいいなあ」「今日は板書しなくてもいいです」「できるだけ書いて」などと日や内容によって曖昧な対応をしていました。
しかし、「徹底して話し合いをさせるときは、毎回絶対欠かさずに配ろう」と決めたのは先の記述があってからです。
我々教師が求めている「現場」での「こたえ」は、子どもたちの中にあります。
「こたえ」は子どもたちから「つぶやき」「行動」「発言」、そして「記述」となって示されるのです。時としてそれは「つぶやき」にも満たない「ちょっとした仕草」であるかもしれません。「顔が曇っている」ということかもしれません。
そのような子どもたちの「内なる声」に気づける存在になりたいものです。
本書では、そのような「内なる声」に気づける自分になるために必要な「自分磨き」について、習慣にしたいことをまとめてみました。
「気づける」先生は何が違うのか。
それは自分自身の「気づきの場所」「気づきの方法」を必ず持っていることです。「気づき回路」が、自分のライフスタイルの中に設定されているのです。
「気づき回路」の設定のために、様々な角度からの「気づきを倍増させる自分磨き」を集めたのが本書です。
教師の「持ち物」といった具体的な“モノ”から、教師力の根幹を鍛える「教師のメモ術」「授業記録術」「学級通信の書き方」といった主に“教師の書くこと”について。そして、手軽にできる最強の自分磨きである“読書”。
本書は二〇一二年に『先生ほど素敵な仕事はない?!』(明治図書)として出版されたものを、「習慣にしたい自分磨き」という観点で再構成したものです。……とはいっても、大幅に加筆しました。新しい原稿も加わっています。さらに当時の原稿をもう一度読み返し、現在の私の視点で書き換えも行いました。
前著をお持ちの先生方にもまた新たな“出会い”として楽しんでもらえるよう心がけたつもりです。
さあ、一緒に「自分磨き」を楽しみましょう。せっかくなりたくてなった教師なのですから。
本書を読み終えた後、「ワクワクしているあなた」と、「エピローグ」で出会えますように……。
しかし、その心意気や活動のねらいは理解したい。