自立をかなえる!
<特別支援教育>ライフスキルトレーニングスタートブック

自立をかなえる!<特別支援教育>ライフスキルトレーニングスタートブック

好評3刷

インタビュー掲載中

幸せになるために。身につけておきたいスキルがある…

発達障害の人が社会に参加し、地域で幸せに生活していくために、身につけておきたいスキルがあります。学校の勉強や就労現場での職業能力といった表の能力ではなく、バックボーンにある「生きていく術」です。本書ではこの「ライフスキル」に迫りました。


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ISBN:
978-4-18-164416-1
ジャンル:
特別支援教育
刊行:
3刷
対象:
小・中・他
仕様:
A5判 112頁
状態:
品切れ中
出荷:
未定

目次

もくじの詳細表示

はじめに
第1章 発達障害の特性
1 LD(学習障害)
2 ADHD
3 自閉症
4 アスペルガー症候群
第2章 発達障害のある子の生きづらさ
1 診断の難しさ
2 学校教育での課題
3 就労場面での難しさ
・発達障害に対する理解不足とミスジョブマッチング
・ハードスキルとソフトスキル
・社会的問題
第3章 ライフスキルとは
1 WHO定義のライフスキルにおける発達障害のある人の困難性
2 ライフスキルに関連する用語
・ソーシャルスキル
・サバイバルスキル
・社会生活能力
第4章 発達障害のある子に必要なライフスキル
1 我が国におけるライフスキルトレーニング
2 米国における移行支援に必要なスキル
・TTAPの直接観察尺度におけるソフトスキル
・TTAPの家庭尺度におけるソフトスキル
・TTAPの学校/事業所尺度におけるソフトスキル
3 なぜライフスキルが必要なのか
4 学校教育におけるライフスキルの指導
第5章 大人になって幸せになるために
1 望まれる学校教育
・早期からの職業教育
・キャリア(進路指導)教育と就労,福祉サービスの連携
2 幸せな職業的自立のために
・ハードスキルよりもソフトスキル
・療育手帳,精神障害者保健福祉手帳の取得
・柔軟な就労形態(ステップアップ雇用など)
・就労支援機関の活用
3 幸せな生活自立のために
・援助つき自立
・親亡き後の居住支援
第6章 「ライフスキル」サポ−ト事例
1 サラ金で借金をしてしまったカズオさん
2 数字に混乱するシンヤさん
3 昼休みの過ごし方が苦手なサチコさん
4 外部からの刺激に敏感なユウコさん
COLUMN
ADHDだったと考えられる著名人
LDだったと考えられる著名人
ASDだったと考えられる著名人
TEACCHプログラムとは
ノイズキャンセリングヘッドフォンとアーレンレンズサングラス
TTAPとは
NEETとSNEP(ニートとスネップ)
心の理論(Theory of Mind:TOM)とは
ライフスキルカウンセラー,ライフスキルサポーター
おわりに

はじめに

 発達障害の人に限らず多くの人たちは学校を卒業し,成人期に達するとその地域で暮らし,生活していくために大人としての様々な活動を行っていくことになります。1日の生活の中でも朝起きてから寝るまでに何もしないでいるということはよほどの重篤な病気でない限り少ないのではないでしょうか。しかしながら,人それぞれに一日の活動は違います。働いている人は働いている人なりに,また専業主婦の人や仕事をリタイヤした人もそれなりに朝起きてから夜眠るまでに行わなければならない活動があります。

 一般的に多くの人たちは高校や大学等の学校を卒業した後に仕事に就くことが多いと思いますが,仕事をするという活動は他の様々な活動と関連しています。元気よく日中の活動を行うためには,十分な睡眠が必要でしょう。目が覚めて仕事に行く前に行う活動としては,朝食をとる,歯を磨く,着替える,といった活動があります。家を出ると乗り物を利用する,職場に行くと同僚・上司に挨拶をする,お昼には昼食を食べ,休息をとる,仕事が終わると買い物をする,家に帰ると夕食をとる,入浴するなど人によって若干異なることがあっても,大枠として行わなければならない,あるいは行っている活動があります。


 このような日常の活動は定型発達と呼ばれる人たちにとってはしごく当たり前で,意識せずに行っていることと思われます。しかしながら,コミュニケーションや対人関係が苦手であったり,注意力が欠如していたり,文字や数字などの理解が弱い,いわゆる発達障害の人たちにとっては,このような日常の活動に困難を示す場合があるのです。本書では,以上のような日常的に行わなければならない活動を「ライフスキル」と捉え,発達障害と呼ばれる人たちがどのようなライフスキルに困難を示しているか,そしてそのような困難性を抱える発達障害の人たちにどのような支援が必要とされているかについてまとめました。


 アカデミックスキルといわれる学校での国語や算数(数学)などの教科教育,対人関係やコミュニケーションが中心となっているソーシャルスキルも大変重要で,生きていくうえで必要なスキルです。しかしながら,発達障害の人たちが社会に参加し,地域で生活していくうえで本当に困っていて,身につけておくべき必要なスキルとはどのようなものかについて考えてみたいと思います。


 なお,本書の刊行にあたり遅々として執筆が進まなかった著者に対し,辛抱強く待つだけではなく,本の完成まで優しく叱咤激励をしていただいた明治図書の佐藤智恵さんには心より感謝申し上げます。


   /梅永 雄二

著者紹介

梅永 雄二(うめなが ゆうじ)著書を検索»

宇都宮大学教育学部教授 教育学博士

特別支援(LD)教育士スーパーバイザー

自閉症スペクトラム支援士エキスパート

臨床心理士


学歴:慶應義塾大学文学部社会・心理・教育学科卒業(1983年)筑波大学大学院修士課程障害児教育専攻修了(1987年)ノースカロライナ大学医学部精神科TEACCH部インターン修了

職歴:障害者職業センターカウンセラー(1983年〜1995年)障害者職業総合センター研究員(主に自閉症,LDの就労支援の研究)(1995年〜1998年)明星大学人文学部心理・教育学科講師,助教授(1998年〜2003年)

専門:自閉症,LD等の発達障害のある児童生徒の進路指導,就労および居住支援

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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