特別支援学校&学級で学ぶ!5
障害のある子をその気にさせて伸ばす!インタレスト・メソッド
おもしろくって役立つ授業づくり

特別支援学校&学級で学ぶ!5障害のある子をその気にさせて伸ばす!インタレスト・メソッドおもしろくって役立つ授業づくり

インタビュー掲載中

好きこそものの上手なれ!子どもを伸ばす驚異の術

インタレスト・メソッドとは、コミュニケーションの困難な障害のある子どものための「興味の興味による興味のための教育方法」です。子どもが好きな事、面白い事、得意な事等、興味をとことん大切にし、子どもをその気にさせて伸ばす!授業づくりを一緒に始めませんか?


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PDF
ISBN:
978-4-18-163413-1
ジャンル:
特別支援教育
刊行:
対象:
幼・小・中・高
仕様:
A5判 128頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2018年1月22日
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目次

もくじの詳細表示

まえがき
第1章 今,特別支援教育で求められる視点と方法
1 子どもの実態の変化
2 教師の専門性への危惧
3 インクルーシブ教育と個々のニーズ
4 可能性の開花の原点は「インタレスト(Interest)・興味」
5 子どもが善くなってナンボの世界
6 本書の構成
第2章 「インタレスト・メソッド」とは?
1 感覚運動教育の系譜
2 「インタレスト(Interest)・興味」は,引き付ける対象
3 「インタレスト(Interest)・興味」は,教材・教具と同義
4 「インタレスト(Interest)・興味」は,5つの本能と同義
5 5つの感覚の意図的・計画的な活用
6 「インタレスト・メソッド」の基礎
7 「インタレスト・メソッド」の概念
8 開発主義としての「インタレスト・メソッド」
9 アートとしての「インタレスト・メソッド」
10 受容としての「インタレスト・メソッド」
11 そっ啄同時としての「インタレスト・メソッド」
12 授業形態における「方法の個別化」と「内容の個別化」
13 実態把握の基本
14 保護者との信頼関係の醸成
第3章 実践!「インタレスト・メソッド」
1 「インタレスト・メソッド」と障害のある子どもたち
(1) A校
(2) B校
(3) C校
(4) 子どもたちから学んだこと
2 「インタレスト・メソッド」の3つの形態
(1) 集団的形態における潤滑油的興味の活用例
(2) 個別的形態(方法の個別化)における興味の活用例
@大好きな海を手段として砂浜が好きになったメイちゃん
A大好きな台車に乗って体幹がしっかりしてきた愛ちゃん
(3) 個別的形態(方法の個別化)と集団的形態(内容の個別化)をミックスした活用例
○大好きな歌とハンモック遊びをキッカケに集団への参加が可能となったメイちゃん
3 「インタレスト・メソッド」へのトータルアプローチ
(1) 《のびのび体操》を媒介として表現的本能を促す―サキちゃんの場合―
@プロフィール
Aかかわり当初の主な様子
B指導仮説
C指導の実際
D結果と考察
(2) 大好きな「散歩」を活用して探究的本能を促す―愛ちゃんの場合―
@プロフィール
Aかかわり当初の主な様子
B指導仮説
C指導課題・内容・方法
D結果と考察
◆エピソード1:「自然は教育する,万物はすべて教材」
◆エピソード2:「見守るということ,偶然から必然へ」
(3) 大好きな「歌」を通してコミュニケーション的本能を促す―メイちゃんの場合―
@プロフィール
Aかかわり当初の主な様子
B問題の整理
C指導の実際
D要約
◆エピソード1:「カイダントン!」
◆エピソード2:「おばあちゃんと呼んだ日」
第4章 「インタレスト・メソッド」と特別支援教育の展望
COLUMN
養護学校教育の義務制実施
ジョン・デューイ(1859〜1952年)
「インタレスト・メソッド」の学びに欠かせない人々
資料
参考文献

まえがき

 「インタレスト・メソッド(Interest method)」は,子どもの「興味,好きなこと,おもしろいこと,得意なこと」をとことん大切にし,子どもをその気にさせ,やる気を促すための教育方法です。

 人間は,生きたい,かかわりたい,探りたい,構成したい,表したいという5つのインタレスト(Interest)・本能をもっています。筆者は,アメリカの大変著名な教育学者デューイが提唱した「Interest=興味=教材=本能」という一連の把握を踏襲し,潜在する5つの本能をいかに促すかが,最も重要な教育だと考えています。

 目標は,子どもの「健康・コミュニケーション・探究・構成・表現」といった人間の行動の5つの基本的要素・本能を育むところにあります。インタレストは,【生きる力】の原点です。

 「インタレスト・メソッド」は,主としてコミュニケーションの困難な子どもたちを対象とした「興味の興味による興味のための教育」です。長所を発見し,興味を拡大することによって,短所・欠点を補います。

 「好きこそものの上手なれ」「楽あれば苦,苦あれば楽」。子どもたちは,好きであれば,苦手さや苦しさがあっても目標に向かって頑張ります。楽しかったら苦しさを乗り越えようと努力します。


 一般的に,インタレストとは「引き付ける対象」,すなわち多くの場合,教育学者のヘルバルトのいう方法的興味,たとえば,「はじめ・なか・おわり」という授業の展開における潤滑油的な意味で使用されています。

 しかし,心理学者ジェームズは「我々の知識は漠然としており,どの要素に最初注意しようかということを決めるのは興味である」としながらも「興味そのものが何であるかは,我々にはわからない」と嘆いています。

 詳細は本論でお話しますが,インタレストについて簡単に触れておきましょう。

 第1に,インタレストは,一般的には皆さんご存じのように「おもしろいこと・引き付ける対象」という意味があります。いわゆる通常我々が使用している興味です。

 第2に,哲学者であり,心理学者,社会学者,教育学者でもあったデューイは,インタレスト(Interest)は,Inter(中間) とrest(存在)の合成語であり,教師と子どもの中間にある「教材」と同義であると述べています。

 第3に,デューイは,インタレストは,引き付ける対象であると同時に人間の内面に潜在する「本能」と同義であるとし,「社会的本能」「表現的本能」「探究的本能」「構成的本能」の4つをあげています。

 以上,インタレストは,興味―教材―本能と同じハイフンで結ばれています。本書では,断りのない限り,インタレスト―興味―教材―本能は,同じような意味合いで使用します。

 ところで,多くの教師は,楽しくておもしろく,役に立つ授業を展開したいと願い,子どもに内在化し,子どもたちを積極的に動かすためのインタレストの理論および活用方法を模索しているものと思われます。

 そこで,インタレストをめぐる基礎的知識の理解が,興味に関する考え方を明確化し,普段の実践の自信につながると考え,インタレストに関する基本的な知識の整理と確認を本書のねらいの1つとしました。

 一方,コミュニケーションの困難な子どもとかかわっている多くの教師から「指導のキッカケがつかめない。言葉のやりとりができない,パニックに陥ることが多い」等々,大変困っているという話をよく耳にします。

 確かに,重度の子どもの場合,学校で活用できる興味は,とても少ないことに気づかされます。重ければ重いほど興味の対象はゼロに近づいていきます。寝たきりの子どもの場合は教師の側から,直接的に他動的に身体に働きかけざるを得なくなる場合も出てきます。

 したがって筆者は,コミュニケーションの困難な重度・重複障害児の実態から,デューイのあげた4つの本能に「生存的本能(健康)」を加え5つの本能とし,さらに5つの感覚(聴覚・触覚・筋肉運動感覚・前庭感覚・視覚)の意図的・計画的な活用という新たな視点を加える必要があると考えました。

 先輩の1人として,コミュニケーションの困難な子どもたちとのかかわりで悩んでいる教師の手助けをしたい,ささやかながら応援をしたい,という切なる願いも本書の目的の1つとなりました。

 目的を達成するために,筆者がピグマリオン精神に基づいた17年間の教育実践と18年間の研究生活でまとめた「インタレスト・メソッド」の背景と実践について,エピソードを交えながら紹介してみたいと思います。

 ピグマリオン精神とは,どの子もきっと善くなると信じる教師の姿勢です。相対的にダメな子と見るよりもきっと伸びると思い込んでかかわったほうが,素晴らしい変容が期待できるという楽天的な志向です。

 子どもの「好きなこと」に着目し,子どもをその気にせ,子どものやる気を促し,健康やコミュニケーション等々の成長を願っている教師は,すべて「インタレスト・メソッド」の実践者であり仲間だと思っています。

 現場に目を転じると,今なお,いじめや不登校の問題が続いています。学校の授業の楽しさを追求し,個々の興味を大切にした「インタレスト・メソッド」の実践は,教師の専門性を高め,学校全体の雰囲気を明るくし,いじめや不登校の減少に寄与するものと考えています。


 本書は,興味全般について関心のある教師の皆さん,初めて障害のある児童生徒にかかわろうとしている教師の皆さんに是非お読みいただければと願っています。

 本書の作成に当たり,沖縄県立森川特別支援学校の知念幸人先生と琉球大学大学院の玉城晃さんにはいろいろとお手伝いいただきました。お忙しい中,本当にありがとうございます。

 本書の企画・作成に関しては,格別な御配慮をいただきました明治図書出版並びに編集部の佐藤智恵さんに心より感謝します。

 なお,本稿は平成26年6月23日に擱筆いたしました。


   /著者

著者紹介

大沼 直樹(おおぬま なおき)著書を検索»

元大阪教育大学教授・大阪教育大学附属特別支援学校校長

元琉球大学教育学部特別支援教育講座教授

沖縄県育英義塾教員養成学院(明星大学提携)講師

沖縄県立那覇特別支援学校評議員

沖縄県立泡瀬特別支援学校評議員

沖縄県立島尻特別支援学校評議員

糸満市就学指導委員会委員

八重瀬町就学指導委員会委員

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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