- はじめに
- 1章 子どもの「非認知能力」の伸ばし方 発達段階に応じた取り組み方
- 1 非認知能力を3つの枠組みで整理する
- 2 発達段階による違い
- 3 非認知能力のピラミッド
- 4 学習指導要領との関わり
- 2章 子どもの「非認知能力」の伸ばし方 成長を促す実践アイデア
- 小学校低学年 子どもの「非認知能力」の伸ばし方
- 01 「いいね!」を学びの原動力に
- 02 マス計算で自分の成長を実感しよう!
- 03 係活動でチャレンジする力を育てよう!
- 04 お話タイムで広がる相互理解と聞き合う教室づくり
- 05 「やってみよう!」を支える視覚支援カード
- 06 読みの視点を育てながら,他者共感の力を育む読書活動
- 07 自信につながる「キラキラカード」
- 小学校中・高学年 子どもの「非認知能力」の伸ばし方
- 01 子どもたちの発達の特性を理解しよう
- 02 授業での発問の工夫
- 03 「自分めあて」で「自分と向き合う力・高める力」を育てる
- 04 振り返ることが難しい子もいることを認識しておく
- 05 委員会活動・クラブ活動と非認知能力
- 06 「テスト直し」で非認知能力も認知能力も育てる
- 07 子どもたちと一緒に振り返ろう!
- 08 非認知能力を高める「ミニ会議」
- 09 教師からの支援と教師への信頼 究極の方法
- 10 学級の合言葉を作ろう!
- 11 授業の振り返り
- 12 「月末の振り返り」で自分を知ろう!
- 中学校 子どもの「非認知能力」の伸ばし方
- 01 未来を切り拓く,自立した人になるために
- 02 集団の中で自分の力を発揮する〜学級経営編〜
- 03 子どもの「素敵」を学級の「規範」に変えるフィードバック
- 04 社会的事象を自分ごとにするために〜授業編〜
- 中学校 子どもの「非認知能力」の伸ばし方
- 01 自らの人生を舵取りする力を育むために
- 02 学級経営実践 1年を見通した学級経営紹介
- 1学期:心理的安全性の高い集団づくりを目指して
- 2学期:自走するクラスを目指して
- 3学期:進級を見据えて一人一人のto beに目を向ける
- 03 4年間続けてきた学級担任としての4つの取り組み
- 高等学校 子どもの「非認知能力」の伸ばし方
- 01 月別目標シートで育てる「非認知能力」
- 02 生徒とともにつくる学級目標
- 03 探究で生徒の生き方の価値観を変えたい!
- 04 あり活が育てる非認知能力
- 05 NASAゲームで育てる非認知能力
- 06 学級通信が育てる非認知能力
- 07 提出簿の活用が育てる「自分で整える力」
- 08 ペア活動と席替えで生み出す学びの循環
- 高等学校 子どもの「非認知能力」の伸ばし方
- 01 学級経営は,日常をどう設計するかで決まる
- 02 生徒に「考えさせる」前に,教師が考えること
- 03 生徒の選択を支える「余白」のある関わり
- 04 行事は「育てたい力」が試される場
- 05 教室を越えて支え合った,生徒たちの力
- おわりに
- 執筆者一覧
はじめに
近年,「非認知能力」という言葉を耳にする機会が増えてきました。学習指導要領の改訂においても,「学びに向かう力,人間性等」といった観点が重視されるようになり,学校現場においてもその育成が強く求められるようになっています。
しかしその一方で,「非認知能力とは何か」「どのように育てればよいのか」という問いに対して,確かな手応えをもてている現場は,決して多いとはいえない状況です。
ただ,ここで確認しておきたいのは,非認知能力は決して新しい力ではないということです。最後までやり抜こうとする力,失敗してももう一度挑戦しようとする姿勢,他者と関わりながら学ぼうとする態度。こうした力は,これまでも学校教育の中で大切にされてきたものです。それらをあらためて整理し,言葉として捉え直したものが「非認知能力」と呼ばれているにすぎません。
では,その非認知能力を育てるとは,どのような実践なのでしょうか。特別なプログラムや新しい手法を導入することだけが,その答えではありません。むしろ,日々の授業や学校生活の中で,子どもたちがどのように考え,どのように行動し,どのように他者と関わっているのかに目を向け,それに対してどのように関わり返していくのかという,極めて日常的な実践の積み重ねこそが重要になります。
そしてもう1つ,大切にしたい視点があります。それは,教育は決して1人の力で成り立つものではないということです。どれほど優れた実践であっても,それが個人の中にとどまっていては,広がりをもつことはできません。現場にいる一人一人の実践がつながり,共有され,磨き合っていくことで,はじめて教育は持続的に変わっていきます。
本書は,そうした考え方のもと,いくつかの学校現場で行われてきた実践を集めたものです。ここで紹介される内容は,特定の理論や方法を一方的に提示するものではなく,それぞれの現場での試行錯誤の中から生まれてきた実践知です。
非認知能力と認知能力は,本来切り離して育てるものではありません。認知能力を身につける過程の中でも,非認知能力は必要な力です。その意味で,授業の在り方や評価の仕組み,さらには行事や学級の集団づくりの在り方そのものを,どのように捉え直していくのかが問われています。
本書に収められている実践は,決して特別なものではありません。しかし,それらを言語化し,共有することで,それぞれの現場における新たな実践の手がかりになると考えています。
本書が,読者のみなさまにとって,自らの実践を見つめ直し,誰かとつながりながら新たな一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。
2026年7月 監修者 /中山 芳一
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明治図書

















