子どもたちの感情を育てる教師のかかわり
見えない「いじめ」とある教室の物語

子どもたちの感情を育てる教師のかかわり見えない「いじめ」とある教室の物語

好評9刷

インタビュー掲載中

子どもの負の感情を認め,寄り添う教師のかかわり方

いじめや不登校など、子どもたちの様々な問題の背景には、怒りや悲しみ・不安・嫉妬などのネガティヴな感情があります。自分をコントロールできずに苦しんでいる子どもに教師はどう対応し、関わっていくべきなのか。その手法を具体的な教室場面から詳しく解説します。


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電子版予価: 1,404円+税

12/25刊行予定

ISBN:
978-4-18-141126-8
ジャンル:
学級経営
刊行:
9刷
対象:
小・中
仕様:
A5判 128頁
状態:
在庫あり
出荷:
2019年12月16日
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目次

もくじの詳細表示

まえがき
第1章 ある教室の風景から
第2章 子どもたちの感情を育てるということ
1.不快感情を安全に抱えられない子どもたちの姿
2.不快感情のコントロールをめぐる3つの誤解
3.感情の社会化というプロセス
(1) 感情を育てるプロセス
(2) ポジティヴな感情・ネガティヴな感情にどう向き合うか
(3) 感情のエネルギーにフィットする「声かけ」
(4) ネガティヴな感情をコントロールできない子ども
(5) 「感情の社会化」という概念を教育の中で生かすには
4.脳のしくみと感情の発達のしくみ
(1) 「安全・安心感」がネガティヴな感情を包む
(2) 「感情」と「意志の力」
5.耐性を育てるということ
6.解離様式による適応とその破綻
(1) 「逃げる」「たたかう」タイプの子ども
(2) 「かたまる」タイプの子ども
(3) 「解離」の概念
(4) 「封印」されてしまうネガティヴな感情
(5) ネガティヴな感情が表情にでない「よい子」
(6) コミュニケーションによる軌道修正を
7.幼児期から児童期,青年期の問題へ
8.現代の親子関係がもつ課題
(1) 親が子どもに癒される関係性
(2) 大人ポジションと子どもポジション
9.しつけと受容の誤解
(1) 「しつけ」というコミュニケーション
(2) 学校における「しつけ」のプロセス
第3章 「いじめ・不登校」その時教師にできること
―田中先生といっしょに考える
1.子どもの感情によりそうための援助シート
2.このクラスの女の子たちの問題をめぐって
(1) 「よい子」の攻撃性をどう理解するか? 〔孝子を理解する〕
(2) 適切に感情表出できる子どもはサポートも受けやすい 〔雪美を理解する〕
(3) 子どもの話を聴く姿勢 〔雪美の話を聴く〕
(4) 子どもの苦しみに目をむけると見えてくる現実 〔美恵子と里美と美樹を理解する〕
(5) 不登校後の最初の家庭訪問で大切な事 〔美恵子の家へ家庭訪問〕
(6) 自傷行為をしている子どもへの関わり方 〔里美への支援〕
(7) ぼぉーとしている子どもが抱えているもの 〔美樹の保護者と話す〕
(8) なぞが解けるその1
(9) 発達障害がある子どもを教室で支える 〔靖男の保護者との連携〕
(10) なぞが解けるその2
(11)ネガティヴな感情を承認する関わり 〔孝子へのとりくみ〕
(12)いじめる行為は子どものSOSのサイン 〔孝子の母との面談〕
(13)いじめ問題の解決にむけて子どもたちに何を伝えるのか? 〔学級指導〕
(14)保護者との対話の仕方 〔孝子の母からの手紙〕
3.このクラスの男の子たちの問題をめぐって
(1) 「困った子ども」にきちんと取り組む関わり 〔五郎を理解する〕
(2) 「きれる子」をめぐる悪循環 〔健太を理解する〕
(3) 教師自身の感情の投影に気づくということ 〔健吾を理解する〕
第4章 解説
―子どもを守り育てるために
1.「子どもの感情によりそうための援助シート」の意味
(1) 田中先生の実践から
(2) 長崎県教育委員会のとりくみ
2.いじめ問題への視座
(1) いじめる行為の循環に目をむける
(2) いじめられによる心的外傷から子どもたちを救うために
(3) いじめる子を支援することが重要な理由
(4) 「被害妄想」的な訴えが意味していること
3.子どもの問題と学級システム
(1) 問題行動は関係性(システム)の中で起こるということ
(2) 教師の子ども認識が「いじめ」の解釈を左右するということ
4.教師が自分の感情に目をむけることの大切さ
5.子どもが背負っているものの重さ
6.保護者との関わり
あとがき

まえがき

 本書は,教師が子どもたちの感情を育てるためには,いまどのような試みをしなければならないのか,ということを伝えるための本です。

 子どもたちのさまざまな問題行動の背景には,いやな気持ち,怒りや悲しみや不安や恐怖やいらだちや憎しみや嫉妬や緊張や無力感や疲労感などがあります。

 これらの感情を,ひとまとめにして,不快感情,ネガティヴな感情とよびます。不快感情を安全に抱えられないと,さまざまな攻撃性になって放出されてしまいます。「いじめ」は,その典型です。

 不快感情をコントロールできない子どもに,「コントロールしなさい」と指導しても,コントロールできるようにはなりません。

 私たちは,言葉の指示で,子どもをコントロールするという指導法になれきっています。

 しかしながら,それでは子どもの心は育ちません。

 まず,第1章で,小学校5年生のクラスの子どもたちの様子を描写してみました。このクラスは,私の臨床経験に基づいて創作したクラスです。この子どもたちに対して,担任教師がどのように問題を理解して,関わっていくのかという流れで本書は構成されています。第2章では,子どもたちの感情を育てるということについて説明をしました。第3章では,第1章で登場した子どもたちと担任教師の関わりを,物語として描きました。第4章では,その解説を行いました。


 本書を読むことを通して,教師として,子どもたちの感情を育てるための方向性をつかみ,子どもたちの現実にむきあっていく元気を回復し,教師という職業のすばらしさを感じていただければ幸いです。


   /大河原 美以

著者紹介

大河原 美以(おおかわら みい)著書を検索»

東京学芸大学教授・臨床心理士。1982年東北大学文学部哲学科卒業。児童福祉施設の児童指導員として勤務の後,1993年筑波大学大学院修士課程教育研究科修了。精神科思春期外来,教育センターなどの非常勤相談員を経て,1997年東京学芸大学助教授,2007年4月より現職。専門は子どもの心理療法・家族療法。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 突然キレてしまう子どもに対して、どうしてよいか分からず、悩んでいる時に出会った本です。子どもと先生の物語形式で描かれているので、「子どもはこういう状態なんだ」「このようにかかわればいいんだ」というのが実感としてわかり、大変役に立ちました。
      子ども・保護者との会話部分も、今後の学級経営に生かせそうです。

      学級内でのいじめや不登校に悩んでいる先生方、子ども・保護者とのコミュニケーションに悩んでいる先生方に、是非読んでいただきたいと思います。
      2007/8/3ゆみ
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