- まえがき
- 序章 チーム6年1組3学期スタート(1月10日)
- 第1章 ボクの歩いてきた道
- 一 本に囲まれて育った子ども時代〔子どもの頃〕
- 二 転機は突然やってきた、「ボクが先生になったわけ」〔20才の頃〕
- 三 仮説実験授業にハマった5年〔25才の頃〕
- 四 大学に戻って学びなおす〔30才の頃〕
- 五 高志小学校との出会い
- 六 職員室のチームワークづくり・研究主任にチャレンジ〔35才の頃〕
- 七 ライティング・ワークショップとの出会い
- 八 喜びと挫折と…〔40才の頃〕
- 九 そして始まった。「信頼ベースの学級ファシリテーション」の提案
- 十 子どもたちがファシリテーターになる
- 第2章 ボクを変えたモノ・ヒト・コト
- 一 公平性を大切にする。エンドユーザーは自分じゃない
- 二 育休をとったときのこと
- 三 自分をメタ認知すること
- 四 学校外の人達との出会い
- 五 読書との出会い直しが、時空を超える
- 六 振り返ること
- 七 教室を見てもらうこと
- 八 教室と外をつなぐこと
- 九 練習したこと
- 十 教室リフォームプロジェクトのこと
- 十一 自立するということ
- 十二 学ぶ意味を考えたこと
- 十三 はたらくこと・家族のこと
- 十四 オランダに行ったこと
- 終章 そして今。(3月9日。卒業まであと9日)
- 一 なんちゃっTED×6年1組
- 二 深く学び合ってきた6年1組
- 三 それぞれの「一歩前」へのチャレンジ
- 四 友達、そしてライバル
- 五 自分の成長を実感する
- 六 読書で成長を感じる
- 七 弱みを克服して、強みを活かす
- 八 上を目指す
- 九 自分の苦手にもチャレンジしてきた
- 十 どんなときも楽しんできた
- 十一 みんなへの感謝の気持ち
- あとがき
まえがき
小学校の先生になって、ちょうど20年が経ちました。ずっと「若手」のつもりでやってきたのに、様々な講座やワークショップの参加者を見ていると、ボクよりずっと年下の、ホントの「若手」が随分、多くなってきました。
そう。いつのまにかボクは「おじさん」になっていたのです。 白髪もふえるわけです。
たくさんの若手の方とお話しする中で、
「岩瀬さんは若い頃、どんな先生だったのですか?」「どんなことを学んで、今に辿り着いたのですか?」
と聞かれることがあります。
「いやあ、失敗もたくさんしながら、いろんなことを学んできました。最初はかなり残念な感じでした。この20年の間にずいぶん変わりましたよ。10年前の自分と比べると、今の自分は成長したなあって思います。それに今でもたくさんの失敗をしながらやっています。うまくいったりいかなかったり、です」
「いつ、変わったのですか?」
「どんな失敗だったのですか?」
「どんなことを学んだんですか?」
改めて聞かれると、うーん、上手く答えられませんでした。でもきっと数々のエピソードがあるはず。そんなことを考えていたときに本書の依頼をいただきました。
教師としての「今のボク」は、どんな歴史を経て、ここにいるのだろう。「今のボク」はどんな風に作られていったのだろう。それを振り返って言語化してみたのが本書です。
成長したことも、変わらないことも、もしかしたら退化したり、鈍くなったりしてしまったことも。続けていることも、止めてしまったことも。たくさんの出会いやつながりの中で作られてきた「今のボク」。この本は、いわばボクの「わたしの構成要素」です。特に学び手としてのボクの歴史を書きました。
子どもたちにとって先生は、学び手のモデルです。
それは、「スゴイ学び手であらねばならない」「いつもお手本であらねばならない」ということではなく、ボクたち先生自身が、ドキドキワクワクしながら、楽しそうに学び続けていること。これこそが一番大事ではないか、とボクは思っています。
この本で紹介するボクの「学び方」に関する数々のエピソードが、「岩瀬直樹」なんて恥ずかしいタイトルの本を奇特にも手にとって下さったあなたの「学び方」を振り返ったり、新しくチャレンジすることに、少しでもお役に立てると嬉しいです。
なお本書を書くにあたり、一緒に「信頼ベースの学級ファシリテーション」の提案をしているファシリテーターのちょんせいこさんに、ボクのエピソードを引き出し、言語化するお手伝いをお願いしました。最初から最後まで伴走していただいたので、この本は2人の共著といっても過言ではありません。特別の感謝です。
では、ボクの「今」の教室の様子からスタートします。
2013年2月 /岩瀬 直樹
「お掃除プロ制」
「ふり返りジャーナル」
「リーディングワークショップ」
「作家の時間」
「プロジェクトアドベンチャー」
…どうしたらこんな実践ができるんだろう!なんでこんな風に子どもと接することができるんだろう。
提案されている実践を知るたびに出てくる疑問に答えてくれる本。
今、自分の中で最も尊敬する岩瀬センセイのエピソードというか「歴史」の本。
読むと岩瀬センセイの真っ直ぐさと誠実さ、がひしひしと伝わってくる。
失敗も、隠したいことも、誠実に書かれていて
「なんだ岩瀬センセイもこんな失敗してきたんだ」と思ってみたり、
なんだか、勝手に存在が近くなったような感じがする…。
教師としても、働く家庭人(?)としてもたくさんのヒントがもらえる本。
いろんな経緯のもとに統合されてきた「信頼ベースの学級ファシリテーション」の提案。
まだ試行のシぐらいしか至れてませんが、「信頼ベース…」の上に土台の上にいつかオリジナルができたらなあと
おそれ多くも思ってみる。
「思考より試行」という言葉が頭の中をぐるぐるまわっています。
岩瀬センセイのお話は講座で聴いただけですが、本書を読んでもっともっとお話が聴きたくなりました。
ぜひたくさんの先生、いや先生以外の人にも読んでもらいたいなと思う本です。
この夏のオトナの課題図書に指定モノの本です!