- はじめに
- 第1章 子どもとの関係にこだわるようになったわけ
- 一 長岡文雄先生の研究
- 二 ことばと情緒の教室というところ
- 三 子どもと気持ちを通い合わせたい
- 四 素人だからこそ考えたこと
- 五 大石益男先生との出会い
- 六 子どもとの関係
- ―子どもと共有できるモノ・コト・人
- 七 関係成立は内面の通じ合い
- 第2章 子どもとの関係に苦しんだわけ
- 一 通じ合えない
- 二 国立特殊教育総合研究所にて
- 三 片倉信夫先生との出会い
- 四 関係成立とは
- ―第一段階の関係
- 五 僕が自閉語を学ぶわけ
- ―第二段階の関係
- 六 子どもが自分自身と向き合うこと
- ―吃音のある子どもとのつきあいを通して
- 第3章 子どもとの個別の物語を紡ぐわけ
- 一 土砂降りの山中での自閉症の子どもとの物語
- ―「自分にできること」を探すとはどういうことか
- 二 自傷行為が止まらなくなった子どもの物語
- ―家族が「一緒」に暮らすとはどういうことか
- 三 動けなくなった子どもの物語
- ―距離の法則とミニマムサポート
- 四 学級の中での個別の物語
- ―「特別支援教育の視点」とは「個別の物語」を紡ぐこと
- 五 授業中の個別の物語
- ―「特別支援教育の視点」とは?
- 第4章 私の学び方
- ―仲間作りを通して―
- 一 岡山ことばの発達研究会の立ち上げ
- 二 通信を発行する
- 三 ダイナミックリズムを始める
- 四 吃音のある子どもへの臨床について考える仲間
- 五 岡山吃音臨床研究会の活動
- 六 ちびっ子吃音キャンプ・OKAYAMAの開催
- 七 人間関係論的アプローチ研究会の開催
- 第5章 僕が自閉語を学ぶわけ
- ―思考停止を戒め、子どもと自分自身の内面と対話する
- おわりに
はじめに
今、大学に勤めている。
特別支援教育に関連する科目を中心に受け持っている。
たまに、学外に仕事で伺うと、
「特別支援教育の専門の先生に来ていただけて……。」
などと面映ゆい表現をいただくことがある。そのように言っていただけるのは光栄であるけれど、果たして「専門」と呼ばれるような力が自分にあるのだろうか。そもそも、私は、どうして、今ここで仕事をさせていただいているのだろうか。
これが特別支援教育の専門性だ! と言いきる自信はないが、私なりにずっとこだわり続けてきたことはある。これまで、私が何を考え、学び、行ってきたのかを振り返り、そのこだわりの内容と意味に迫ることで、今後、特別支援教育を学んでいかれる先生方の心に触れる何かが紡げれば幸いである。
/青山 新吾
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- 明治図書
- 自閉症児や吃音の児童との関わりの経験を通して、「関係」というキーワードを我々に伝えてくる。とにもかくにも、一人一人の関係をつむぐということを教えてくれる本だ。そして、この本は、何度か時間を置いて読み返さないといけない。学びが変わるからだ。2015/10/2530代・男性