障害児教育双書
ともに学ぶ楽しさを感じる子
―人とのかかわり方を活かした授業―

障害児教育双書ともに学ぶ楽しさを感じる子―人とのかかわり方を活かした授業―

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社会自立につながる様々な人とかかわる力を育てよう!

「共生社会の実現」「共生教育」「インクルーシブ教育」などの重要性が増し、ますます大切になる様々な人とかかわる力。一人一人の子どもの人とのかかわり方に着目し、子どもが日ごろ見せる人とかかわる姿から、より生き生きと学習できる授業の在り方を追究した実践集。


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ISBN:
978-4-18-136718-3
ジャンル:
特別支援教育
刊行:
対象:
小・中・高
仕様:
A5判 160頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

もくじ

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まえがき
プロローグ
第1章 人とかかわる姿を追って
1 子どもの姿を見つめてみると
2 子どもの人とかかわる姿を見つめてみると
3 人とのかかわりをひろげる子
4 人とかかわる姿の周りにある「人・もの・こと」
コラム1 人とつながる −朝のあいさつ−
第2章 一人一人を見つめて
1 友達と遊ぶ大和の姿から
2 「その子がもつ人とのかかわり方」を表す子どもたち
3 「その子がもつ人とのかかわり方」が表れる要因
コラム2 人とつながる −なかよしタイム−
第3章 人とかかわる学習場面
1 人とかかわる学習場面をつくる
2 人とかかわる学習場面のある授業
(1)「理貴がもつ人とのかかわり方」と,それが表れる要因
(2)題材「数学ランドで 数えて はめて」〔中学部 数学科〕
(3)「理貴がもつ人とのかかわり方」が表れる要因を題材にとりこむ
(4)人とかかわる学習場面で表れた「理貴がもつ人とのかかわり方」
3 「その子がもつ人とのかかわり方」が表れる学習場面
事例1 友達とふしぎな木への飾り付け〔小学部 図画工作科〕
事例2 友達や教師とビー玉遊び〔小学部 ふようタイム*〕
事例3 友達や教師と部品を取り付けると電子音が鳴るロボットづくり〔小学部 算数科〕
事例4 友達と網を引くことができるおもちゃの魚捕り〔中学部 数学科〕
事例5 友達や教師とたくさんの光る的をねらうボール遊び〔中学部 保健体育科〕
事例6 友達と写真を見て決める,おすすめパン選び〔中学部 職業・家庭科〕
事例7 友達と力を合わせて完成させるパネルづくり〔高等部 国語科〕
事例8 友達と一緒に飛行機のおもちゃづくり〔高等部 数学科〕
事例9 ステージでの立ち位置を自分たちで工夫するバンド演奏〔高等部 音楽科〕
第4章 ともに学ぶ授業づくり
1 「今の姿」と「領域・教科における期待する姿」
2 「人とのかかわりをひろげる子」を育てる授業
3 ともに学ぶ授業づくり
(1)「静花がもつ人とのかかわり方」と,それが表れる要因
(2)静花の「今の姿」と「国語科における期待する姿」
(3)授業を構想する
@題材を決定する
A「国語科における期待する姿」に迫るための支援を考える
B題材の中で,人とかかわる学習場面をつくる
(4)ともに学ぶ中で,「国語科における期待する姿」に迫った静花
(5)ともに学ぶ授業ができるまで
4 ともに学ぶ子どもたち
事例1 動物の鳴き声のするボタンを友達と押して遊び,かごいっぱいにボールを入れて運んだ佐助〔小学部 ふようタイム*〕
事例2 大きなボールを動かして遊んでいる友達を追いかけ,両手で斜面を勢いよく押して滑り始めた明生〔小学部 体育科〕
事例3 自分が見つけたイルカの名前をおねえさんと伝え合い,人形を一度に2体取り出した啓太〔小学部 算数科〕
事例4 友達と様々なゲームに挑戦する最終ステージを行い,魚釣りゲームで短い竿に持ち替えた瑛汰〔中学部 ふようタイム*〕
事例5 友達とテレビ番組のコーナーを順番に進め,[やったあ。]という会話文を大きな声で読んだ繁樹〔中学部 国語科〕
コラム3 人とつながる −栄養教諭の給食訪問−
事例6 乗り物や建物の絵の名前を教師や友達に伝え,塗り幅を小さくして下絵の輪郭線の近くを塗った大地〔中学部 美術科〕
事例7 夢の公園を飾っていく活動を教師や友達に見せ,花と茎,葉を2色で塗り分けた慶一〔高等部 美術科〕
事例8 友達やゲストに喜んでもらうために「お礼の係」をして,鈴をそれまでよりも大きく鳴らした志帆〔高等部 音楽科〕
コラム4 人とつながる −行事のプログラム配布−
第5章 ともに楽しさを感じる子
事例1 おにいさんやピエロさんと,動物のまねをたくさんしたよ〔小学部 体育科〕
事例2 どうぶつひろばで,キリンさんやウサギさんと遊んだよ〔小学部 国語科〕
事例3 動物に変身して,踊ったり,楽器を鳴らしたりしたよ〔小学部 音楽科〕
事例4 友達と作品を組み合わせて,町を作ったよ〔中学部 美術科〕
事例5 忍者の里で,みんなと的をひっくり返したよ〔中学部 保健体育科〕
事例6 友達と音をいっぱい鳴らしたよ〔中学部 音楽科〕
事例7 友達と問題をクリアして,メダルを見つけたよ〔高等部 国語科〕
事例8 友達と声をかけ合って,数学クイズに挑戦したよ〔高等部 数学科〕
事例9 作戦を考えて,友達に伝えたよ〔高等部 保健体育科〕
事例10 クリスマス会の写真を見て,みんなと話をしたよ〔高等部 ふようタイム*〕
コラム5 人とつながる −介護等体験−
エピローグ
あとがき
研究同人
*ふようタイム〜様々な「人・もの・こと」とのかかわりをねらいとした,領域・教科を合わせた学習の時間

まえがき

 本校は,昭和42年(1967)に開校しました。以来,一貫して子ども一人一人を見つめ,よさを伸ばし,すべての子どもが生き生きと成長し,豊かな生活を実現していくことを願って,教育研究活動を行ってまいりました。

 本校の研究主題を振り返ってみますと,最初が「ひとりひとりが生かされる授業」(1969−1970)で,以後,「ひとりひとりを生かすために」(1971−1997),「豊かに生きる子ども」(1998−2005),「豊かな生活につながる子どもの姿を求めて」(2006−2009)となっており,いつの時代も,子どもたち一人一人を大切にして,実践研究に取り組んできたことがわかります。

 そして,これまでの研究を受けて,平成22年(2010),「人とのかかわりをひろげる子」を新たな研究主題に設定しました。

 本研究の副主題は初年度が「人とのかかわりをさぐる」であり,平成23年度は「人とかかわる中で学ぶ授業」,3年目の平成24年度は「人とかかわることのよさを味わうことができる授業」,研究4年次となる昨年度は「『その子がもつ人とのかかわり方』を活かした授業」として研究を進めてまいりました。この間,常に一人一人の子どもの人とのかかわり方に目を向けて,子どもが日ごろの生活の中で見せる人とかかわる姿から,より生き生きと学習できる授業の在り方を追究してきました。

 平成26年度は,研究最終年次となります。そこで,これまで5年間の実践研究の集大成として,本書『ともに学ぶ楽しさを感じる子―人とのかかわり方を活かした授業―』を上梓いたしました。

 本書は,本校の領域・教科等の授業実践をもとに編まれています。「人とかかわることのよさを感じている」ということを,子どもの姿で検証するのはなかなか難しい面もありますが,とにもかくにも,


 授業の中で様々な人とかかわる姿を子どもたちは見せている。しかも,その姿は大変微笑ましく,生き生きとしたものである。だから,人とかかわることができる授業を仕組んでいくことは,意義があるし,そんな

授業を繰り返していけば,必ず人とかかわることのよさを感じることができるのである。だからこそ,わたしたちは,そんな授業のよさを読者に伝えたい。どうやって伝えるか。それは,子どもの姿で伝えるのが一番である。(本年1月23日の日報より)

   ※日報〜主幹教諭が教職員に向けて作成


と考えました。そして,


 教室の隅でかたまり,なかなか自ら動き出せなかった5年前の彼(A君)の姿を思い出すと,子どもは,確実に成長していると感じる。彼なりに人とかかわることのよさを感じているのだと思う。こういう教育を受けていれば,「みんなと一緒にいるっていいんだ」って読者が思うそんな出版本にしたい。(本年2月4日の日報より)


という思いを強くもって,原稿づくりをしてまいりました。本書がそんな一冊になっていれば幸いです。また,本書に掲載しました写真には,在学する子どもたち全員が登場しています。本書を手に取っていただいた皆様に,本校の子どもたちが人とかかわって,明るく生き生きと活動している様子を思い浮かべて,読んでいただければ幸甚に思います。

 本書は,本校にとって明治図書から刊行する14冊目の障害児教育双書となります。今回の発刊に際して,ご尽力いただきました明治図書の木山麻衣子様,有海有理様をはじめ,編集部の皆様に心より感謝するとともに,わたしたちの研究に対して,愛情あふれる厳しいご指導・ご助言をいただいた多くの先生方に,心からお礼申し上げます。


  平成26年9月   愛知教育大学附属特別支援学校長 /礒部 洋司

著者紹介

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※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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