- まえがき
- T ドラマのある学級づくり
- 1 教師の失敗は成長のモト
- 2 クラスのルールは必要か
- 3 学級憲法制定
- 4 子ども本位の班づくり
- 5 つらいことが共有できる学級
- U いきいき授業づくり
- 1 教科書はしょせん滑走路
- 2 おもしろ宿題・トラの巻
- 3 おもしろ宿題・夏休みの巻
- V 子どもの心をひらく
- 1 自信をもっていえること
- 2 一年生慎二の一撃
- 3 毎日綴ろう「あのね帳」
- 4 二羽のカモと三百本のヒマワリ
- W 教室はドラマの舞台
- 1 ハンパからの解放
- 2 ハラハラドキドキの共有
- 3 子どもの発想は光っている
- 4 親の発言のひき出し方
- 5 子どもと語るヒマワリの夢
- X 元気の出る学級づくり
まえがき
教室は悲喜こもごものドラマがくりひろげられる舞台である。もちろん主役は子ども。お客も子ども。まさに主客が一体となって舞台はまわる。
ひとつのドラマが生まれ、やがて終わる。また生まれ、また消える。そんな一つひとつのドラマをくぐりながら、子どもたちは粒立ちのよい人間へと育ってゆく。
子どもたちは互いにドラマを吸い合って、さらに偉大なドラマに立ち向かう力を身に備えていくのだろう。
ぼくはそんな舞台である教室を、自分が育つもうひとつのスミカだとも思っている。もちろん、子どもと共存するスミカである。
小さな緊張と少しばかりの意識をもってながめてみると、教室は熱をふくんだ桧の舞台。だが、慢然とながめてしまうと、それはつけっ放しのテレビのようにただただ絵と音が流れるだけの四角い箱。子どもが生かされ、同時に自分が生かされるのはいずれのながめ方か。それはいうまでもない。
見なれた風景としての教室、さらには学校をもう一度見直すことからこのシリーズははじまる。いわゆる教育専門書ではなく「教室物語」として、きわめてライトな気分でこの本をお読みいただければ幸いです。
そして、教室が子どもと教師の元気基地となることをひたすら願うばかりです。
最後に、このシリーズをまとめるにあたりお骨おりいただいた明治図書の仁井田康義さん、平野真弓さんに深くお礼を申し上げます。
一九八九年一月 /園田 雅春
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- 明治図書