- はじめに
- 第1章 明日からできる! 読書活動のアイデア50
- アイデア1 日本の昔話に出合う
- アイデア2 科学の本に出合う
- アイデア3 図鑑の目次を読む
- アイデア4 教材文につながるお話を聞く
- アイデア5 神話に出合う
- アイデア6 俳句を音読する
- アイデア7 詩を味わう
- アイデア8 慣用句や故事成語に出合う
- アイデア9 世界の昔話に出合う
- アイデア10 実物と図鑑を結びつける
- アイデア11 偉人の存在を知る
- アイデア12 宮沢賢治の生き方に出合う
- アイデア13 平和や生命についての多様な考え方を知る
- アイデア14 新聞の記事からイメージを広げる
- アイデア15 題名から内容をイメージする
- アイデア16 言語を楽しむ
- アイデア17 読書美術館を作る
- アイデア18 役割を決めて音読する
- アイデア19 イソップを読む
- アイデア20 好きな場面を紹介する
- アイデア21 本のポップを作る
- アイデア22 登場人物図鑑を作る
- アイデア23 ミニ読書会をする
- アイデア24 挿絵を比べる
- アイデア25 物語の続きを書いて読み合う
- アイデア26 ミニ文集を作る
- アイデア27 読書会をする
- アイデア28 テーマを決めて本を紹介する(ブックトーク)
- アイデア29 役割を決めて読む(リテラチャーサークル)
- アイデア30 歴史上の人物を読む
- アイデア31 読みたい本を探す
- アイデア32 読書ノートを書く
- アイデア33 ビブリオバトルをする
- アイデア34 1年間の読書を振り返る
- アイデア35 読み聞かせを聞く
- アイデア36 卒業生が本を紹介する
- アイデア37 ペア読書
- アイデア38 聞きたい本を選ぶ
- アイデア39 おいしい本を選ぶ
- アイデア40 災害に備える
- アイデア41 紙芝居を聞く
- アイデア42 お話動物園に行く
- アイデア43 ダウトを見つける
- アイデア44 読み聞かせの続きを聞く
- アイデア45 ニュースを紹介する
- アイデア46 ファンタジーを読む
- アイデア47 物語の続きを読む
- アイデア48 新聞を読む
- アイデア49 古典を読む
- アイデア50 朝読書で読む
- 第2章 もっと知りたいときに役立つ 基本的な知識
- 1 学校教育現場における読書
- 1 なぜ学校には図書館があるのか
- 2 学校図書館を活用するとどのようなメリットがあるのか
- 3 新学習指導要領では読書はどのように位置付けられているのか
- 2 授業デザインと読書
- 1 国語の教科書では読書はどのように扱われているのか
- 2 単元のどの場面でどういう目的で学校図書館を活用するのか
- 3 日常生活の中の読書
- 1 本を読む子にするにはどうしたらいいのか
- 2 読書の場を学校から家庭へと広げるにはどうしたらいいのか
- 参考文献
- 索引
- おわりに
はじめに
●読書体験を遡ってみると……
「本をたくさん読んで読書習慣を身につけてほしい」
「読書ができたら読む力も伸びると思う」
「読書が好きと答えた子供が増えた」
……読書が何かに影響を与えるようなフレーズに,私達はよく出合います。
これらのフレーズのどこかに共感する部分があり,何となくではあるものの読書の必要性を感じることも多くあります。読書体験を遡りながら,読書が自分に何を与えてくれたのかを考えてみると,知識,見方・考え方,想像力,楽しみ,夢など,様々な言葉が浮かんできます。どちらかと言えば,子供たちが育っていく上で大切にしたい言葉ばかりです。
読書体験をもう少し紐解いてみましょう。何を読んで何を感じたのか,何が培われたのかはそれぞれであったとしても,どのようにして読んだのかを尋ねると,多くは一人で読んだという答えが返ってくるのではないでしょうか。読書=一人で静かに読む,このようなイメージの源をたどると,一人で集中して,没頭して読んだ体験に行き着くのではないでしょうか。
もし,読書好きな子供に育てたいとしたら,一人で読む授業を積み重ねていくだけでよいのでしょうか。そして,一人で読む以外に,どのような読み方があるのでしょうか。
●読書が好き,読書が嫌いというけれど……
「読書が好き」というとき,読書の「書」の内容は,偏りがある場合が多くあります。例えば,「仕事に関係する本はよく読むが,ファンタジー(空想系の本)にはあまり興味がない」「ファンタジーは好きだが,リアル系の本はあまり読まない」「社会の動向に興味があるので新聞はよく読むが,小説はほとんど読まない」。このように,興味がある分野があり,その分野のものはよく読む,読んでいる時間が多くある,だから読書が好きという回答になります。
では,「読書が嫌い」というとき,その「書」は何を指しているのでしょうか。例えば,「図鑑を見るのは好きだけど,物語はあまり読みたくない」「漫画はよく読むが,文字だけのものは読みにくい」「宇宙の本はよく見るけど,それ以外には興味がない」。このようなときは「読書が嫌い」という回答になりやすいものです。
読書は好きですかという質問に答えるとき,イメージする「書」は各々異なっていたとしても,特に問題視されません。答えるときは何を基準にするのかというと,読む頻度や時間の長さ,つまり読書に関わっている量を見てしまうことがよくあります。自身の経験からも,読書好きな子供に育てたいと思う反面,読書の量に目を向けているだけでいいのかという疑問も出てきます。読書を授業に取り入れるには,どのような視点が必要なのでしょうか。
●本書の構成と内容は……
このように読書の必要性は理解できても,授業に取り入れるときの具体的な方法や基本的な知識には若干の不安がある先生方,また,先生方を支える司書教諭や学校司書,これから教員を目指す学生を本書は対象としています。
そのため,まず,具体的な方法として「読書活動のアイデア50」(第1章)を示し,さらに,もっと知りたいと思ったときに読むことができる「基本的な知識」(第2章)の二つの観点で,以下のように整理しました。
第1章 明日からできる! 読書活動のアイデア50
1 単元はじめ 2 単元終わり 3 特別活動 4 モジュールの時間
第2章 もっと知りたいときに役立つ基本的な知識
1 学校教育現場における読書
2 授業デザインと読書
3 日常生活の中の読書
第1章では,どういう授業場面で読書を取り入れるのかという視点で,具体的な方法を「単元はじめ」「単元終わり」「特別活動」「モジュールの時間」の四つの授業場面で分類しました。アイデアは全部で50項目,すべて見開き2ページに収め,そこには,授業を進めるときに必要である「概要」「内容と手順」「アイデアの応用」「ここに気をつけて!」の4項目を組み入れました。
第2章では,読書を授業に取り入れるときの基本的な知識について,小学校の先生方からの質問をもとに解説しています。近年,国語の教科書のあちこちに本の表紙が掲載されていたり,各教科等の学習において学校図書館で調べる必要があったりすることから,図書館や国語担当者以外の先生方からの読書に関する質問とその切り口の鋭さに,驚くことも多くあります。授業実践をしながら,ふと疑問に思うことがあったときに探せるよう,目次には,疑問詞を入れた見出しを付けました。読書についての知識がさらに深まり,授業デザインに生きることを考え,質問事項と解説を厳選しました。なお,ページが限られていることから,十分書き切れていない部分もあります。さらに詳しく知りたいときには,参考文献に手を伸ばしてください。
/塩谷 京子
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- 明治図書
- 読書活動の幅は広がりました。2021/8/130代・小学校教員
- 現場で、すぐに使えそうなアイデアがたくさんあり、とても参考になりました。シリーズものに入っていく手立てとなるアイデア47は、是非やってみたい。2019/11/2450代・小学校勤務
- 校内研修で読書について取り組んでいるので大変参考になりました。2019/10/2031代・小学校教諭