- はじめに
- 本書の使い方
- 本書で用いる英文について
- Part1 英語テストづくりの極意がわかる! ポイント&チェックリスト
- 1 これだけは押さえておきたい!テストづくりのポイント
- (1)テストの機会―教師は年間どのくらいテストを行っているのか―
- (2)テストの目的―学力の測定だけが目的ではない―
- (3)テストの種類―異なるテストの種類を理解する―
- (4)テストの基本概念―よいテストが備える5原則とは―
- 2 これは知りたい!5原則を生かしたテストづくりチェックリスト5
- 5原則@テストの「妥当性(validity)」を高めるためのチェックリスト
- 5原則Aテストの「信頼性(reliability)」を高めるためのチェックリスト
- 5原則Bテストの「実用性(practicality)」を高めるためのチェックリスト
- 5原則Cテストの「波及効果(washback)」を高めるためのチェックリスト
- 5原則Dテストの「真正性(authenticity)」を高めるためのチェックリスト
- 3 生徒に力をつけるポイント―目標をテストに置き換える―
- 4 こう変えたい!テストづくりの改善点全ポイントまとめ10
- Part2 実物資料ですぐ作れる! 小テスト作成&指導術
- 1 作成編
- (1)小テストを成功させる3つのポイント
- (2)意識したい!小テストの目的
- 2 問題編
- 【単語が言えるようにしたい】
- 1 ワードシートでペアチェック
- 資料 ワードシート
- 【単語が書けるようにしたい】
- 2 生徒がやる気になる「25問テスト」
- 資料 英単語25問テスト(表)
- 資料 英単語25問テスト(裏)
- 【音読の有効性を実感させたい】
- 3 語順並べ替えテスト
- 【聞いて書く力をつけたい】
- 4 LSDという名のディクテーションテスト
- 資料 LSD Sheet
- 3 指導編
- (1)生徒がやる気になる!家庭学習
- (2)生徒がやる気になる3つのポイント
- Part3 実物資料ですぐ作れる! 観点別・定期テスト作成&指導術
- 1 作成編
- (1)定期テスト形式の変遷
- (2)観点別評価の実施状況は?
- (3)観点別テストのメリット
- (4)効果のある「観点別テスト」―8段階作成法―
- (5)テストを作った後に「波及効果」をさらに高める5つの方法
- 2 問題編
- 【文法・語彙問題】
- 1 発音・アクセント問題
- 2 文字や符号問題
- 3 語彙問題
- 4 連語・慣用表現問題
- 5 文法問題
- 6 文構造の知識を測る並べ替え問題
- 【リスニング問題】
- 7 ディクテーション問題
- 8 英語を聞いて,情報を正確に聞き取る問題
- 9 質問や依頼などを聞いて適切に応じる問題
- 10 まとまりのある英語を聞いて,概要や要点を適切に聞き取る問題
- 【リーディング問題】
- 11 単語戻し問題
- 12 文の並び替え問題
- 13 英文戻し問題
- 14 感想・賛否問題
- 【ライティング問題】
- 15 文字や符号,区切り問題
- 16 1文で書く問題
- 17 意見作文問題
- 18 身近な体験作文問題
- 19 考えや気持ち作文問題
- 【技能の総合・統合&言語活動の充実を意識した最新型テスト】
- 20 読むことと書くことを統合したテスト
- 21 読むことと聞くことを統合したテスト
- 22 書くことと書くことを統合したテスト
- 23 「言語活動の充実」を意識したテスト@
- 24 「言語活動の充実」を意識したテストA
- 3 指導編
- (1)テストをもっともっと活用する定期テスト前後の指導
- (2)テスト前の指導を充実させる
- 資料 テスト出るかもプリント
- (3)テスト後の指導の決め手は返却の時間
- (4)テストづくりの力を高める!地域の学校でのテスト交流(研修会)のススメ
- Part4 実物資料ですぐ作れる! 実技テスト作成&指導術
- 1 作成編
- (1)もっと実技テストをしよう!
- (2)実技テストの持つ波及効果
- (3)実技テストを実施するうえでの5つのポイント
- 2 問題編
- 【毎時間できる個別音読チェック】
- 1 グルグルメソッド
- 資料 ワークシート(グルグルメソッド用)
- 【全員が100点を取れる!】
- 2 音読・暗唱テスト
- 資料 音読テストの素材文の例/音読テストの評価用紙
- 【検定方式で1つ上のタスクにチャレンジ!】
- 3 買物検定
- 資料 ワークシート(買物検定の受験票)
- 【即興で発話できる!】
- 4 Word Counter
- 資料 ワークシート(Word Counter)
- 【一工夫でクラスが盛り上がる!】
- 5 スピーチコンテスト
- 資料 英語クラス内スピーチコンテスト審査用紙
- 3 指導編
- (1)帯学習との連動を
- (2)fluency(流暢さ)とaccuracy(正確さ)はトレードオフ
- (3)自分の成長を実感できるポートフォリオ
- Part5 一工夫でできる技一挙公開! テスト作成アイデア・アラカルト
- 【サクサクできる!テスト問題づくりアイデア】
- 1 パソコンを使ったリスニング問題の作り方
- 2 長文問題の作り方
- 3 4択問題の作り方
- 4 マークシート問題の作り方
- 5 テストにまつわるデータ集
- 6 既習の英文をテストに出題する方法
- 【効率的に行う!テスト前後の仕事術】
- 7 テストと解答用紙に評価の観点を明記する方法
- 8 テストの印刷から返却までの配慮点チェックリストの作り方
- 資料 テストの印刷から返却までに気をつけたいチェックリスト20(情報管理面)
- 9 試験監督者注意事項マニュアルの作り方
- 資料 試験監督者注意事項
- 10 テストの採点を効率的にする方法
- おわりに
- 主要参考文献
はじめに
この本は,先生方のテストづくりを応援したいと思って作りました。
学校の先生方は,定期テストや小テスト,実技テストまで含めると,年間にかなりの数のテストを作成します。テストは先生にとって,日々の授業準備に次いで大きな仕事と言えるでしょう。また,成績や入試にも関係するので,生徒や保護者・塾などの関心も高い分野です。
それだけ重要で高い関心を集めるテストですが,大学時代に専門的にテストづくりを学んだ先生は多くいません。また現場にいれば,正しい作り方が自然と身につくものでもありません。多くの先生方は,手探り状態で毎回テストを作成されています。実際,研修会などで「テストに関して知りたいこと」を尋ねると,年齢にかかわらず共通して次のような意見が出されます。
□定期テストはどんな手順で作るの?(Part3)
□テストづくりの原則は何か。どんな要素があれば「よいテスト」と言えるのか。(Part1)
□どうすれば生徒はテスト前によく勉強するか。(Part3)
□テストの採点を素早く正確にする方法が知りたい。(Part5)
□既習の英文をテストに出題する方法は?(Part5)
□小テストや実技テストを効率的でかつ,効果的に行う方法はないか。(Part2・4)
現場は知恵であふれています。上記の答えをお持ちの先生も多くいらっしゃいます。しかし現場は忙しく,テストについてゆっくり同僚の先生と話をする時間を多くはとれません。ベテランの先生方が今後一斉に退職された後は,若い先生方が一気に増える時代がやってきます。今よりももっと英語教育に関する確かな知識や役立つ知恵の伝達が大切になってきます。
本書はそういった状況を踏まえ,若手からベテランまで役立つように,テストづくりの基本と知っておくとよいポイントを具体的にコンパクトにまとめました。本書の特徴は3点です。
@「テストづくりの基礎・基本(原則・理論)」を簡潔に学べる。(Part1)
A「テストの波及効果を生かした生徒の英語力を伸ばすテスト前後の取り組み」を学べる。(Part2〜5)
B定期テストに加え,小テストや実技テストなどの効果的なアイデアを学べる。(Part2・4)
筆者は中高一貫校で,中1・1学期から高3・3学期までのテストづくりを経験しました。この経験から言えるのは,校種は中高と違っても,テストづくりやテストマネジメント(前後の指導)には共通点が多くあることです。その一端は,『45の技で自学力をアップする!英語家庭学習指導ガイドブック』(p.114〜116明治図書)でまとめました。加えて,『STEP英語情報』でテストについての連載も一部担当させていただきました。
本書はそういった経験やこれまでの実践,また優れたテストに関する多くの書籍から学ばせていただいたノウハウをまとめたものです。みなさんの手元に置いていただいて,テストづくりの際に参照していただける1冊になれたら幸いです。どうぞご覧ください。
2014年1月 /上山 晋平
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- 明治図書
- テスト作りの根本的な考え方を学べた。2015/7/1920代・中学校教員
- 若手必読の書である。ほぼ全ページにマーカーをし、共感したところや使えるところに書き込みを入れている。普段の勤務を行いながらこの良書の準備をされたことを考えると執筆者の方々の労力に頭が下がる思いである。この本で示していただいたことを授業・テスト実践に結びつけたい。対象は中学校となっているが編著者は公立の中高一貫校に勤めておられるので十二分に高校も対象となる。一読の価値あり!2014/2/8ミニゴリ