- まえがき
- T 書き方の基本を教える
- 1 長く書くスキル■先生がすることを作文に書く
- 2 長く書くスキル■「窓の外をながめていました」
- 3 文のおしゃれ(レトリック)■体言止め
- 4 文のおしゃれ(レトリック)■倒置法
- 5 文のおしゃれ(レトリック)■比ゆ
- 6 文のおしゃれ(レトリック)■対句
- 7 文のおしゃれ(レトリック)■リフレイン
- 8 文のおしゃれ(レトリック)■擬人法
- 9 文のおしゃれ(レトリック)■六つのレトリックを使って書く
- 10 パロディ■四字熟語
- 11 パロディ■こくごのことばあそび
- 12 パロディ■連想する力
- 13 名詩名文をたくさん暗唱すると上手になる■どんな詩を暗唱させるか
- 14 苦手な子どもに効果■視写で「書き方」の基本を知る
- 15 苦手な子どもに効果■直写なら字も上手に書ける
- 16 苦手な子どもに効果■イラスト作文
- 17 苦手な子どもに効果■なりきり作文
- 18 苦手な子どもに効果■視点転換作文
- 19 苦手な子どもに効果■あのね作文(一年生だからこそ)
- 20 苦手な子どもに効果■鉛筆対談作文
- 21 ねらいに即したスキル■経験したことを書く
- 22 ねらいに即したスキル■想像したことを書く
- 23 ねらいに即したスキル■順序を考えて書く
- 24 ねらいに即したスキル■取材して書く
- 25 ねらいに即したスキル■調べて書く
- 26 ねらいに即したスキル■段落を意識して書く
- 27 ねらいに即したスキル■敬体と常体を意識して書く
- 28 ねらいに即したスキル■事実と意見の区別を意識して書く
- 29 次世代の作文技術■「同質比較」「異質比較」を意識して書く
- 30 誰でも書ける作文法■起承転結の書き方
- 31 誰でも書ける作文法■書き出しの書き方
- U 行事作文で“書き出し”指導
- 1 最も盛り上がったところから書き出す■運動会の作文指導スキル
- 2 最も盛り上がったところから書き出す■遠足の作文指導スキル
- 3 最も盛り上がったところから書き出す■展覧会のときの様子を詩に書かせる
- V 七五調・五七調活用のヒント
- 1 七五調の指導スキル(親守詩の活用)
- 2 五七調の指導スキル(献血俳句コンクールの活用)
- 3 詩の書き方
- 4 構成詩にまとめるとこうなる
- W 生活の質を上げる作文指導
- 1 年賀状・暑中見舞いの書き方スキル
- 2 往復はがきの返信
- 3 学級日誌(記録の仕方)
- 4 学級新聞を書いて、学級の文化の質を高める
- 5 学校全体に訴えていく児童活動での作文
- X 読書感想文で指導する作文スキル
- 1 山田式読書感想文
- 2 向山学級卒業生の読書感想文
- Y 学習のまとめとして作文を書かせる
- 1 社会のレポート■「調べて書く」5年工業の学習のまとめ
- 2 社会のレポート■「調べて書く」6年歴史の学習のまとめ(見開き二ページ)
- 3 社会のレポート■「非連続型テキストを連続型テキストに」地図説明作文
- 4 算数の学習の発展■計算説明作文
- 5 算数の学習の発展■難問に挑戦する「思考の流れを書く」
- 6 理科の学習のまとめ■豆電球の学習
- 7 理科の学習のまとめ■ノートのまとめを発展させる
- 8 家庭科「未来の家 三〇年後のテレビ」
- 9 体育「跳び箱が全員跳べたドラマ」を書く
- 10 国語「分析批評の評論文」■本当に書けるのか
- 11 国語「分析批評の評論文」■プロットの立てさせ方
- 12 国語「分析批評の評論文」■子どものノート(授業の記録)
- 13 国語「辞書作り作文」
- Z 裏文化の作文で活用型国語力!
- 1 「企画書の書き方」イベントの企画案
- 2 パーティー原案
- 3 憲法私案
- 4 ラブレターの書き出し
- 5 謝恩会アトラクション(卒業のときだからこそ)
- [ 担任の先生のことを書かせよう!
- 1 先生の通知表
- 2 担任の先生の特徴
- 3 人物論
まえがき
本書を編集・執筆するにあたり、主な向山実践を「作文」「文章を書く」という視点で読み直した。
いくつものパーツを列挙し、整理し、配列を考えた。
『向山型国語教え方教室』18において、向山氏は、自身の国語授業を「実践整理」の観点から項目分けしている。大きく分けた「大項目」は次のようになる。
一 読解指導 二 漢字指導 三 作文指導 四 言語文化指導 五 討論指導
さらに、細かなステップの中で「作文指導」についての「中項目」が次である。
@ 行事作文、イラスト作文、なりきり作文、視点変換作文、あのね作文、鉛筆対談作文
A 一文指導、二文指導、三文指導、二段落指導、長文指導
B 辞書づくり、計算説明作文、地図説明作文
C レトリック指導、体言止め、倒置法、比ゆ、対比、リフレイン、擬人法
D 読書感想文指導 E ハガキ、手紙の書き方 F 評論文指導
これらの項目を中心に編集をしてある。
これらの項目は一つ一つバラバラの実践でもきわめて知的で楽しい授業になる。
さらに、これらが「作文指導」としてのシステムになると、大きな効果を発揮するだろう。
本書では、一つ一つの実践について、多くの教室で見られる指導との違いをあげることでイメージしやすくした。さらに、指導スキルを明確にした。
まず、楽しい作文の授業の体系化を試みている。どれを「追試」しても、楽しい授業になるだろう。
また、向山氏が若かりし頃の「詩」を書かせる実践や「展覧会のときの様子を詩に書かせる」実践など、今まであまり日が当たらなかった所にも切り込んだ。
さらに、学級新聞や児童会活動など、「作文」としてとらえることがあまりなかった実践を「作文を書く」という視点でもとらえ直してみた。
向山氏は、作文が上手になるための必須条件として「名詩名文の暗唱」をあげている。自身の経験からの言葉でもある。本書では、暗唱に、視写や直写も追加してある。
本書は、国語授業の指導スキルであるが、あえて「他教科」の内容も含めた。「作文」「書く」という学力は、国語だけで鍛えられるものではなく、学校生活全般を通して鍛えるべきだと考えたからである。
パーティーの企画書など、裏文化の作文も取り入れた。実社会に出て役立つのは、このような内容の学習体験かもしれない。
献血俳句や親守詩など現代の教育課題にも目配せをしてあるので活用いただきたい。
本書を執筆するにあたり、明治図書の樋口雅子編集長、企画を進めていただいた玉川大学教職大学院教授谷和樹氏に執筆の機会を与えていただき、ご指導いただいたことに感謝の意を表する。
/根本 直樹
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- 明治図書
- 向山先生のシーリーズ、役に立ちます。2021/1/1060代・高校教員
- この本を購入してから、5年以上たちましたが、毎年参考にして作文指導しています。私の作文指導の実践にかかせない本になっています。2019/3/940代・まさる