- 総論/内容の精選と指導のポイント
- 発達しつづけている子どもたち/“かず”の指導内容/指導のきめどころ/系統性についての考え方
- 事例
- 数と計算
- 1 人間的発達を求めて
- *指導案の書き方
- 2 同じ色・違う色
- *色による集合づくり(1)
- 3 おいしく勉強
- *形による集合づくり(1)
- 4 キャンプに行こう
- *大きさによる集合づくり(1)
- 5 どっちの台紙に貼ろうかな
- *色による集合づくり(2)
- 6 車かな,お弁当かな
- *形による集合づくり(2)
- 7 大きい丸と小さい丸
- *大きさによる集合づくり(2)
- 8 ふきふきゲームをしよう
- *1対1の対応(1)
- 9 くばりっこをしよう
- *1対1の対応(2)
- 10 くつをそろえる
- *1対1の対応(3)
- 11 かさをさしてあげて
- *1対1の対応(4)
- 12 「1」と「1」で「2」になる
- *2の集合づくり(1)
- 13 長靴はいくついるのかな
- *2の集合づくり(2)
- 14 何匹つれましたか
- *3の集合づくり(1)
- 15 かなづちを3個持ってきてください
- *3の集合づくり(2)
- 16 お皿が4枚,スプーンが4つ
- *4の集合づくり(1)
- 17 足は何本あるでしょう
- *4の集合づくり(2)
- 18 黒い丸5個と数字の5
- *5の集合づくり(1)
- 19 単純な作業をしながら
- *5の集合づくり(2)
- 量と測定等
- 1 ゲームを通して基礎概念を育てる
- *指導案の書き方
- 2 どうして長いのか
- *長い,短い(1)
- 3 ぴったりのズボンはどれ
- *長い,短い(2)
- 4 とったり,はったり
- *高い,低い(1)
- 5 座ると低い?
- *高い,低い(2)
- 6 学校までどれくらいかかる
- *遠い,近い(1)
- 7 聴覚的・視覚的に捉える
- *遠い,近い(2)
- 8 速い乗り物は何かある?
- *速い,遅い(1)
- 9 実際に動かす
- *速い,遅い(2)
- 10 体育館と教室
- *広い,狭い(1)
- 11 道を考える
- *広い,狭い(2)
- 12 これとこれではどちらが重い
- *重い,軽い(1)
- 13 「同じ重さ」ということ
- *重い,軽い(2)
- 14 「たくさん」と「少し」
- *多い,少ない(1)
- 15 どっちが「多い」か
- *多い,少ない(2)
- 16 朝起きてからのこと
- *午前
- 17 給食がすんでから
- *午後
- 18 入れる箱,入れない箱
- *大きい,小さい(1)
- 19 いくつ入るかな
- *大きい,小さい(2)
- 20 何の形かな
- *○,△,□(1)
- 21 ○に似ている
- *○,△,□(2)
- 活用の手びき/バリエーションを考えよう
- 活用に当たっての基本的な心構え/「合わせた指導」の中で/算数(数学)の時間を設けての指導/バリエーションの例/念頭で数を操作する/日常生活への般化
まえがき
養護学校の子どもたちは,「障害が重い」「重複している」「多様化している」「ことばがない」など,指導が大変だと言わんばかりの言い方をしてきました。しかし,「生活中心の教育で一生懸命対応してきましたので,子どもたちはこんなに明るくなりました」「生き生きと学校生活を送っています」という言い方もしてきました。
障害の重い子どもに限らず精神薄弱児には,生活教育が適しており,「ことば」や「かず」などの教科別の指導はナンセンスだと考えている方も少なくありません。しかし,本当にそうでしょうか。自分自身の指導法の弱さはないのでしょうか。社会生活や職業生活に必要な「ことば」や「かず」は,領域・教科を合わせた指導の中のみで定着させられるのでしょうか。
私たちは,「ことば」や「かず」を指導するに当たって,子どもたちの思考のプロセス,認識のプロセス,コミュニケーションのプロセス,課題解決のプロセスを意識したことがどれほどあるでしょうか。自分たちの指導技術に,どれほど疑問を感じたことがあるでしょうか。
本書は,特に,授業におけるコミュニケーションのプロセスの検討の中で,子どもたちがものをおぼえていく筋道を探りたい,子どもたちが課題に当面したとき,どんな順序で考えるのかを知りたい。このようなことを考えて,1時間の授業における教師の発問や指示,子どもの反応,それへの教師の対応などのひとこまをとらえてつくってみました。
養護学校教育は,「子ども中心の教育で,子どもの興味・関心を大切にし……」と,いかにもカッコよいのですが,授業の実際は,指示と禁止の連続ということが少なくありません。重くも,重複していても子ども中心の教育なら,指示と禁止に終わらず,子どもが主役の授業は,どうすればつくれるのか皆さんと一緒に考えてみるために本書をつくりました。ご活用ください。
編 者
-
- 明治図書