個を育て集団の力をつける遊び・ゲーム集小学校中学年

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楽しむだけのゲームではなく、勝敗を競い合うだけのゲームでもない、「教育的意図」をもった「遊び・ゲーム集」です。


復刊時予価: 2,156円(税込)

送料・代引手数料無料

電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-110201-7
ジャンル:
学級経営
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 104頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

もくじ

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はじめに
T 個と集団づくりのためのゲーム
(1) 握手でよろしく   学級開きの時期に
(2) 大当たり! 友達ビンゴ   エンカウンターの手法を取り入れて
(3) 私はだれでしょう   エンカウンターの手法を取り入れて
(4) ご指名ゲーム   席替え直後に
(5) みんなで完成させる絵   楽しい雰囲気を作る
(6) スパイは何番?   集団遊びを楽しむ
(7) もしも私があなただったら   互いのよさを認め合う
(8) ジェスチャー伝言ゲーム   和やかな雰囲気を作る
(9) ジェスチャーお絵かき   のびのびと表現する
(10) 物語づくり   表現力を高める
(11) Sけん   休み時間に
(12) なかよし椅子取りゲーム   元気なクラスを目指して
(13) ぼくの・私の大発見!   調べてみよう
(14) みんな友達、だあれかな?   スキンシップを楽しむ
(15) 友達集まれ   スキンシップを楽しむ
(16) 仲間集め   他者理解のために
U 場に応じた遊び
(1) 水中ペア競走   プールでの遊び
(2) オーエス、水中綱引き   プールでの遊び
(3) 水中障害物   プールでのゲーム
(4) ジャンケン野球   雨の日に
(5) 力を合わせて〜おいもほり   男女なかよく
(6) 親子で握手   親子交流会で
(7) まちがえないで   親子交流会で
(8) 親子おばけ大会   親子交流会で
(9) 子とろ子とろ   親子交流会で
(10) 2人で運ぼう〜お箸で宅急便   親子交流会で
(11) 室内ボーリング   お年寄りと一緒に
(12) お手玉まと当て   お年寄りと一緒に
(13) ぼくの特技を見てください   お年寄りと一緒に
(14) 手ぬぐい渡し   遠足のバスの中で
(15) カメラゲーム   自然に親しむ
(16) 宝はあげないよ!   遠足で
(17) 線おに、島おに   準備体操の一環として
(18) お相手、どの子?   学年で楽しめる
(19) ステレオゲーム   緊張をほぐすゲーム
(20) ジャンケン列車   全校集会で
(21) パン タラン タン   異文化理解のきっかけづくりに
V 学習ゲーム
(1) いいわけ上手   国語学習ゲーム
(2) 新聞絵ばなし   国語学習(遊び)ゲーム
(3) 地名しりとり   社会学習ゲーム
(4) タイム・長さ・高さ・距離あて   算数学習ゲーム
(5) 算数オリンピック   算数学習ゲーム
(6) 数字ゲーム   算数学習ゲーム
(7) 電卓ゲーム   算数学習(遊び)ゲーム
(8) 大砲ゲーム   調整力を育てる
(9) 漢字バラバラパズル   国語学習ゲーム
(10) 文章バラバラパズル   国語学習ゲーム
(11) 文章虫くいパズル   国語学習ゲーム

はじめに

★ 遊びを知らない子どもたち

 子どもたちは一体どうしてしまったのだろう。

 友達の家に遊びに来てもテレビゲームがないと遊べない。テレビゲームがないときは、お菓子をほおばりながらマンガの本を読みふける。それも一人一人ばらばらに。そして「楽しかった。またね!」と再会を誓い合う。

 家族団らんのはずのファミリーレストランでも注文の品が来るまでの間、親子それぞれに雑誌やマンガに顔をうずめる。

 お互い同士関われないのか、関わりたくないのか、関わり方を知らないのか。自然溢れる野原に行っても、バッグの中からボールを取り出しサッカーを始める。フリスビーを取り出し投げ合いを始める。足元のシロツメ草を踏みつぶし、ペンペン草には目もくれない。

 自然とは遊べないのか。それとも道具に遊ばれているのか。


★ 遊べないのは子どものせいではない

 しかしここには、重大な2つの問題が潜んでいた。

 1つは、遊びを教えられない先生が増えているということ。教えられないということは、つまり遊びそのものを知らないということ。または、知っているのだけれども遊びを教える「ゆとり」がないこと。これは、学校自体に「遊び」がないということでもある。

 21世紀に実施される学習指導要領では各教科で大幅な「厳選」がなされた。しかし、一方で「基礎・基本は徹底的に教え込む」とうたっている。「総合的な学習の時間」が生まれたところで、どこまで子どもの生活にゆとりができることか。

 そしてもう1つは、そうしたゆとりのなさは学校だけでなく、家庭にも蔓延しているということ。偏差値教育から個性化の時代へと変わり、大学や高校の受験体制も変わろうとしているのに、相変わらず下校後の子どもの生活は塾通い。友達同士遊ぶにも手帳を出し合ってスケジュールを確かめなければならない。生活のリズムも崩れ、食べ物のバランスも崩れ、体力は低下し休みの日があってもゴロゴロしているばかり。

 子どもたちはどうしてしまったのだろうと嘆く前に、学校はそして家庭は大丈夫なのか、もう一度問い直す必要がありそうだ。


★ 遊びの効用

 子どもは本来、遊びの中から多くのものを学んできた。1つの遊びをするにしても年齢に応じて、性別に応じて、その子の特性に応じて、さまざまな特別ルールが作られた。その代表が「おみそ」だろう。人を差別するためではなく、どの子も遊びに参加できるようにするために作られた特別ルールは、1つの「思いやり」の姿でもある。こうして子どもたちは、遊びの中で自然に人間関係を学び、道具の使い方を学び、自然との関わり方を学び、そして自分の夢を膨らませていった。

 また遊びやゲームには「心の癒し」の効果も十分期待できる。心を閉ざしがちな子も、のびのびと動きまわったり、大きな声で叫んだりすることで自分自身を解放することができる。現在家庭でも少なくなってきたスキンシップも、遊びを通して自然な形で体験できる。今まで気付かなかった友達の一面に触れ、今まで見過ごしてきた自然の豊かさを感じる。

 こんな教育的な価値のある「遊び・ゲーム」をもっと学校教育の中に積極的に取り入れていかない法はない。

 「遊び・ゲーム」を学級経営の1つの軸に取り入れれば、どんな子でももっと楽しく学校生活に取り組めるはず。


   /清水 保徳

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