- まえがき
- 1章 時間を生み出す「考え方」を変えるルール
- ルール1 何時に帰ると決める
- ルール2 成功体験→達成感→習慣のサイクルをつくる
- ルール3 スケジュール管理はゲームだと考える
- ルール4 明日やれることは明日やる
- ルール5 金曜日は来週のことを考える
- ルール6 1日は24時間しかないことの限界を知る
- ルール7 でも1日は24時間もある可能性を信じる
- ルール8 できたときのご褒美を考える
- ルール9 「自分」というロボットを動かす感覚をもつ
- ルール10 かけた時間は、本当に子どものためになっているか考える
- ルール11 仕事は布団でもできることを意識する
- ルール12 「仕事」という概念を変える
- ルール13 未来のために今を犠牲にしない
- ルール14 仕事をすることに酔わない
- ルール15 「意志の力」を調整する
- ルール16 満たされないことは力になると考える
- ルール17 「感情」から「結果」を生み出す
- ルール18 やめるタイミングを意識する
- ルール19 職員室で戦わない、腹を立てない
- ルール20 身近な人への感謝を忘れない
- 2章 時間を生み出す「行動」を変えるルール
- ルール21 【授業】丸つけは、授業時間内に教室で行う
- ルール22 【授業】子どもが自分で学べる環境をつくる
- ルール23 【授業】ノートは毎日チェックする
- ルール24 【授業】コメントする提出物を決める
- ルール25 【授業】子どもたちに任せてほめる
- ルール26 【授業準備】明日の授業準備は短く、単元ごとにまとめて行う
- ルール27 【授業準備】終わるか否かではなく、時間で区切る
- ルール28 【保護者対応】「保護者はすごい」という大前提を忘れない
- ルール29 【保護者対応】保護者に子どもの良いところを常に伝える
- ルール30 【保護者対応】電話・連絡帳で保護者によいことを伝える
- ルール31 【保護者対応】課題を伝えた後は、すかさずよいところを3倍で伝える
- ルール32 【保護者対応】宿題をパターン化する
- ルール33 【会議】会議の中身の時間を指定する
- ルール34 【会議】次年度計画は変わるものであることを自覚する
- ルール35 【評価・所見】毎日評価する
- ルール36 【行事】昨年度の計画に文句を言わない
- ルール37 【日常生活】早起きの習慣をつける
- ルール38 【日常生活】必ず予備の時間をつくる
- ルール39 【日常生活】逃げられない環境をつくる
- ルール40 【日常生活】「計画」「結果」「ふり返り」のサイクルを回す
- ルール41 【日常生活】10分集中法を活用する
- 3章 時間を生み出す「逆転発想」のルール
- ルール42 職員のためにやれることを探す
- ルール43 一日一善を記録する
- ルール44 まずは寝る
- ルール45 何もしないことを楽しむ
- ルール46 趣味がある人になる
- ルール47 家族との時間をつくる
- ルール48 学級通信で信頼を獲得する
- ルール49 教育書を読む
- ルール50 効率化することが本当にいいのか疑う
- あとがき
まえがき
「先生方は、なんでそんなに遅くまで仕事をするのですか?」
と、教師ではない方に、聞かれることがあります。
答えは簡単です。仕事が、たくさんあるからです。
「じゃあ、なんで先生はそんなに早く帰れるんですか?」
と、聞かれます。私はこう答えます。
「仕事を仕事だと思っていないからですかね」
仕事は山のようにあるのです。どれも同じエネルギーでやっていたら、終わるものも終わりません。遅くまで残っている人が、決して怠慢なわけではないのです。むしろ丁寧だからこそ、遅くまで残るのです。
遅くまで残るA先生の1日です。
6時 起床。着替え、はみがき、ごはん。
7時 家を出る。
8時 学校到着。
8時15分 子どもたちが登校。1時間目から6時間目まで授業。
15時30分 休む間もなく会議。
16時 休む間もなく学年会。
17時 ようやく自分の仕事ができると思うが、やる気が出ずにお茶。
17時30分 休んでいた子に電話。
18時 保護者からの電話。(相談事項やクレームだと30分は超える)。
18時30分 相手側に電話。
19時 トラブルについて明日話す内容を考える。
19時30分 明日の授業の準備をしに理科室へ。
20時 ほかの先生から話しかけられ、校務分掌の給食費について終わっていなかったことを思い出す。
21時 警備の都合で学校が施錠されるので「帰らなくては…」と思い、帰る準備。準備の終わっていない国語と算数の教科書を持って帰る。
22時 帰宅。(実家なので、ご飯があるだけありがたい)。
23時 教科書を読もうと思うが、ついているテレビをなんとなく見る。
24時 ソファーで寝ていることに気づき、急いでお風呂に入る。
25時 国語と算数の教材準備をしなくてはと思いながらも、このままでは睡眠時間が足りないと思い、寝る。
隣の若手の先生に見せたら、私の方がもっとひどいと言っています(笑)。こんな大変な職場なのに、早く帰るのは難しいですよね。
教師が忙しくては、よい授業はできません。この先生の翌日の授業はきっと、よい授業とはいいがたいものであったと思います。
睡眠も少ないので、イライラして子どもたちを叱ったこともあるかもしれません。
その叱り方に、反発した子どももいたかもしれません。
遅く残る先生が怠慢なのではないのです。
むしろ勤勉だからこそ遅くまで残るのです。
しかし。
世の中は過程を評価せず、結果を評価します。
遅くまで残ったことが評価されるのではなく、よい授業、よい学級をつくった教師が、評価されるのです。だからこそ、効率のよさが必要不可欠です。
また、人間として筋の通った魅力ある人たちは、往々にして仕事以外の勉強をしています。学校で働いているだけの教育では、これからの変化の激しい時代を生き抜く教育はできないと思います。
教育は変わらなくてはならない。
それは、子どもを取り巻く社会が劇的に変わっているからです。
知識の詰め込みなら、AIに勝つことはできません。
知識を伝達する教育から、真の学びを受けられる教育に、変更していかなければなりません。そのために、教師が教育の未来を見て、研鑽を積む時間の確保が必要です。
そして、この日本という国を継続・発展させていくためにも、今、教育が変わること。そしてその教育を支える教師の考え方を劇的に変える必要があると考えています。
そのために、教師が教師の仕事に追われない世界をつくっていかなくてはならない。
この本には、気持ちを変えるだけで早く帰れる方法や、具体的な時短術を詰め込みました。ほとんどが自分で生み出したものではなく、たくさんの人や本、同じ職場の先生方から習った方法ばかりです。
特に今学ばせてもらっているアドラー心理学やカウンセリング、コーチングをたくさん応用しています。
できたら初めから読んでいただきたいですが、どこから読んでいただいてもかまいません。日本の先生たちが職場にいなければいけない時間が少なくなり、自分のやりたいことをやれる時間が増えることを願っています。
時短とは一見正反対のようですが、他人のために何かをすることが、結局は自分の幸せにつながるというマインドセットがとても参考になりました。
私は、忙しい朝でも職員室の電話を進んでとるようにしています!
コメント一覧へ