- まえがき
- 序章 算数授業でクリエイティブな思考の子どもを育てよう!
- 第1章 算数のクリエイティブ授業をつくる7の仕掛け
- 仕掛け1 学習のめあてを「かくす」
- 1 クリエイティブ授業づくりの基本
- 2 授業のめあてをかくす
- 3 きまりを発見させたいものをかくす
- 仕掛け2 学習の「必要性」を感じさせる
- 1 創造的な学びを体験する
- 2 判断力をみがく
- 3 「必要性の逆」を利用する
- 仕掛け3 「不安定」にして思考を揺さぶる
- 1 とぼける
- 2 条件不足
- 3 条件過多
- 4 常識を覆す
- 仕掛け4 思考の「間口」を広げる
- 1 表現力が向上する
- 2 制限→意欲向上へ
- 3 学びの広がりと深まり
- 仕掛け5 結論から思考過程への「逆思考」を促す
- 1 思考を広げる
- 2 意見を整理する・分析する
- 仕掛け6 「比較」で授業を活性化させる
- 1 多面的な見方ができる
- 2 多様な結論を生み出す
- 3 子どもの発言を比較の材料にする
- 仕掛け7 「先読み」でストーリーを作る
- 1 主体的な学びにつながる
- 2 学びの系統性を見る目が育つ
- 第2章 算数のクリエイティブ授業をひきたてる30の演出
- 1 安心できる空間をつくるための演出3
- 2 授業に集中するための演出4
- 3 子どもの心をつかむための演出4
- 4 子どもの思考を整理するための演出3
- 5 子どもの学力を高めるための演出3
- 6 授業を活性化するための指名の演出6
- 7 目的別・机間指導の演出4
- 8 ゲーム効果で授業が盛り上がる演出3
- Column クリエイティブ授業の誕生まで
- 第3章 学年別 算数のクリエイティブ授業40の実践
- 1年
- 1 なんばんめ
- 2 いくつといくつ
- 3 いろいろなかたち
- 4 3つのかずのけいさん
- 2年
- 5 長さ
- 6 かくれた数はいくつ
- 7 かけ算
- 8 たし算とひき算のひっ算
- 3年
- 9 一億までの数
- 10 時間と長さ
- 11 あまりのあるわり算
- 12 計算のじゅんじょ
- 13 間の数
- 14 三角形
- 15 表とグラフ
- 16 小数
- 4年
- 17 角とその大きさ
- 18 何倍でしょう
- 19 面積
- 20 がい数とその計算
- 21 垂直・平行と四角形
- 22 調べ方と整理のしかた
- 23 分数
- 24 直方体と立方体
- 5年
- 25 体積
- 26 小数÷小数
- 27 同じものに目をつけて
- 28 整数
- 29 平均とその利用
- 30 単位量あたりの大きさ
- 31 割合
- 32 角柱と円柱
- 6年
- 33 対称な図形
- 34 分数×分数
- 35 比とその利用
- 36 図形の拡大と縮小
- 37 速さ
- 38 円の面積
- 39 およその形と大きさ
- 40 場合を順序よく整理して
- あとがき
まえがき
よい授業とは,どのような授業でしょうか。
子どもたちからの発言がたくさん出される授業でしょうか。
笑いに満ち溢れた授業でしょうか。
めあてを全員がクリアできた授業でしょうか。
どれも正しいと思いますが,私の考えるよい授業は,
自ら考え,判断し,行動できる力のつく授業
です。
本書では,教師がめあてまでの道筋を作り,子どもたちをその上に乗せる授業のことを「マニュアル授業」とよぶことにします。いくら上手な授業をしたところで,教師の作った道筋の上でしか子どもたちが学べないのであれば,指示されたことしかできない人材(指示待ち人間)しか育てられません。
それに対し,めあてまでの道筋を教師がかくし,子どもが自ら考え,判断し,行動できるような,創造的な学びにつながる授業のことを,「クリエイティブ授業」とよぶことにします。このような授業では,自ら新たなことを創り出そうとする人材(自立型人間)が育成されます。
これからの日本,そして世界を豊かにしてくれる人材はどちらでしょうか。言うまでもなく,後者です。
マニュアル授業とクリエイティブ授業とでは,子どもたちの目の輝きが全く違ってきます。人は本来,創造的に学ぶことを好む生き物だからです。
では,クリエイティブ授業ができるのは偶然でしょうか。
あるいは,経験に裏打ちされた感覚でしょうか。
私はどちらも違うと思います。
クリエイティブ授業をつくるためには,
仕掛けと演出
が不可欠だと私は考えます。
この仕掛けと演出を常に念頭に置いて授業を組み立てれば,常にクリエイティブ授業ができます。ムラがなくなります。
本書では,クリエイティブ授業をつくるのに不可欠な7の仕掛けと,30の演出を紹介しています。また,それらを組み合わせた実践例も,学年ごとにたくさん挙げてみました。
「自立型人間」を育成するためには,授業以外にも学級経営や行事などさまざまな切り口がありますが,本書では「算数授業」を切り口にして,話を進めていきます。ただし,本書で紹介している仕掛けや演出は,他教科にも,授業以外にも,さまざまに役立てることができます。
子どもたちの学習意欲を高めたい。さらに楽しくて知的な授業をつくりたい。そして何よりも,自立的な子どもたちを育てたい。本書が,そのように感じられている少しでも多くの方々にとって,価値ある本になればと願っております。
2013年7月 /伊藤 邦人
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- 明治図書
- 算数T.Tとしてとても活用させていただいた。2015/4/11ふみひこ