「学び合い」で必ず成功する! 小学校算数「割合」の授業

「学び合い」で必ず成功する! 小学校算数「割合」の授業

インタビュー掲載中

割合の学習指導に悩んでいる全国の算数教師のための1冊!

全国学力調査結果から小学生が苦手と言われる「割合」の学習。その授業が成功する「10の秘訣」、3〜6年の「割合」の授業プラン、ワークシートなどをもとに、子どもたちが協同的に学び合いながら「割合」の理解力がアップする効果的で新しい指導アイデアを一挙公開!


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PDF
ISBN:
978-4-18-094515-3
ジャンル:
算数・数学
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 160頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2024年12月5日

目次

もくじの詳細表示

はじめに
1章 算数科「割合」の授業の現状と課題
1 「割合」の学習の難しさ
2 「割合」の学習の落とし穴
3 全国学力テストから見た小学生の弱点
[弱点1] 整数倍の問題ですでに半数の子どもはつまずいている。
[弱点2] 割合に関する基本的な知識・理解について,達成状況は6割にも満たない不十分な状況である。
[弱点3] 割合の公式の意味理解が不十分で,割合は,もとにする量とくらべる量2つで決まることや,くらべる量の大小はもとにする量と割合の2つで決まることが理解されていない。
[弱点4] 正しい判断ができても適切に理由を説明することができない。
2章 協同的な学びを取り入れた授業で割合の理解力アップ
1 子どもたちに力をつけるために
(1)個人差をどう考えるか
(2)個人思考できるためには
(3)一人学びから協同の学びへ
2 協同的な学びとは
(1)協同的な学びのよさ
(2)協同学習の形態
(3)協同学習の取り入れ方
3 学び合う力を育てるために
(1)基盤づくり
(2)相談と話し合い
(3)グループ学習を成功させるコツ
4 検証! 学級力・算数力アップ
(1)伸びた子どもの学力
(2)伸びた人間力
(3)子どもはグループ学習をどう受け止めたか?
3章 「割合」の授業を必ず成功させる秘訣10
1 割合の概念モデルをもたせよう
2 くらべる量を求める問題から始めよう
3 複線型で指導しよう
4 図が使えるように指導しよう
5 問題の与え方を工夫しよう
6 問題づくりの活動を取り入れよう
7 説明力をつける指導を工夫しよう
8 単元を通して力を育てよう
9 低学年から系統的に指導しよう
10 整数倍で割合をしっかり指導しよう
4章 学び合いをつくる「割合」の授業プラン
(1)ねらい
(2)足場づくりの工夫
(3)グループ学習の取り入れ方
(4)授業づくりのワンポイントアドバイス
(5)授業展開
1 3年 倍とわり算の授業
◆倍とわり算の授業
◆かけ算逆思考文章題の授業
2 4年 整数倍の授業
◆くらべる量を求める問題の授業
◆もとにする量を求める問題の授業
3 5年 割合の授業
◆割合1時の授業【ワークシート@・A】
◆割合2時の授業【ワークシートB・C】
◆割合3時の授業【ワークシートD】
◆割合4時の授業【ワークシートE・F】
4 5年 百分率の授業
◆百分率1時の授業
◆百分率2時の授業【ワークシート@・A】
◆百分率3時の授業【ワークシートB】
◆学力テストB問題を用いた活用力を育てる授業 (1)
5 5年 割合のグラフの授業
◆割合のグラフ1時の授業
◆割合のグラフ2時の授業
6 5年 割合を使っての授業
◆割合を使っての授業
◆学力テストB問題を用いた活用力を育てる授業 (2)
7 6年 比・割合を使っての授業
◆比を使った問題の授業
◆全体を1と考える問題の授業
5章 学び合いのある「割合」の授業実践
1 3年 かけ算逆思考文章題の授業
2 4年 もとにする量を求める問題の授業
3 5年 割合の授業
◆割合1時の授業
◆割合2時の授業
◆割合3時の授業
◆百分率1時の授業
◆百分率2時の授業
◆百分率3時の授業
◆学力テストB問題を用いた活用力を育てる授業 (1)
◆割合を使っての授業
4 6年 比・割合を使っての授業
◆比を使った問題の授業
◆全体を1と考える問題の授業
おわりに

はじめに

 毎年の全国学力テストの結果からも分かるように割合の学習は小学生には困難な学習内容の1つです。そこで,私たちは,平成23・24年度科研費基盤研究(C)課題番号20530806「考える足場をつくる算数授業を長期間受ける児童の知識の習得と活用の変容に関する研究」の補助を受けて,第5学年の割合単元の学習教材や学習指導方法を見直し,指導の工夫を試みました。その主な工夫は3つあります。

・子どもに理解が容易な「くらべる量」を求める問題の学習から入り,その後,「割合」や「もとにする量」を求める問題を取り上げるようにした。

・思考・判断力を育てるために,毎時間扱う問題タイプを1つに限定しないで,「くらべる量」と「割合」を求める問題というように異なるタイプの問題を混ぜるようにした。

・ガリバーと小人の問題を扱い,子どもにどちらの視点から相手を見ているかを実感させて「もとにする量」を意識させたり,「もとにする量」が変われば「くらべる量」や「割合」が変わることが理解できるようにした。

 平成23年度にこのような指導法で小松市立苗代小学校5年生に割合の授業を行ったところ,学力テストA問題B問題ともに割合の問題は全国平均をはるかに上回る好成績を収めることができました。そこで平成24年度は研究協力公立小学校の数を増やして同じ指導法で実践したところ,割合の学習状況の改善が見られました。

 本書は,割合の学習指導に悩んでおられる全国の先生方に効果的な割合の指導法があることを知ってもらい,全国の小学生の割合の学習状況が改善されることを願って,出版することにしました。最後になりましたが,明治図書教育書編集部の木山麻衣子さんには本書の企画段階から意見をいただきました。また編集段階では吉田茜さんにお世話になりました。感謝申し上げます。


  2013年8月   /石田 淳一

著者紹介

石田 淳一(いしだ じゅんいち)著書を検索»

小田原市生まれ,京都大学教育学部卒,筑波大学大学院教育研究科修了,同教育学研究科退学後,愛知教育大学助教授,筑波大学講師を経て,現在横浜国立大学教育人間科学部教授。学術博士。2002年度英国オックスフォード・ブルックス大にて在外研究。全国各地の小学校で指導講演を行っている。

神田 恵子(かんだ けいこ)著書を検索»

石川県小松市立第一小学校指導教諭,苗代小学校指導教諭を経て,現在能美市立辰口中央小学校教頭。日本数学教育学会誌や科学教育研究に実践研究論文を多数発表している。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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