中学校数学科 図形の証明指導を極める

中学校数学科 図形の証明指導を極める

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図形の証明指導にかかわる悩みを一挙解決!

中学校数学の最大の難関、図形の証明。証明の必要性を感じていない、仮定と結論の区別ができない、結論から逆向きに考えることができない…など、図形の証明にかかわる22の問題点を洗い出し、生徒の実際の記述物を多数交えた具体的な実践例に基づいて解決策を提案。


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PDF
ISBN:
978-4-18-090726-7
ジャンル:
算数・数学
刊行:
2刷
対象:
中学校
仕様:
A5判 152頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年3月19日

Contents

もくじの詳細表示

1 図形の証明指導を極めるために 22の問題点とその対応策
1 証明指導のねらい
1 図形指導のねらいと証明の役割
2 図形の証明指導について
2 証明指導上の22の問題点とその対応策
22の問題点とその対応策
2 図形の証明の準備期・導入期の指導を極める
1 証明の必要性を感じさせる
2 課題提示を工夫し,生徒の興味・関心を高める
3 条件に合う図を継時的にかかせる
4 図式化・記号化に慣れさせる
5 仮定と結論を区別させる
6 定義と定理を区別させる
7 証明のしくみを理解させる
8 証明の方針を立てさせる
9 口頭で説明させる
10 証明を記述させる
3 図形の論証力を伸ばす指導を極める
11 操作や実験を通して,図形の性質を見つけさせる
12 観察や実測を通して,証明の必要性やよさに気付かせる
13 図形の性質の一覧表をつくり,活用させる
14 条件を変えて新たな命題を考えさせる
15 1つの証明から他に成り立つことを考えさせる
16 求値問題から証明問題を考えさせる
17 多様な方法で証明させる
18 友だちの説明の続きを予想し,証明を完成させる
19 問題づくりを通して,証明の意味や一般性をより深く理解させる
20 生徒の個人差に対応するために,穴埋め問題を利用する
21 証明を読み,思考過程を振り返らせる
22 すべての生徒が考え,表現する場を設定する

はじめに

 図形の証明は,中学校数学の中で生徒が最も苦手とする学習内容の1つであり,教師にとっても最も指導が難しい内容の1つです。

 全国学力・学習状況調査の結果においても,図形の証明に関する問題の正答率は低く,国立教育政策研究所が作成した「全国学力・学習状況調査の4年間の調査結果から今後の取組が期待される内容のまとめ(平成24年9月)」では,4年間の調査結果から考えられる課題として,「証明の必要性と意味を理解すること(図形における課題)」「予想した事柄を数学的な表現を用いて説明すること」「事柄が成り立つ理由を説明すること」「問題解決の方法を数学的な表現を用いて説明すること」などがあげられています。

 また,『中学校学習指導要領解説 数学編』において,「中学校数学科の内容の骨格」としてあげられている7項目の1つが,図形の証明と密接な関係にある「数学的な推論」であり,生徒の論理的な思考力を伸ばすことが強く求められています。


 私自身の指導について振り返ってみると,図形の証明をはじめて指導したとき(二十数年前)には,大きな不安を抱いていたのを今でも覚えています。

 当時は,証明をどのように指導すればよいのか見通しをもつことができず,教科書で取り上げられている図形の性質を一つひとつ証明していくことだけの教師主導の授業でした。証明の意義や必要性を生徒に考えさせたり,生徒のつまずきを指導に生かしたりすることなく,数学が得意な一部の生徒の発表を基に授業を進め,証明の形式的な記述の指導にのみ力を入れていたように思います。その結果,三角形の合同を利用した証明を形式的に記述させることはできても,深化がなく,応用力の育成にはつながっていませんでした。

 やはり,仮定から結論を機械的に導くだけでなく,定義や定理を体系的に理解させ,証明の記述についても口頭表現から記述表現への段階的な指導を行うなど,生徒の論理的な思考力を計画的に高めていくという意識が必要だったと反省しています。


 そこで本書では,授業者の視点から,図形の証明指導における問題点とその対応策について考え,具体的な指導事例をあげながら,指導の工夫及び授業づくりについてまとめてみました。特に,生徒がつまずきやすいポイントに焦点を当て,実際に授業で使用したワークシートや生徒のノートなどを交えながら,指導の工夫の仕方を紹介しています。

 1章では,「図形の証明指導を極めるために―22の問題点とその対応策」として,図形の証明の指導のねらいと,指導上の問題点やその対応策についてまとめています。そこでは,教師が授業において意識しておかなければならないことや,優先して指導しなければならない事項等がわかるように,22項目の問題点を取り上げています。

 2章では,「図形の証明の準備期・導入期の指導を極める」として,証明の必要性を感じさせることや,仮定と結論,定義と定理を区別できるようにすることなど,図形の証明の準備期や導入期において特に重要な指導内容について,具体的な指導事例をあげながら,生徒がつまずきやすいポイントやその対応策についてまとめています。

 さらに3章では,「図形の論証力を伸ばす指導を極める」として,1つの証明から他に成り立つことを考えさせること,多様な方法で証明させること,証明を読み,思考過程を振り返らせることなど,論証する力を伸ばしていくうえで欠かすことができない指導内容について,2章と同様に具体的な指導事例をあげながら,指導上のポイントや生徒のつまずきへの対応についてまとめています。


 本書をご活用いただくことで,図形の証明の指導が充実したものになり,生徒の論理的な思考力や数学的な表現力が伸長することを期待しています。


  2014年6月   /楳木 敏之

著者紹介

楳木 敏之(うめき としゆき)著書を検索»

1968年,宮崎県生まれ。

熊本大学教育学部中学校教員養成課程数学科卒業後,兵庫教育大学大学院修士課程修了。熊本県内の公立中学校教諭,熊本市教育委員会指導主事を経て,現在,熊本市立北部中学校に勤務。熊本市数学教育研究会研究部長,学校心理士,臨床心理士,キャリアカウンセラーとして活動中。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書
    • 中学校数学の難関の1つである証明について、その指導のポイントがよくまとめられており、指導の参考になりました。
      2018/7/2850代・中学校管理職
    • 課題の具体例があり、活用しやすかった
      2017/3/2230代・中学校教員
    • 大変参考になりました
      2017/3/1230代・中学校教員
    • まずは自分が得意になりたいと思い購入しました。
      2015/9/24教員
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