- はじめに
- 第1章 発達障害とソーシャルスキル
- 1 発達障害とソーシャルスキル
- 2 知的障害やLDの子どもたち
- 3 PDDの子どもたちへの指導
- 4 ADHDの子どもたちへの指導
- 第2章 ソーシャルスキルの指導
- 1 ソーシャルスキル指導のおさえどころ
- 2 小集団指導の組み方
- 3 一日の生活場面を通した指導
- 4 発達障害の子どもの心理社会的発達
- 5 発達段階に応じた指導
- 第3章 幼児のソーシャルスキル活動
- [1] はじまりの会・おわりの会
- [2] 発表・インタビュー
- [3] のりもの遊び
- [4] 手遊び歌
- [5] 絵本の読み聞かせ
- [6] じゃんけんゲーム
- [7] 巨大線路パズル
- [8] かんたんカードゲーム
- [9] ペア探し
- [10] ごっこ遊び(検診,洗顔,爪きり,床屋)
- [11] ごっこ遊び(おままごと,しつけ遊び)
- [12] サーキット運動(幼児用)
- [13] いろいろなおにごっこ
- [14] かんたんボールゲーム
- [15] フルーツバスケット
- [16] 新聞列車(乗り降り段ボール列車)
- [17] 1本でぬりえ
- [18] 作って遊ぶ
- [19] 服袋
- [20] 型抜き子
- 第4章 小学生のソーシャルスキル活動
- [21] スピーチ
- [22] おつかいごっこ
- [23] 指令文
- [24] 買い物ごっこ
- [25] 電話のかけ方,とり方
- [26] スリーヒントクイズ
- [27] 協力コップタワー
- [28] こんなときどうしよう
- [29] 気持ちの学習
- [30] 地図を見ながら伝えよう
- [31] いすとりでグー!まけてもグー!
- [32] 相談・話し合い
- [33] 運びましょう!
- [34] 20のとびら
- [35] パターンブロック伝言
- [36] 協力レゴづくり
- [37] 変身クイズ
- [38] どんな子ですか?
- [39] 矢印をたどろう
- [40] 並びっこゲーム
- [41] ペアカードマッチング
- [42] みっけ!!
- [43] 熟練カードゲーム
- [44] 探検隊はどこだ
- [45] ドミノ倒し
- [46] 問題解決すごろく
- [47] 見立てゲーム
- [48] 相談ゲーム
- [49] ゴムゴムUFOキャッチャー
- [50] 野外遊び
- [51] 絵描き歌
- [52] ○△□から絵を描こう
- [53] サーキット運動
- [54] いろいろリレー
- [55] 風船バレーボール
- [56] リモコンウォーク
- [57] 王様ドッジボール
- [58] ティーボール
- [59] リングリングボール
- [60] いろはにこんぺいとう
- [61] コリントゲームを作ろう
- [62] のれん作り
- [63] 協力ミサンガ
- [64] ダイアログ造形
- [65] 調理でわいわい
- [66] 白玉だんご作り
- [67] 校外学習に行こう!
- [68] 電車に乗って出かけよう(校外学習の実際)
- [69] 買い物に行こう
- [70] 6年生を送る会をしよう
- [71] 秋まつりをしよう
- [72] 学習発表会(スポーツ大会)
- 第5章 中学生のソーシャルスキル活動
- [73] カードミーティング
- [74] 質問探偵ゲーム
- [75] 感情マップ・感情さいころトーク
- [76] だれの話だ?
- [77] 回転描画
- [78] ブラインドウォーク
- [79] 国旗ビンゴ
- [80] 作ってスゴロク
- [81] 直伝カードゲーム
- [82] アンゲーム
- [83] ビリヤード
- [84] みんなDEハンドベル
- [85] サークルボール
- [86] 絵手紙
- [87] マンダラ塗り絵
- [88] 絵手紙
- [89] フリマに出店しよう!
- [90] 書初め
- [91] 五色表現
- [92] がんばれプロデュース
- [93] 携帯電話・インターネットとの付き合い方
- ねらい索引
はじめに
特別支援教育の実施とともに,通級による指導や地域の指導相談機関で発達障害へのソーシャルスキルや社会性,行動面の指導などが盛んに行われるようになりました。特に,ソーシャルスキル指導に関しては,急に拡大をしており,専門の先生の数が追いつかない状況になっています。3年前に上野一彦先生とともに『特別支援教育[実践]ソーシャルスキルマニュアル』という本を書きました。その頃,SSTがお楽しみ活動や成功体験だけのゲーム活動と誤解されていた現状があり,そのアンチテーゼとして教授的なニュアンスをもたせ執筆しました。多くの機関でその本を活用してくださり,特別支援教育の中に一つのSSTのモデルを示すことができたと実感しています。今回は,その続編として,具体的な活動や実践のネタを多く収録しました。前作とともに,本書が特別支援教育の中でソーシャルスキル指導を行う際に活用していただければと思います。
さまざまな現場の先生方とよく話題になるのが,ソーシャルスキルの活動がよいものでも,そこに子どもの発達や障害特性をおさえていない指導は,何の意味ももたないということです。子どもの障害特性や教育ニーズを見ないで,マニュアルに書かれていることをただまねするだけでは何も生まれません。そこで大事になるのが,実施しやすい活動・ネタがあるだけでなく,子どもたちの目標を達成するための指導方法やポイント,つまり“おさえどころ”を重視する視点です。本書は,たくさんの活動のネタを用意しましたが,必ず“おさえどころ”を明記しました。活動自体は,どこにでもあるようなものですが,おさえどころをもって実践していくことで,子どもたちがソーシャルスキルをしっかりと学べるように狙っています。
本書をまとめる上で,情緒障害教育で地域のリーダー的な存在である先生方のお力をお借りしています。その方々と何度も会議を重ねて話し合い,意見を出し合って,一つひとつの活動のアイデアが生まれました。しかし,本書がソーシャルスキル指導のすべてではありません。読者の先生方に子どもたちの特徴やニーズに沿って実践していただき,多くの意見をいただきたいとも思っています。実践的知見からさまざまなフィードバックを受けることで,さらによい方法論や活動のアイデアが出て,改良されていくことを願っています。
本書は,我々執筆者の日ごろの実践から生まれてきたものです。実践の中で出会った子どもたちとその保護者にお礼申し上げます。また,情緒障害教育および発達障害臨床に携わる先輩方や仲間たちからも多大なるご意見やご指導をいただきました。明治図書の三橋由美子さん,川村千晶さんには編者のわがままとも言える要望やこだわりを受けとめてくださり,大変な編集作業を手際よく解決していただきました。これまでお世話になりましたたくさんの方々にお礼申し上げたいと思います。
2009年2月 編者代表 /岡田 智
-
- 明治図書