- はじめに
- 1 マインドマップで作文指導がこう変わる
- (1) マインドマップとは?
- (2) マインドマップ作文はここがスゴイ!
- (3) マインドマップ作文指導の基本手順
- (4) 本書マインドマップ・テンプレートの使い方
- 2 マインドマップを授業で使ってみよう
- (1) マインドマップの効果を実感!自己紹介の授業
- (2) テンプレートを作った経緯
- 3 コピーして使える!マインドマップ・テンプレート集
- (1) 創造的な内容を書く作文テンプレート
- 詩歌
- 低学年
- 目でさわって,手で見て,詩を書こう!
- ようすのあらわし方をくふうして,詩を作ろう
- 中学年
- 野原でのつぶやきを詩にしよう!
- あなたも,野原のだれかになって,感じたことや思ったことを詩に表そう
- 高学年
- 平成の正岡子規になって今を切り取る日本語を探そう!
- 「たのしみは」で始まり,「時」で結ぶ短歌を作ろう
- 物語文
- 低学年
- お話作りの楽しさをあじわおう!
- まとまりに分けてお話を書こう
- 中学年
- あなたもストーリー・プランナー!!物語にチャレンジしよう!
- 物語の設定を考える/物語の組み立てを考える
- 高学年
- この写真はどんなストーリーをひめているんだろう?
- 写真をもとに想像を広げて,あなただけの物語を作ろう
- (2) 日常生活で活用されるものを書く作文テンプレート
- 報告文
- 低学年
- ( )のことを友だちに教えよう
- ( )のことを友だちに教えよう
- 中学年
- ぼくら,読書生活調さ隊!どうすれば,読書生活がよくなるか考えよう!
- 読書生活についての調さをして,よい点,悪い点を知り,読書生活についてのほう告書を作ろう
- 高学年
- 自分たちのやってきたことはこれでいいのか?文章化して見つめよう!
- 一定期間の活動をほう告文にまとめよう
- 説明文
- 低学年
- 同じおもちゃを作ってもらおう!
- おもちゃの作り方を説明する文章を書いてみよう
- 中学年
- 変身!変身!大変身!これは,何に変わるのか!!
- 例をあげて説明する文章を書こう
- 感想文
- 低学年
- 『スイミー』の海にとびこんで,いろんなことをかんじてみよう!
- 『スイミー』を読んで,感想を書こう
- 中学年
- ありの日常が科学者をみ了する?!君が感じたことを書こう!!
- 説明的文章を読んで,感想をまとめよう
- 高学年
- あなたも評論家になれる!!名画からのインスピレーションを文章に変換しよう!!
- 絵から読み取ったこと,感じたことを文章にしよう
- 紹介文
- 低学年
- おすすめのお友だち!お話の国の友だちをしょうかいする文を書こう!
- 本の中で見つけた友だちがどんな人物だったのか,クラスのみんなに教えよう
- 中学年
- (リーフレット)働く人と交流して,その人の思いや仕事の内容を紹介しよう!
- 働く人を取材して,仕事の内容などを写真(やイラスト)と文章で伝える「仕事リーフレット」を作ろう
- 高学年
- (パンフレット)地域力発見!発信!自分たちの町のパンフレットを作ろう!!
- 自分たちの町のパンフレットを作ろう
- 新聞など
- 低学年
- (はるニュース)新聞記しゃになって,今日をきざもう!
- 友だちにしらせたいことを紙に書いてはろう
- 中学年
- (学級新聞)学級新聞せい作プロジェクトをすい行せよ!!
- 学習したことや,調べてわかったことを,新聞にまとめよう
- 意見文
- 高学年
- グラフや表は僕たちに何を語っているんだろう?
- 「くらしやすさ」について,グラフや表を用いて自分の意見を書こう
- 高学年
- ジャーナリスティックに「平和」を書き残そう!
- 構成を考え,必要な資料を選んで,意見を文章にまとめよう
- 手紙文
- 中・高学年
- 手紙文の形式に沿って,手紙文を書こう!!
- きちんとした形式で手紙を書こう
- おわりに
はじめに
マインドマップというツールを教育の現場に!
私は,学校教育の現場でマインドマップというツールを導入しています。それは,自分が使う場合もあり,児童にかかせる場合もあります。マインドマップをかいていると頭の中が整理されると同時に新しい発想が生まれてきます。児童も喜んでかきます。このツールを学習の場面に活かそうといろいろな取り組みをしてきました。本書には,その取り組みのうち作文,つまり国語科の中の「書くこと」の領域に焦点をあてて,その実践例や授業提案を書いています。
私が,初めてマインドマップを黒板にかいたのは2005年ですが,当時は,教育現場において,マインドマップはあまり認知されておらず「佐久間先生の授業は,不思議な授業」といわれてしまう始末でした。ただ,多くのビジネス書やビジネス雑誌には掲載され,特集が組まれていたので,必ず理解が得られると思っていました。また,何よりも,マインドマップをかいている児童の目は,とても輝いていたのです。特に,作文に関しては,一度マインドマップをかいてから原稿用紙に向かうと,すらすらと筋の通る文章を書くようになりました。児童がワクワクしながら作文に取り組んでいる様子を見ると,私自身がとてもワクワクしてしまいました。マインドマップの開発者であるトニー・ブザン氏は,マインドマップを通じてメンタルリテラシーを高めることを提唱しています。メンタルリテラシーとは,簡単にいうと「頭(脳)の使い方」です。つまり,マインドマップを使って学習することは,脳の性質や特性にあった学習法だといえるのです。児童が喜んで学習に取り組んだのは,いってみれば「脳ミソが喜んだ」ともいえるでしょう。
この私や私のクラスの児童が感じたワクワク感を,本書を通じて少しでも多くの人に感じてもらおうと思っています。できるだけ多くの先生に,そして多くの児童にマインドマップをかけるようになって欲しいという思いから,本書では,多くのテンプレートを掲載しています。理論的なことは,『ザ・マインドマップ』や『マインドマップfor Kids〜勉強が楽しくなるノート術〜』などを参考にしていただくこととして,私が教育現場で使ってみた感想やテンプレートを作った経緯やその使い方などを紹介するという形で本書をすすめていこうと思います。
本書を手に取ったあなたやあなたのクラスの児童がマインドマップをお使いくださることを心より願っています。
2012年1月 /佐久間 賢志
-
- 明治図書