話し合う力がぐんぐん育つ!算数シナリオ&授業記録活用法

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算数授業でここまでできる話し合い指導の極意を一挙公開!

モデルを学び、考え、使うの3ステップで、数学的な思考力や表現力を育てる話し合い指導を提案。実際の授業記録のほか、学年別シナリオ(教師用・子ども用)、掲示用の話し方カード、子どものワークシートなど、実物資料を多数紹介した日々の算数授業を変える1冊です!


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ISBN:
978-4-18-077614-6
ジャンル:
算数・数学
刊行:
3刷
対象:
小学校
仕様:
B5判 132頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

はじめに
1章 算数授業における 話し合い指導の基本的な考え方
1 聴き方・話し方・話し合いの仕方を教えることの必要性
2 伝え合い学び合う子どもの姿
3 聴き方・話し方・話し合いの仕方を学べば子どもは変わる!
4 シナリオを活用した話し合いの授業を子どもはどう受け止めるのか?
5 伝え合い学び合う授業をするための環境づくり
6 話し合い指導の進め方
2章 シナリオを活用した 3ステップの話し合い指導
1 3ステップの話し合い指導とは
2 話し合いの指導プラン例
3 シナリオの内容・話す視点と話し方カード
(1) シナリオ教材の使い方
(2) シナリオを活用した話し合い指導の授業展開
(3) ステップ1の話し合い指導で用いる話し方カードとシナリオの内容
@1年生用シナリオ 順序数の問題1(教師用・子ども用)
A2年生用シナリオ ブロックの数問題1(教師用・子ども用)
B2年生用シナリオ 順序数の問題2(教師用・子ども用)
C3年生用シナリオ ブロックの数問題2(教師用・子ども用)
D3年生用シナリオ あめの問題1(教師用・子ども用)
E4年生用シナリオ ボールの問題(教師用・子ども用)
F4年生用シナリオ あめの問題2(教師用・子ども用)
G5年生用シナリオ 正三角形の問題(教師用・子ども用)
H5年生用シナリオ 土地の面積の問題(教師用・子ども用)
I6年生用シナリオ たこ形の面積の問題(教師用・子ども用)
3章 シナリオを活用した 3ステップの話し合い指導の実践
1 1学期の話し合い指導
(1) ステップ1の指導
4年 ボールの問題のシナリオを活用した話し合い指導の授業
(2) ステップ2の指導
4年 わり算の暗算の授業
(3) ステップ3の指導
4年 角の大きさの授業
2 2学期の話し合い指導
(1) ステップ1の指導
4年 あめの問題2のシナリオを活用した話し合い指導
(2) ステップ3の指導
4年 小数÷整数の授業
3 2年目の1学期の話し合い指導
(1) ステップ1の指導
6年 たこ形の面積の問題のシナリオを活用した話し合い指導
4章 授業記録を活用した話し合い指導の実践
1 修正された授業記録を活用した話し合い指導
4年 対角線と四角形の授業
2 授業記録と修正された授業記録を比較させる話し合い指導
5年 平均の授業
3 授業記録を活用した話し合い指導
6年 起こりうる場合の数の授業(7時)
5章 話し合い指導を受けた子どもの学び合う姿
1 授業記録を活用した話し合い指導後の授業
6年 起こりうる場合の数の授業(8時)
おわりに

はじめに

 昨今,算数科において思考力,表現力の充実が課題とされている。全国学力テストの結果は,基礎的な問題は解くことができるが,多段階思考を要する問題を解いたり,図や言葉で自分の考えを説明したりすることは苦手な子どもが多いという実態を明らかにしている。

 算数の授業で,子どもが学び合うためには,友達の考えや思いを受け止めながら聴くことが大切である。自分の考えと比べながら聴いて,さらに考え,考えたことを伝え合うことで,よりよい解法に気づいたり,よりわかりやすい説明に直したりして学び合うことができる。また,子どもが学び合うためには,友達どうしがかかわって話し合うことが欠かせない。話し合いと聞くと,国語科のイメージがあるが,算数科においても,話し合いができるように聴き方・話し方・話し合いの仕方を教えて,日々の授業に話し合い指導を取り入れていくことで,子どもが自ら理由を説明したり,本当に正しいのか考えたり,友達の発言を聴いて付け加えたりして,主体的に学び合う算数授業づくりができるのではないだろうか。

 話し手の考えの根拠は何か,説明は論理的かどうか,どんな既習事項を使っているか,もっとわかりやすく表現できないかなど,聴き手がさまざまな視点を持って聴くことができれば,聴いて,考えて,伝える学習過程は,数学的思考力や表現力を育てることに役立つ。友達や先生の説明を聴いてわからない子どもが,「もう一度説明してください。」とか「質問します。」などと話すことができれば,他の子どもが自分の考えをその子どもにわかってもらうために既習事項を使ったり,わかりやすい表現を工夫したりして説明する場ができる。複数の考えが出された後に「比べて共通点や相違点を考えながら友達の説明を聴く」や「どの方法がよりよい方法かを考えながら聴く」という聴き方は,子どもが学び合いながら理解を深める話し合いには欠かせない。

 子どもが主体的に学び合う算数授業づくりを実現するためには,学級経営を基盤としたあたたかな人間関係づくりが前提となるが,算数科での話し合いの指導を3ステップで行い,聴き方・話し方・話し合いの仕方を指導することが必要である。本書は,小松市立第一小学校での実践をもとに,算数科における話し合いの指導を誰でも容易に実践できるように,実際の授業記録や話し合い指導のためのシナリオ,子どものワークシート,授業風景などを載せて,わかりやすく記述した。本書が子どもの話し合う力の育成に役立つことを祈っている。

 本書の出版にあたり,明治図書の木山麻衣子氏,林知里氏には本の構想段階から大変お世話になりました。感謝申し上げる。


  2011年2月9日   /石田 淳一

著者紹介

石田 淳一(いしだ じゅんいち)著書を検索»

小田原市生まれ,京都大学教育学部卒,筑波大学大学院教育研究科修了,同教育学研究科退学後,愛知教育大学助教授,筑波大学講師を経て,現在横浜国立大学教育人間科学部教授。学術博士。2002年度英国オックスフォード・ブルックス大にて在外研究。全国各地の小学校で指導講演を行っている。

神田 恵子(かんだ けいこ)著書を検索»

石川県小松市立第一小学校指導教諭

平成19年度啓林館「教育実践賞」を「第5学年『四角形』単元における論理的に考える力を育てる工夫」で受賞,また平成19年度石川県優秀教員表彰を受賞する。日本数学教育学会誌や科学教育研究に実践研究論文を多数発表している。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • シナリオを校内研修で使い,校内でめざす「子どもの話し合い像」を共有化することができた。シナリオになっていることで全員が使えるものになっていると思う。
      2015/4/2240代・小学校管理職

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