小学校・特別支援が必要な子の学習指導ガイド2
通常の学級での個別指導の工夫

小学校・特別支援が必要な子の学習指導ガイド2通常の学級での個別指導の工夫

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特別支援が必要な子ども個々に応じた通常学級での指導

特別支援教育を推進するためには、特別な教育支援が必要な児童に対し全教員が適切な指導と支援を行う必要があります。本書は、そのための課題として「通常の学級での個別指導の工夫」のあるべき姿と多様な事例をお示ししました。


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ISBN:
978-4-18-073929-5
ジャンル:
特別支援教育
刊行:
対象:
小学校
仕様:
B5判 100頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

○まえがき
1章 通常の学級での個別指導の課題
§1 個に応じた指導の充実
§2 個別指導のとらえ方……指導の個別化
§3 特別支援が必要な子どもの存在
§4 校内体制の整備
§5 通常の学級にかかわる指導の段階
§6 通級指導教室や特別支援学級との連携
§7 保護者の理解が得にくい場合
2章 通常の学級の授業での個別指導のポイント
§1 通常の学級における気になる子どもたち
§2 指導の一般的な原則
1 興味・関心の把握
2 個別に声をかける
3 現在の能力に合った課題で習熟させる
4 クリアできる課題の中に,少し難しい課題を忍ばせる
5 課題の量にも工夫…学習プリント
6 視覚的に分かりやすく表示
7 45分の授業展開の工夫
8 タイマーの活用
9 板書の工夫
10 教室環境の整備
11 指導の形態の工夫
12 授業中の緊急対応
3章 通常の学級で気になる子どもの個別指導
§1 授業場面で気になる子どもへのかかわり方
1 国語の授業での工夫
2 社会の授業での工夫
3 算数の授業での工夫
4 理科の授業での工夫
5 生活の授業での工夫
6 音楽の授業での工夫
7 図画工作の授業での工夫
8 体育の授業での工夫
§2 学習の仕方につまずく子どもへのかかわり方
1 聞くことが苦手な子どもへのかかわり方
2 話すことが苦手な子どもへのかかわり方
3 読むことが苦手な子どもへのかかわり方
4 書くことが苦手な子どもへのかかわり方
5 計算が苦手な子どもへのかかわり方
§3 集団で学ぶのが苦手な子どもへのかかわり方
1 相手の気持ちが分からない子どもへのかかわり方
2 コミュニケーションが上手にとれない子どもへのかかわり方
3 こだわりが強い子どもへのかかわり方
4章 個別指導の場面別かかわり方の工夫
§1 課外での個別指導
1 すきま時間を使っての支援
2 給食時間を使っての巡回
3 まとめ
§2 学習支援教室での個別指導
§3 通級指導教室との連携による個別指導

まえがき

 特別支援教育がスタートし,全国各地で着実に歩みを続けている状況が見られます。

 特別支援教育を推進するためには,特別な教育的支援が必要な児童に対して,すべての学校で,すべての教員が,適切な指導及び必要な支援を行う必要があります。これらのことを念頭に,双書として「小学校・特別支援が必要な子の学習指導ガイド」を企画し,1巻 特別支援学級・通級指導教室の授業案 2巻 通常の学級での個別指導の工夫 3巻 個別の指導計画の作成と活用 としてまとめ,刊行することになりました。


 本書は,その2巻で,通常の学級にいる特別な教育的支援を必要とする児童が,学校・学級において,学習の効果をあげることができ,友達とも友好な関係を築きながら充実した生活が送れるようにするための「個別指導の工夫」を取り上げました。

 特別支援教育がスタートした平成19年度以前も「気になる子どもたち」は存在していました。障害名や診断名がはっきりしている児童もいましたが,障害名や診断名は分からないけれど,何らかの支援を必要とする児童が通常の学級におり,担当の教師が,親身になって個別に指導し,いろいろな指導法を工夫している優れた事例が数多く見られました。それらの事例を念頭に置きながら,本書の執筆を依頼し,ご協力をいただきました。

 本書の構成は,1章 通常の学級での個別指導の課題,2章 通常の学級の授業での個別指導のポイント,3章 通常の学級で気になる子どもの個別指導,4章 個別指導の場面別かかわり方の工夫 となっています。この中で,2章では,指導(一部配慮事項も含めて)の一般的な原則についても述べています。

 3章では,§1 授業場面で気になる子どもへのかかわり方 として国語,社会などの各教科別の授業の工夫の事例を取り上げています。毎日の授業の中で,教科の特質を踏まえながら,特別な教育的支援が必要な児童に対して,適切な指導及び必要な支援をどのように行ったのかが紹介されています。

 §2 学習の仕方につまずく子どもへのかかわり方 として,「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算」などが苦手な子どもへのかかわり方の事例をあげました。これらは,いわゆる「学習障害」の状態を示してはいますが,もっと基本的な学習の仕方を獲得するプロセスにも踏み込んで事例を紹介してあります。

 §3 集団で学ぶのが苦手な子どもへのかかわり方 として いわゆる自閉症の子どもたちに見られる「相手の気持ちの理解」「コミュニケーションの問題」「こだわり」などの状態への指導事例を紹介しています。

 4章では,個別指導の場面別かかわり方の工夫 として,「すきま時間を使っての支援」というユニークな取り組みが紹介されています。見方を変えれば,どこの学校でも取り組める可能性がある事例です。また,国で言う「特別支援教室」をイメージした学習支援教室というリソースルームの活用事例も紹介されています。最後は,通級指導教室との連携の実際と入級相談の流れについても事例をあげています。

 本書の特色は,通常の学級での個別指導の工夫に視点を当てて,多様な状態の子どもたちの指導に役立つように事例を多くあげたことです。また,執筆者も通常の学級の担任を中心にお願いしましたが,通級指導教室担当者,特別支援学級担任等多様な人たちに執筆に加わっていただきました。それは,通級指導教室や特別支援学級で行われている指導の工夫が,通常の学級での指導に生かせることが多いと考えたからです。


 本書が,小学校の通常の学級の関係者はもちろんのこと,特別支援学級,通級指導教室,特別支援学校の関係者,さらには,これから教員を目ざす方々に活用されますことを願っています。


 ご多用の中,ご執筆くださった方々に心から感謝を申し上げますとともに,本書の企画,編集・校正等でご尽力願った明治図書出版編集部の安藤征宏氏,飯島トミ氏に謝意を表します。


  平成22年6月   編 者

著者紹介

大南 英明(おおみなみ ひであき)著書を検索»

放送大学客員教授

砥ネ 敬三(とつか けいぞう)著書を検索»

東京都足立区立綾瀬小学校長

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書

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