中学校担任がしなければならない学級づくりの仕事12か月 3年

中学校担任がしなければならない学級づくりの仕事12か月 3年

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中学担任教師の学級生活指導に欠かせぬ一冊

学級生活での人間関係の軋轢や摩擦等の様々な問題の解決を通して、生徒一人一人の人間的成長をどう引き出すか、今見逃されがちなこの大切な課題をどう達成するか、その3年の手だての一味ちがうアイテムを山盛りでお届けした。


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ISBN:
978-4-18-065210-5
ジャンル:
学級経営
刊行:
2刷
対象:
中学校
仕様:
B5判 104頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
1章 学級づくりの仕事への心構えと重点
1 なぜ,学級づくりをするのか
2 3年の学級づくりではずしてはならないポイント
2章 3年の学級づくりの仕事12か月
T 1学期の仕事
1 3年生の学級びらきの演出
2 3年生の学級目標づくり
3 朝の会・帰りの会の工夫
4 日直・当番活動の組織づくり
5 係活動の設置と所属
6 保護者のニーズに応える学級通信
7 3年生の教室掲示計画
8 いじめ・不登校の予防と対応
9 修学旅行への取組み
10 進路選択へつなげる学力向上対策
11 高校見学・体験入学の事前指導
12 進路相談の準備と実施
13 保護者の参加意欲を高める学級懇談会
14 1学期のまとめ
15 学業を中核にした夏休み生活計画の作成
U 2学期の仕事
1 2学期の学級づくり計画
2 2学期の学級通信の計画
3 当番活動・係活動の再編成
4 学級をまとめる体育祭への取組み
5 効果を高める学業指導
6 学級生活を引き締める取組み
7 連帯感を高める合唱祭への取組み
8 潤いのある教室環境づくり
9 受験に向けた保護者との連携と対応
10 進路決定の三者面談の準備と実施
11 友情をはぐくむ取組み
12 進路選択に役立つ教室環境づくり
13 進路の悩みや不安の解決
14 進路決定へつなげる2学期のまとめ
15 冬休みの学習計画づくり
V 3学期の仕事
1 3学期の学級づくり計画
2 受験期の生活設計
3 学級担任が行う面接指導
4 受験期の健康と安全の指導
5 入試直前の指導
6 受験発表と事後指導
7 学級の連帯感を体感する取組み
8 後輩のための受験報告書づくり
9 新入生への中学校生活紹介の取組み
10 学級で取組む奉仕活動
11 中学校生活をまとめる学級文集づくり
12 中学校3年間のまとめ
13 卒業後の生活設計
14 卒業式に臨む心構え
15 夢を語る最後の学級活動

まえがき

 教室で見かけるよりも職員室で見かけることが多い学級担任がいる。朝の会,給食,清掃,帰りの会で学級へ行ってもすぐに職員室へ帰ってきてしまう学級担任がいる。学級の生徒の姿が身の回りにあまりない学級担任がいる。誰もいない教室に入った時,学級担任の姿が浮かんでこない学級がある。

 学級を担任するということは,あくまでも校務分掌の一分担として,連絡事項や指示事項を伝達し,学級事務を処理し,生徒指導上の問題が生じた時はその処理をするなど,担任した学級を管理する仕事が学級担任の仕事であるととらえている若手の教師が多く見受けられる。

 いうまでもなく,学級づくりは,学級目標の実現を目指して,総合的,意図的な計画に基づいて,学級をより望ましい学級へと育成していく営みである。学級担任は,学級をより望ましい学級にしていく取組みを通して,一人一人の生徒がよりよく成長していく契機となるよう指導・援助する必要がある。このことを学級集団の育成と関わらせて取組んでいくことが学級づくりであると言える。

 学級は,学校が効果的に教育を進めるために生徒を機能的に編制した単位集団である。生徒は,学級という単位集団に所属して,そこを基盤として日々の学習活動に取組む。学級は,学習集団として編制された単位集団であるが,生徒の学校生活の基盤として重要な役割も担っている。すなわち,学級は,学習集団としての性格と生活集団としての性格の双方を併せ持った集団である。学級づくりは,学級が学習集団と生活集団の双方の機能を相互に補充,補完し合って,生徒の個性の伸長と豊かな人間性の育成に役立つ学級をつくり上げていく教育的な営みである。

 また,学級生活は,人間関係の軋轢や摩擦,個人的な不適応など,生活上の様々な問題や課題を内在している。生徒が活発に活動すればするほど,こうした問題や課題は表面化してくる。問題や課題が内在し,表面化してくることは当然であり,それが自然な学級の姿である。しかし,ここで重要なことは,こうした問題や課題を発見し,その解決や改善に向けた生徒の自主的な取組みが行われているかということである。生活上の諸問題を自主的に解決しようとする取組みは,学級を生徒一人一人の社会的な自己実現を図る準拠集団へと育てていく学級づくりの重要な取組みとなる。

 しかし,近年の学校現場では,こうした学級づくりの取組みが行われていない現状がある。これは,大学における教員養成課程で学級経営や学級づくりを実践的に学ばせていないことと,団塊の世代の大量退職に伴う新規採用者の増大による年齢構成のアンバランスから先輩から学ぶ機会がなくなっていることに原因がある。

 そこで,本書は,実践経験の豊富な中堅教員とベテラン教員が,学級担任がしなければならない仕事を学校暦に応じて取り上げた。学級担任がしなければならない学級づくりの仕事として,@学級をスタートさせる仕事,A学期の終始と年度末の仕事,B学級の基盤をつくる仕事,C学級の問題や課題を解決・改善する仕事,D学級を充実・向上させる仕事の視点から精選して取り上げた。

 本書の活用に当たっては,学期毎にしなければならない仕事を確認していただき,学級の実態に即して適切な時期に,適切な仕事を取り上げていただきたい。また,本書を参考に学級の実態に応じて,担任教師の指導観や教育観に基づいた創意工夫をして実践していただきたい。本書の実践例をそのままを取り上げるのではなく,学級担任の人間性が滲み出る仕事にしていただきたい。

 学級担任の先生方が,本書を有効に活用いただいて学級担任がしなければならない学級づくりの仕事に取組み,保護者と生徒から学級担任として信頼される教師となる一助になればと願っている。この仕事を成し遂げていただき,生徒にとって自分の学級が素晴らしい学級となるように念じている。

 結びに当たり,本書刊行の趣旨にご理解をいただき,校務多忙な中,貴重なノウハウを提供いただいた執筆者の先生方,刊行に際しご尽力を賜った明治図書出版株式会社の安藤征宏氏をはじめ編集部の皆様に心から感謝を申し上げる。


  平成22年12月   編 者

著者紹介

桑原 憲一(くわはら けんいち)著書を検索»

東京学芸大学・独協大学・女子栄養大学非常勤講師

泰居 克明(たいい かつあき)著書を検索»

埼玉県加須市立加須東中学校長

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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