- はじめに
- T 校内支援体制を創る
- 一 西小学校の基本的な考え方と支援の方針
- 二 校内支援体制
- 支援体制の組織
- サポート委員会の運営
- 特別支援教育コーディネーターの役割
- 特別支援教育担当の役割
- ケース会議とチーム会議
- 校内支援体制を通しての支援例
- 校内研修の活用
- U 支援の具体例
- 一 達成感をもって意欲につなげる
- 授業のパターン化
- 一時間を振り返る
- 二 わかりやすく伝える@
- 〜目に見えるように〜
- 全校集会
- ○○運動
- 教室でのルール
- そうじ時間〜どこのそうじをしたらいいのかな〜
- 板書@〜見通しをもたせるために〜
- 板書A〜活動を把握させるために〜
- 板書B〜一時間の内容を振り返らせるために〜
- 身の回りの整頓〜目で見てわかるように(低学年)〜
- 運動会での取り組み@〜中学年〜
- 運動会での取り組みA〜高学年〜
- 三 わかりやすく伝えるA
- 〜見通しをもたせる〜
- 期間を通してのスケジュール〜運動会の成功を目指して頑張ろう〜
- 一日の流れ〜一日の流れを視覚的に伝える〜
- 学習の流れ
- 四 空白の時間をなくす
- 給食の時間〜システムを考える〜
- 掃除の時間
- 遊び時間の目〜子どもが失敗する時間を減らす〜
- 五 クールダウンの時間をとる
- 保健室の活用
- 「支援教室3」の活用
- 六 一人ひとりを大切にする
- サポートブックを作る
- サポートブックを活用する
- 「効いた一言」ボックス
- 朝学習〜みんなで頑張る雰囲気作り〜
- TT体制
- 学習環境〜支援学級での取り組み〜
- 席の配置〜支援しやすい席へ〜
- 通級指導教室の利用
- 七 保護者の思いを大切にする
- 教育相談室の活用
- 保護者とつながるために〜保護者の気持ちに寄りそう〜
- V 学級を創る
- つなぐ教育
- 一年生〜わかりやすく伝える〜
- 二年生〜みんなっていいな〜
- 三年生〜活躍できる場を創る〜
- 四年生〜活躍を認め合う〜
- 五年生〜子どもたち一人ひとりをつないでいくために〜
- 六年生〜思いやりとは何かを考えさせる〜
- 支援学級
- W 課題
- 引用文献・参考文献
- おわりに
- 職員紹介
はじめに
いよいよ特別支援教育がスタートした平成十九年度。「本校の取組を一冊の本にまとめてみよう。」と拙著の発刊にいたりました。「書くことは、物事を明確にする」ことであり、今われわれに何ができているか、そして今後何をやっていけばよいかを明らかにし、本校の歩みをより確実にすることができると考えてのことです。
さて、本校は昭和四十七年に岡山県北部地域における最初の通級指導教室が開設された学校であり、早くから「一人ひとりのニーズに応じた教育」を目標とし、取り組んできた伝統があります。
その伝統を活かし、数年前からは、「全児童を全職員で、本人や保護者の思いを大切にして」という基本方針のもと、「子どもたち一人ひとりが自尊感情をもち、豊かにいきいきと過ごす姿」を目標とし、特別支援教育を学校経営の中核に位置づけて努力を積み重ねてきました。
「校内体制」の項で詳しく記述しておりますが、職員一人ひとりを支える全校的な仕組みとして、通級指導教室の職員を活用した「校内サポート委員会」や「ケース会議」を実施してきました。これらの会をとおし、日々の多忙な教育活動のなかにあっても、もれなく早期に組織的な手を打つことが可能になりました。
さらに全職員で意識して取り組んだことは、職員間の連携です。このことを漢字一文字で表現すると「網」だといえます。すべての職員が、事あるごとに網のように緻密な情報交換を行い、息の合った連携プレーを発揮しています。教室・廊下・職員室等校舎のいたるところで、立ち話をする職員の姿がみられます。これがまさに子どもの問題点を見逃さず早期対応を実現していく、大きな原動力となっています。
さて、この本のなかには、各担任がそれぞれのもち場のなかで、一人ひとりの子どもへの適切な支援を考え、実践してきたことを具体的に紹介しています。オリジナリティーにあふれるものもありますし、ごく普通に行われているものもあるかもしれません。それは、本校の今そこにいる子どもにとって有効であったものの紹介であります。日々丁寧に子どもに対応していく職員集団。そして、その一つひとつの取り組みの成果が、各クラスの安定となって現れ、全体として落ち着いた学校生活を実現していると思います。
本校は、まだまだ多くの課題を抱えており、さらなる向上を目指し精進してまいりたいと思っております。読者の皆様の忌憚のないご意見をお待ちしています。
二〇〇七年 初秋 校長 /田渕 修子
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- 明治図書