特別支援教育の新展開4
自閉症にかかわるすべての人が理解すべきこと
支援・対応の基本ポイント48

特別支援教育の新展開4自閉症にかかわるすべての人が理解すべきこと支援・対応の基本ポイント48

好評2刷

確かな理解に基づく本物の自閉症教育のススメ

自閉症教育というのは、自閉症という障害をなくすことが目的ではない。障害を持ったままで学校・家庭・地域の生活そして職業生活に適応できるように、その能力や長所を生かす取り組みを積み重ねることで、障害もまた軽減される。確かな理解に基づく本物の支援のススメ。


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ISBN:
978-4-18-045716-8
ジャンル:
特別支援教育
刊行:
2刷
対象:
幼・小・中・高
仕様:
A5判 160頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2019年12月12日
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もくじ

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まえがき
第1章 これだけは理解しておいてほしい
―「障害理解」の10のポイント―
1 自閉症は情緒障害ではない
2 自ら閉じこもる障害ではない
3 彼らの言動は本当の言動ではない
4 意欲,主体性がないのではない
5 できる,分かる,見通しが立てば一生懸命できる
6 能力,強さを生かせば自立,社会参加,就労は可能である
7 コミュニケーションができないのではない
8 不適切行動はコミュニケーション行動である
9 発達の遅れよりも偏りに注目する
10 子どもの世界を理解することが障害理解の原点である
第2章 こういう子どもを育てよう
―実現すべき16の子ども像―
1 情緒の安定している子ども
2 生活に適応できる子ども
3 人が好きな子ども
4 思考の働く子ども
5 判断力を身につけている子ども
6 感謝の気持ちを表現できる子ども
7 働くことに喜びを感じる子ども
8 社会生活力を身につけている子ども
9 できることよりも分かることの多い子ども
10 させられるよりも自らする子ども
11 ソーシャルスキルを身につけている子ども
12 規則・ルールを守る子ども
13 職場で通用する子ども
14 コミュニケーション・マインドが育っている子ども
15 自分の役割を果たし,集団に適応できている子ども
16 家事手伝い(家事労働)のできる子ども
第3章 指導者が持つべき教育姿勢・方針
―目指すべき12の専門性―
1 人生の質の向上
2 将来を見通して今を考える
3 一貫性と継続性を重視する
4 先入観を持たない
5 学習と活動を連動させる学習計画を立てる
6 親と教師,教師同士の連携を重視する
7 基本行動の定着を最優先する
8 信頼関係を築く
9 実際体験を重視する
10 職業スキルよりも生活意欲,働く意欲を育てる
11 子どもの願いに応じる対応を考える
12 持っている能力で貢献できるようにする
第4章 子どもが確実に伸びる基本支援・対応
―押さえたい10のポイント―
1 対症療法的対応でなく原因療法的対応をおこなう
2 思いつきの支援・対応はしない
3 心の動き,目の動きに注目する
4 強さを生かし,弱さをカバーする
5 分かる体験,伝わる体験を積み重ねる
6 「1人でできる」「正確にできる」を重視する
7 不適切行動を減らすよりも適切行動を増やす
8 独自性が発揮できる支援・対応を考える
9 本物を見せ,聞かせ,触れさせ,本気で対応する
10 当たり前のことを当たり前に身につける

まえがき

 今では100人に1人はいるのではないかと言われている自閉症ですが,いまだに確立された教育・指導法はなく,試行錯誤の状態が続いています。知的障害特別支援学校では,児童・生徒の半数近くが自閉症で占められ,その支援・対応に苦慮しているという話をよく聞きます。これは特別支援学級においても同様です。最近では通常学級においても自閉症の子どもの在籍していることが少なくなく,どう指導したらよいか,どうかかかわればよいかが分からない,と訴える担任も増えています。実際に自閉症の子どもを育てている保護者においては,さらに悩みが深く,さまざまな不適切行動にどう支援・対応すればよいのか,どうすれば子どもが成長・発達するのか分からず,将来への見通しも立たないまま,不安な日々を送っている人も多いようです。

 本書は,こうした自閉症の人にかかわる人たちの悩みに応えるとともに,自閉症の人たちを確実に成長・発達させるためには,自閉症という障害の何をどう理解し,どういう教育姿勢・方針でどんな指導・支援を行い,どのように子育てをすればよいのかを,40年あまり彼らにかかわってきた筆者の実践体験を基に,分かりやすくポイントを絞ってまとめたものです。

 第1章では,「これだけは理解しておいてほしい―「障害理解」の10のポイント―」として,彼らにかかわる指導者として,指導する上で最低知っておかなければならない重要な自閉症の特性と障害の理解を,10項目ピックアップして解説しました。

 第2章では,「こういう子どもを育てよう―実現すべき16の子ども像―」として,指導者が見通しと目標を持って指導に当たれるように,ぜひ実現してほしい,実現しなければならない16の子ども像を示し,それがなぜ重要であるかを解説しました。

 第3章では,「指導者が持つべき教育姿勢・方針―目指すべき12の専門性―」として,彼らにかかわるためには,指導者としてどういう専門性が求められているのか,どういう教育姿勢・方針をもって彼らにかかわらなければならないのかを明確にしながら,指導者の専門性の向上を図ることに焦点を当ててまとめました。

 第4章は,「子どもが確実に伸びる基本支援・対応―押さえたい10のポイント―」として,子どもが伸びる支援・対応,伸びない支援・対応の具体例を示しながら,指導者にぜひ取り入れ実践してほしい基本支援・対応法をまとめました。

 筆者はこの40年間,多くの自閉症の人たちを職場に送り出してきました。彼らを就職させることについては「そんなに無理をすることはないのではないか」という批判も受けたことがありますが,実際に職業生活を送り,豊かな,質の高い暮らしを実現している彼らを見ていると,むしろ,何としてでも彼らを職場で働くことができるようにすべきであるという思いは,以前に増して一層強くなっています。彼らの豊かな人生を保障できるのは,教育をおいて他にはありません。教育の質を上げ,いかに充実するかが,今こそ指導者に求められている,と感じています。

 本書で筆者が一貫して示したかったのは,多くの自閉症の人たちの自立,社会参加,就労を実現することです。地域で暮らし,働くという人間としての当たり前の生活を現実したいという願いです。本書を通して,彼らの豊かな人生の実現に向けた取り組みが,多くの人によって確実に積み重ねられ,彼らの将来が生きがいのある,充実したものになることを,心から願っています。本書がその一助となればこの上ない喜びです。


  2010年9月   著者 /上岡 一世

著者紹介

上岡 一世(うえおか かずとし)著書を検索»

1946年,高知県生まれ。 高知大学教育学部卒。鳴門教育大学大学院修了。

高知大学教育学部附属中学校教諭(特殊学級),愛媛大学教育学部附属養護学校教諭,愛媛大学教育学部助教授を経て,現在愛媛大学教育学部教授,愛媛大学教育学部附属特別支援学校校長。専門は特別支援教育。 主に自閉症の人の自立や社会参加について研究している。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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