新国語科の具体化 なぜ「言語活動の充実」なのか
―どのように「思考力・判断力・表現力等」を育成するか―

新国語科の具体化 なぜ「言語活動の充実」なのか―どのように「思考力・判断力・表現力等」を育成するか―

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言語活動は単なる活動ではない!骨太の新国語科授業論。

新国語科の本質的役割を明らかにするため、@思考力・判断力・表現力等の育成、Aそのための本時の学習指導案づくりを示す、B全国学力調査の結果から国語科授業のどこを改善すべきか、C国語学力向上のための学校教育のどこを再構築すべきか等、提案。


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ISBN:
978-4-18-040528-2
ジャンル:
国語
刊行:
2刷
対象:
小・中
仕様:
A5判 228頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

はじめに――新国語科の本質的役割とは
第一章 新国語科の役割と「思考力・判断力・表現力等の育成」
第一節 どこから「思考力・判断力・表現力等」は誕生したのか
第二節 単独で=u思考力・判断力・表現力等」を育成するのか
第三節 誰が責任者なのか=A誰が「学力低下問題」のストッパー≠ネのか
第四節 改訂国語科の長所と短所
――改訂学習指導要領の本当のねらい=\―
第五節 戦後学校教育を鳥瞰(バードビュウ)する
――経済優先の教育観と孤立した学校教育――
第二章 思考力・判断力・表現力等の育成と「本時の学習指導案」
第一節 思考力・判断力・表現力等を育成する「本時の学習指導案」(1)
――国語科の二重≠フ授業改善――
第二節 思考力・判断力・表現力等を育成する「本時の学習指導案」(2)
――「算数」と連携する授業改善――
第三節 思考力・判断力・表現力等を育成する「本時の学習指導案」(3)
――「理科」と連携する授業改善――
第四節 思考力・判断力・表現力等を育成する「本時の学習指導案」(4)
――「A話すこと・聞くこと」を拠点とする授業改善(一)――
第五節 思考力・判断力・表現力等を育成する「本時の学習指導案」(5)
――「A話すこと・聞くこと」を拠点とする授業改善(二)――
第六節 思考力・判断力・表現力等を育成する「本時の学習指導案」(6)
――「B書くこと」を拠点とする授業改善(一)――
第七節 思考力・判断力・表現力等を育成する「本時の学習指導案」(7)
――「B書くこと」を拠点とする授業改善(二)――
第八節 思考力・判断力・表現力等を育成する「本時の学習指導案」(8)
――「C読むこと」を拠点とする授業改善(一)――
第九節 思考力・判断力・表現力等を育成する「本時の学習指導案」(9)
――「C読むこと」を拠点とする授業改善(二)――
第三章 「全国学力調査問題」と国語科授業改善
第一節 思考力・判断力・表現力等の育成を推進する
――新学習指導要領の基本的性格とは――
第二節 漢字指導の授業改善
――「平成20年度全国学力・学習状況調査」問題A1、A2――
第三節 「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」
――「平成20年度全国学力・学習状況調査」問題A2――
第四節 学習意欲の向上や学習習慣の確立
――「平成20年度全国学力・学習状況調査」問題A3、A4――
第五節 「保護者」「地域社会」との連携を推進
――「平成20年度全国学力・学習状況調査」問題A5、A6、A7――
第六節 全国学力調査と踊る「学力順位」
――「平成20年度全国学力・学習状況調査」問題A8、A9、B1、B2――
第七節 「言語活動例」は全国学力調査に対応しているか
――「平成20年度全国学力・学習状況調査」問題B2 ――
第八節 「気持ち国語」から「考える国語」へ
――「平成20年度全国学力・学習状況調査」問題B2 ――
第九節 説明的文章教材でPISA型読解力を育成する
――「平成20年度全国学力・学習状況調査」問題B3――
第十節 「B書くこと」の問題点とは
――「平成20年度全国学力・学習状況調査」問題B4――
第十一節 子供の「言語生活」と乖離する「平成21年度調査問題」
――「平成21年度全国学力・学習状況調査」問題B1、B2――
第十二節 「平成19、20、21年度調査問題」と「授業改善」
第四章 国語学力向上の方策と学校教育の再構築
第一節 「本時の学習指導案」の改善
――「PLAN―DO―CHECK―ACTION」を位置付ける――
第二節 なぜ、学校教育と保護者とは教育的連携を図るのか
――“YES WE CAN”へ転換する――
第三節 基盤教科としての「PISA型読解力」
――「学力向上」のための記述力――
第四節 教育再生は「改訂学習指導要領」と「第2の学習指導要領」とで推進する
第五節 改正教育基本法を基盤とする国語科授業の具体化
――学習指導要領・国語と「第2、3の学習指導要領」――
第六節 「伝統と文化」の教育の可能性を考える
――それは「国語の特質」との連携を図ること――
おわりに

はじめに――新国語科の本質的役割とは

 本著をまとめた課題意識は、次のようである。

 一つは、新国語科を具体化するために「改正教育基本法」及び「学校教育法の一部改正」の関係≠明確に取り出す必要がある。

 つまり、従来の国語科だけの情報の取り出し、解釈、熟考・評価だけでは、新国語科の全体像は把握できないのである。

 二つは、なぜ「言語活動の充実」なのか。新学習指導要領における国語科の本質的な役割を把握する必要がある。それは、算数や理科等の連携を図りながら新国語科の独自な役割を具体化することである。因みに、これらの課題を追究する必然性を、例えば、「新学習指導要領 国語科の長所・短所」(「教育科学・国語教育」二〇〇八年六月号臨時増刊、694、明治図書)から読み取りたいものである。


 そこで、本著は、次の三つの課題を設定して、平成20年度版・学習指導要領・新国語科の具体化−国語科授業論を展開する。


 課題の一。

 @ なぜ、新国語科は、「思考力・判断力・表現力等」を育成するのか。

 A なぜ、現行の〔言語事項〕が〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕へ改称されたのか。

 B なぜ、現行の「3 内容の取扱い」の「言語活動例」は、「2 内容(2)」へ格上げされたのか。

 これらを、「第一章 新国語科の役割と『思考力・判断力・表現力等の育成』」として論究する。

 課題の二。

 @ 「思考力・判断力・表現力等の育成」は、国語科だけの課題なのか。

 A 「言語活動の充実」と「理数教育の充実」とは、どのように連携を図るのか。

 B 「思考力・判断力・表現力等の育成」をするために、〔A 話すこと・聞くこと〕、〔B 書くこと〕及び〔C 読むこと〕の「本時の学習指導案」のどこを・どのように改善するのか。

 これらを、「第二章 思考力・判断力・表現力等の育成と『本時の学習指導案』」として論究する。

 課題の三。

 @ 平成20年度の「全国学力調査A問題」から、国語科授業のなにを・どのように改善するのか。 

 A 平成20年度の「全国学力調査B問題」から、国語科授業のなにを・どのように改善するのか。 

 B 「思考力・判断力・表現力等の育成」のために、従来の「気持ち国語」から「考える国語」「表現する国語」へ、どのように転換するのか。

 これらを、「第三章 『全国学力調査問題』と国語科授業改善」として論究する。

 課題四。

 @ 新国語科は、「子の教育について第一義的責任を有する」「保護者」と、なにを・どのように連携するのか。

 A 学校教育は「思考力・判断力・表現力等の育成」(新学習指導要領)を実現するために、「第2、第3の学習指導要領」を視野に入れるべきではないか。

 これらを、「第四章 国語学力向上の方策と学校教育の再構築」として論究する。


 最後に、本著の出版に際しては、明治図書の江部満編集長から二〇〇八年度及び二〇〇九年度の「教育科学・国語教育」の連載講座を執筆する好機会を与えられ、さらに単著としてまとめるよう機会あるごとに身に余る励ましを頂いた。記して、深謝の意を表したい。


  平成二三年一月二〇日   /小森 茂

著者紹介

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青山学院大学教育人間科学部教授

◇1949年,栃木県生まれ。

新潟大学教育学部卒業,広島大学大学院博士課程(国語科教育学専攻)。高知大学助教授,鳴門教育大学助教授,文部省教科調査官を経て,現在,青山学院大学教授。

◇大正期から昭和期における,児童中心主義の自主的自由教育や「独自学習から相互学習」等の教育改造運動の研究者。主に,当時一斉指導の諸問題を克服し,児童の側に立つ学習指導を展開した奈良女子高師附小学校・国語科の実践(山路兵一,秋田喜三郎,河野伊三郎等)を考察中。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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