- 監修の言葉
- はじめに
- 1章 クラス会議ってこんなもの!
- (1)クラス会議とは?
- (2)「クラス会議」の準備はシンプル!
- @時間設定(毎日10〜30分)
- Aトーキングスティック
- B議題箱
- C議題を書く紙
- (3)「クラス会議」の実際の進め方
- @「輪になる」
- A「ありがとうみつけ」
- B「議題の話し合い」
- 2章 学年別「クラス会議」の“コツ”!
- (1)低学年の発達段階とクラス会議の特徴
- @「クラス会議」導入のコツ!
- A「輪になる」時のコツ!
- 導入では楽しい雰囲気を大切に!
- 小さなステップで子どもたちを認める!
- たくさんの肯定的な介入を!
- B「ありがとうみつけ」のコツ!
- すかさずポジティブシャワーを!
- 楽しく気づかせる言葉かけを!
- バリエーションはシンプルに!
- C「議題の話し合い」のコツ!
- アイデアが出すぎる時は選択肢を!
- 議題が書けない時はサポートを!
- “どうしたいか”をはっきりさせる
- A低学年の子どもたちの議題
- (2)中学年の発達段階とクラス会議の特徴
- @「クラス会議」導入のコツ!
- A「輪になる」時のコツ!
- ゲーム的な要素を取り入れ楽しい雰囲気を大切に!
- 友達とのかかわりを促す,認める声かけを!
- 子どもたちのつぶやきやアイデアを大切に!!
- B「ありがとうみつけ」のコツ!
- サイコロなどでゲーム的要素を入れる!!
- あえて声をかけない。見守る姿勢も時には必要
- バリエーションをいろいろ取り入れる!
- C「議題の話し合い」のコツ!
- ふざけているような意見も歓迎する!
- 議題が多すぎてもOK!
- だんだんと子どもたちの手にゆだねていく
- A中学年の子どもたちの議題
- (3)高学年の発達段階とクラス会議の特徴
- @「クラス会議」導入のコツ!
- A「輪になる」時のコツ!
- 求めるのは“安心・安全”! 座る場所に配慮!
- 困っていることは,キャッチで相談!
- ほめたいことを……こっそり“ありがとう”
- B「ありがとうみつけ」のコツ!
- 初めに“パスが多い”ことは気にしない!!
- 教師からは常に“ありがとう!”のシャワーを!
- 委員会やクラブなどは,見えるところに掲示しておく!
- C「議題の話し合い」のコツ!
- できるだけ早く子どもたちに司会を任せる!!
- 議題が出ない時はちょっとした工夫を!
- 静かな雰囲気も楽しんで!
- A高学年の子どもたちの議題
- 3章 子どもたちの姿から学ぶ“クラス会議に使える考え方”
- (1)“誰”の問題で,どんな“ニーズ”があるかをはっきりさせる!
- (2)楽しく“共通理解”! たくさんの「アタリマエ」を作る!
- (3)解決は無限大!「原因」ではなく「解決」に目を向ける!
- (4)“もめごと”で「枠」や「スキル」を学ぶ!
- 4章 「クラス会議」で使えるアクティビティ集
- (1)低学年にオススメのアクティビティ!
- @めざせ!ライオンさん!(声のものさし)
- Aオニプンマン・ニコニコマン・シクシクマン(アサーション)
- Bタイマー持って,ちょっとだけ「タイム!」
- (2)中学年にオススメのアクティビティ!
- @使える!Tチャート!!(ブリーフセラピーの考え方を添えて)
- Aまほうのやくそく(共通理解的解決法)
- B解決のホイール(解決策集めワーク)
- (3)高学年にオススメのアクティビティ!
- @物を壊した時は……(責任を取る)
- A元に戻るための3つのコツ(回復の3つのR)
- Bいい“解決”のアイデアの4つのチェックポイント(解決の4つのR)
- C「まちがったやり方」
- おわりに
- 参考文献
監修の言葉
私は,この本を全国の学級担任の先生に,ぜひ手にとってほしいと願っています。それは,「クラス会議」こそ,学級を変え,学校を変え,子どもたち自身が変わっていく「最強の方法」だからです。これが多くの先生方の実践を見聞きしてきた私の実感です。「クラス会議」の特徴は
@誰にでもできる
A短時間でできる
B特別な研修を受ける必要がない
C毎日できる(毎日くり返すことで,子どもたちが,一時的にでなく,本当に変わっていく)
Dどの学年でも(小学校でも,中学校でも,高校でも)できる
Eアドラー心理学という強固な理論的支柱をもっている
ところにあります。クラス会議こそ,教師の手によって,学校を変え,学級を変えていく「革命的な方法」だと私は思っています。
なぜか。
私はその最大の理由は,「クラス会議」という手法のシンプルさにあると考えています。
@毎日,10分〜30分の時間をとる
A全員で輪になる
B「ありがとうみつけ」をする(トーキングスティックを持った子が,隣の子に伝えていく)
C議題を読み,その場面をロールプレイする
Dトーキングスティックを回しながら,解決のアイデアを出す(批判はしない。原因追究はしない,犯人さがしもしない。「解決策」のみを話し合う)
E議題を出した子が,自分が望む解決策を選ぶ
Fその解決策をロールプレイする
G議題を出した子が,解決策を出した子にお礼を言う
これだけです。
「少し難しそうだな」と思われる先生もいるかもしれません。
しかし,本書を読めばわかりますが,小学校低学年の子どもでも,くり返し行っていればすぐにできるようになります。
そればかりではありません。
「クラス会議」を毎日くり返すことで,@「まっすぐに座る姿勢」が身につき,A「他の子の話を最後まで聞く力」が育っていき,Bクラスで問題が生じた時,誰かを「犯人」にして責めるのでなく,「前向きな解決策」を見つけていく姿勢が自然と身についてきます。
毎日,くり返し行っていくと,子どもたちは自然と学習の基本的態度や他者に肯定的にかかわっていく姿勢を身につけていきます。
大切なことは,毎日くり返し,行っていくことです。
これが「クラス会議」のもっとも大切なポイントです。毎日くり返し行うことで,クラスが,子どもたちが,学校が(一時的な見かけだけの変化ではなく)本当に,変わっていくのです。
だからこそ,この方法が若い教師たちの間で広まっていったのです。
「クラス会議」が若手,ベテランを問わず,全国の先生方の間に広まっていくことを心から願っています。
それは,この方法が一定の手順にしたがって毎日行っていれば,子どもたちを本当に,かつ,確実に変えることのできるシステマティックな方法だからです!
明治大学文学部教授 /諸富 祥彦
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- 明治図書