総合的学習の研究3中学校・選択と総合的学習の新展開

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理論編では、カリキュラム改革の動向と課題を明らかにし実践編ではインターネットの活用から福祉・環境・国際理解・クロスカリキュラム等収録。


復刊時予価: 3,014円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-022911-0
ジャンル:
総合的な学習
刊行:
5刷
対象:
中学校
仕様:
A5判 224頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第
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目次

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まえがき
はしがき
T 中学校カリキュラム改革の動向と課題
/吉崎 静夫
1 中学校カリキュラム改革の動向
2 中学校カリキュラム改革の課題
U カリキュラム開発のモデルケース
〜滋賀大学教育学部附属中学校総合的学習の15年〜 /木原 俊行
1 はじめに
2 びわ湖学習誕生秘話
3 びわ湖学習からBIWAKO TAIME
4 総合的学習カリキュラムの開発と運営をささえるもの
V 総合的学習における新しい情報教育の構想
/田中 博之
1 新しい情報教育の方向
2 総合的な学習における学習技能の育成
3 マルチメディアプロジェクトとしての総合的学習
4 イギリスの実践事例に学ぶ
W インターネットを中学校でどう活かすか
/黒田 卓
1 インターネットの教育利用の動向
2 インターネット環境と活用の方向性
3 インターネット利用に伴うさまざまな問題
4 総合学習におけるインターネット利用
5 インターネット活用に向けて
X ドイツの中等教育から学ぶものは
/黒上 晴夫
1 はじめに
2 ドイツの学校制度―初等教育から中等教育へ
3 ドイツの学校の授業科目
4 日本の教育へ向けて
Y 学校経営システムの変革
学校を開いていくことへの経営課題 /佐古 秀一
1 教育改革と学校組織
2 学校をソトに開いていくための組織と経営
3 開かれた学校を支える校内組織の整備と経営
T 個性を生かす選択教科のカリキュラムと異教科TT
/立川市立立川第一中学校
はじめに
1 選択教科のとらえ方
2 選択教科運営の概要
3 学習の流れ
4 学習環境の整備とTT
U 総合的学習におけるインターネットの活用
/前橋市立第四中学校
1 なぜ総合的学習なのか
2 総合的学習の位置づけとカリキュラム
3 総合的学習におけるインターネット活用の実践例
4 成果と課題
V インターネットを利用した酸性雨の遠隔共同学習
/広島大学附属福山中・高等学校
1 インターネットを利用した酸性雨調査の概要
2 酸性雨調査の意義
3 酸性雨調査プロジェクトの構築
4 調査の方法とデータの送信
5 公開されているデータベースの内容
6 イオンクロマトグラフによる、雨水のイオンの分析
7 学校での取り組みの例―広島大学附属福山中学校の場合
8 平成9年3月までのプロジェクトの全体的な評価
W 福祉・環境・国際理解の総合学習と教育課程の編成
/島根大学教育学部附属中学校
1 はじめに
2 本校の総合学習の歩み
3 本校の総合学習の実践と特色
4 これまでの成果と今後の展望
X 異教科組み合わせの選択学習とティーム・ティーチング
/香川大学教育学部附属坂出中学校
1 横断的選択学習の実践への前提(弾力的学習環境としてのモジュール学習)
2 本校の「異教科組合わせ選択学習」の実施時間数と時期(年間カリキュラム)
3 本校の目指すカリキュラムの全体像
4 本校の教科カリキュラムの構造
5 異教科組合せの選択学習としての「合科型自由学習」の実践の経緯
6 合科型自由学習(異教科組み合せの選択学習)の最近の実践例
Y クロスカリキュラムによる環境教育
/上越教育大学学校教育学部附属中学校
1 はじめに
2 研究内容及び方法
3 総合的学習の具体的な実践事例
4 終わりに
Z 生きる力を育む防災教育
/神戸市須磨区東落合中学校
1 神戸市の防災教育
2 教科別年間指導計画(各教科の防災教育関連の教材例)
3 「主題」のねらいと防災教育に位置づける教科等
4 防災教育の主題別関連表(24の「主題;と各教科の防災教育関連の教材例)5 実践例
6 今後の課題
[ 横浜市のクロスカリキュラムの実践例
/横浜市立小田中学校
1 はじめに
2 横断的・総合的学習とクロスカリキュラム
3 横断的・総合的学習と国語科の特質
4 教科間クロスカリキュラム実践例(国語科と美術科の関連を生かす)
5 教育課題を中心としたクロスカリキュラムの実践例(国際理解教育)
6 生徒の学びの視点に立って
\ 「生きる力」を育む選択教科・「総合的学習」の創出
/信州大学教育学部附属長野中学校
1 選択教科学習の充実
2 選択理科「環境科学講座」授業実践例
3 「総合的学習」へのアプローチ
] 生きる力を育成する未来総合科の構想と実践
/鳴門教育大学学校教育学部附属中学校
1 未来総合科の目標
2 未来総合科の学習内容
3 未来総合科の学習区分
4 未来総合科の授業時数・週時程
5 未来総合科を担当する教師
6 未来総合科のカリキュラム
7 領域総合学習「徳島の未来について考えよう―徳島独立計画―」の授業
まとめ1 実践研究のまとめと考察 /木原 俊行
1 中学校カリキュラム改革の潮流
2 選択教科の学習における授業システムの改造
3 クロスカリキュラムの登場
4 総合的学習のための教材開発とカリキュラム構成
5 今後の課題〜学校改革としての位置づけを
まとめ2 中学校 選択と総合的学習の新展開 /水越 敏行
1 「教科を考える」中学校の体質改善を
2 地域の特性を生かした体験学習
3 協力教授システムの拡張・充実による授業改造

まえがき

 教育界の動きが速い。本書の原稿の第一次素案を書いたのが,第16期中央教育審議会の第二次答申が出た直後であった。その後に「総合的な学習」(仮称)や情報教育などの論議や実践が,一気に加速してきた。教育課程審議会は「教育課程の基準の改善の基本方向について」中間まとめを1997(平成9)年11月に出してきた。これによって環境教育,情報教育,国際理解教育,福祉教育などを主な柱にする総合的学習の輪郭が,はっきりしてきた。生活科を受けて,小学校3年生から高校に至るまで,年間に70から100時間以上を当てるという時間配当と相まって,教育界に新しい衝撃を与えている。講演会,シンポジウム,実践公開等が,立て続けに各地で開かれている。

 さらに「情報教育の推進等に関する調査研究協力者会議」の第一次報告書も相前後して出された。これによってマルチメディアやインターネットの教育利用への方向性が出てきた。中学校の情報基礎の必修,情報応用の選択,そして高校には情報科の新設〜必修化といった動きが,これまた教育界に衝撃を与えている。

 こういう時に原稿をまとめるのは,まことにつらい。初稿に次いで,第2次,第3次の追加や書き換えを編集部にお願いしたが,それでもなおゲラには新しい書き込みや,削除を余儀なくされた。論文や著書を書き出して30年あまりになるが,こんな経験は,まさに初めてのことである。編集部には迷惑と知りつつも,可能な限り新しい情報と,実践事例を盛り込まないと,読者に申し訳ないと思い,あえて追加や書き換えをお願いした次第である。

 さて最初は私の単著を1冊だけを世に問うつもりであった。しかし江部満・樋口雅子という長年のコンビから,小学校編,中学校編と合わせて,3分冊で出すようにしてはどうか,とのお勧めを頂き,急遽その方向に切り替えることにした。小学校編は村川雅弘,中学校編は木原俊行という当節の若手のホープに,編集をお願いした。そして理論編の執筆に当たられる研究者には,大阪で宿泊研修をお願いし,3分冊の構想をねり,かつ実践事例をお願いする学校を検討しあった。しかしこの面々もまた,前記したような教育界の激しい,急激な波に揺さぶられ,苦労を重ねられたことであろう。

 しかしながら動きが急速なのは,教育界だけではなく,社会全体が激しく動き,変化しているのである。しかも「不易と流行」という鉄則は,いぜんとして生きている。変わり行くものだけに目をとられるのでなく,変わらないもの,変えてはならないものをもしっかりと見据えていかねばなるまい。まして総合的学習については,「この道はいつか来た道」なのである。何が繰り返しで,何が変化したのか。どんな学力がそこで要求されてくるのか。こうしたことを実践をくぐる中で,確かめて行かねばなるまい。

 本書と他の2分冊を世に問うために,何度も執筆者が会合を持ち,学校現場を訪問して事例を検討しあってきた。そのための資金として,松下視聴覚教育研究財団から助成金を頂けたことが,大きなはずみになった。厚く御礼を申し上げる。3分冊の出版を快諾していただいた明治図書にも,重ねて感謝の意を捧げたい。

 読者の皆さまの厳しいご批判とご教示を頂き,私たちの足りない点を反省し,修正していきたい。そしてこの先の新しいカリキュラム改革,情報教育の指針を編み出すことにもつなげていきたい。


  1998(平成10)年春   /水越 敏行

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      明治図書

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