- まえがき
- T 日記指導は学級経営の大黒柱である
- □荒れを鎮め、整え、大きく向上させた指導はこれだ
- 1 学級(学年)の「荒れ」に出会った時
- 2 春休み、教師の仕事
- 3 出会いのその日から毎日為すべきこと
- 4 日記と学級通信の連動で生まれた巨大なドラマ
- U 日記と学級通信は指名なし討論の必要条件である
- 1 討論を支える日記指導と学級通信指導
- 2 向山洋一氏の日記指導実践を追試する
- 3 長々と意見を書いてくる熱気
- 4 中学一年七月、三カ月指導した子どもたちの日記
- V 日記と学級通信とが子どもを激変させた子どもの事実で示す指導の奇蹟
- 1 入学後一年、ある女子の変容
- 2 変容のボタンを見極めよ
- W 日記指導から生まれた子どもの事実
- 1 小学校編 日記が子どもを変える
- 1 趣意説明をする
- 2 よい日記をクラス全体に浸透させるポイント3
- 3 日記で子どもと心を繋ぐ
- 4 文章の質が向上する
- 2 中学校編@ 日記によって仲間との交流を意図的に増やす
- 1 衝撃を受けた日記
- 2 日記指導で大事なこと
- 3 子どもの変容
- 4 教師が題材を与える
- 5 日記はあくまでも補助である
- 3 中学校編A 子どもの意識を変える日記指導
- 1 目指す生徒の姿
- 2 周囲を見る目を身につける
- 3 意識が行動に繋がる
- 4 子どもの文章から見える、日々の教師の姿
- 5 心のレベルを上げる
- X ここを押さえれば効果倍増 日記指導のターニングポイント
- 1 提出率が激減した時の対策
- 1 長谷川氏の実践
- 2 私の実践
- 3 システムをつくる
- 4 褒めて、褒めて、褒めまくる
- 5 個別評定をする
- 2 長い文章を書かせるには、教師が幾つも手立てを持っていることが必要である
- 1 「長く書く」実践
- 2 長く書かせるための手立てを教師が持つ@ コラムの視写
- 3 長く書かせるための手立てを教師が持つA モデルを示す
- 4 課題を与える
- 3 日記に「疲れた」「何もない」と書いてくる生徒にどう対応するか?
- 1 「疲れた」と書いてくる生徒に対して
- 2 「何もない」と書いてくる生徒に対して
- 3 日記指導上、参考にした実践
- 4 私のクラスの事例
- 5 教師があきらめないこと
- 4 「日記に何の意味があるんですか」と聞かれた! どうする? 日記の意味を言葉で語り子どもの事実からも語る
- 1 「なぜ書くのか」を言わせない指導をする
- 2 日記を習慣化させるために必要なこと
- 3 失敗した方法
- 4 日記指導以前の問題がたくさんある
- Y 実録 長谷川の学級通信 「日常」がそのまま最高─子どもの姿を活写しよう
- Z この学級通信で学級が高まった!! 公開 私の学級通信
- 1 教師の学びが子どもの幸せを生み出す
- 1 崩壊からの出発
- 2 長谷川氏の実践を小学校に
- 3 子ども、保護者の言葉が評価に
- 2 中学校編@ 憧れの学級通信に近づくための第一歩
- 1 憧れの学級通信
- 2 憧れだけで突っ走る
- 3 話したことを学級通信に書く
- 4 繰り返すことの効果
- 5 学級通信を活用する
- 3 中学校編A 学級通信を子どもとの交流の場とする
- 1 目標とする学級通信との出会い
- 2 描写して、褒める
- 3 学級の問題点を掲載する
- 4 通信を「交流の場」とする
- [ 親も子どもも喜ぶ学級通信 書き方のポイント
- 1 子どもを褒める学級通信 高校生でも「褒める」で生徒は変容する
- 1 部室に入れなかったA君
- 2 褒める学級通信のポイント
- 3 通信でA君を褒める
- 2 親の心を動かす学級通信 保護者が圧倒的に支持する長谷川学級通信のポイント
- 1 生徒の活躍を描写する
- 2 媚びない
- 3 家庭にとって有益な情報を載せる
- 3 子ども同士の対話が生まれる学級通信 学級通信が子どもの対話力を高める
- 1 長谷川学級ではなぜ学級通信で対話が生まれるか
- 2 対話を生み出すために教師がすべきこと
- 3 行事の前は対話を生み出す絶好の機会
- 4 日常生活でも対話が生まれた
- \ 長谷川氏の学級通信集から分析する 心が震える学級通信のポイント
- 1 一学期 黄金の三日間と学級通信 長谷川氏の学級通信にあったのは、「ぶれることのない教育観」だった
- 1 黄金の三日間
- 2 所信表明
- 3 所信表明が骨太だから生きてくる、学級経営の「パーツ」
- 4 学級目標は所信表明具現化のための下位目標
- 2 行事で押さえたい 学級通信の二つのポイント
- 1 学級通信からも盛り上げる行事
- 2 ポイント@ 行事の意味を何度も伝える
- 3 ポイントA 生徒の努力を載せる
- 3 三学期 卒業、解散と学級通信 解散期の学級通信は、次のステップへの布石だった
- 1 長谷川学級の目的
- 2 布石
- 3 子どもの声
- ] 価値ある日記・学級通信を生み出すためのQ&A
まえがき
日記と学級通信を連動させる
少ない年で四百号余り、多い年では七百号余りの学級通信を書き散らしてきた。学級通信の発行は私の学級経営の大黒柱である。
通信には学級生活の描写や授業の記録の他、子どもたちの文章も多く掲載している。子どもたちの文章とは、主に日記の文章である。
子どもたちは日々感じること、考えることを日記に綴る。授業の感想から始まり、部活動の悩み、友人への励まし、誰々のように頑張るという決意、全員参加で学級をつくっていこうという呼びかけ等である。
それらを通信に載せる。すると翌日の日記には感想がズラリと綴られている。それを通信に載せる。その翌日はまた……。
一人ひとりが「考え」を学級通信上で交流するのである。
その中には無論、担任である私も含まれる。また、保護者も含まれる。
子どもだけでなく、大人たちが真剣に綴った文章もまた、通信には多々掲載されるのである。
それぞれの人間の、その時々の真剣な思考が記録されている。時には学級や、個人の問題点までもが赤裸々に語られる。だからこそ読む価値がある。
毎日帰りの会で集配当番が通信を配付する。直後、教室は静けさの中紙をめくる音だけが聞こえる空間と化す。
翌朝提出される日記には、通信の記事への共感、励まし、質問、異議等が綴られる。
このサイクルで、一年間、個を伸ばし、学級集団をつくっていくのである。
「一生の宝物」と評される通信をつくる
私がまだ二十代前半だったある年の十一月。入学当初から欠席がちであった女子が学級委員に立候補した。「自分を変えたい」とスピーチして、である。
彼女が学級委員に決まった瞬間、級友から大きな拍手がわいた。勇気を出して一歩を踏み出した彼女へのエールだった。その日の日記には、彼女への励ましと助言が山と綴られた。
彼女は二学期末にこう書いた。
◆明日の「学年集会」での「二学期をふりかえって」を書こうと思ったので、「挑」を読みなおした。たくさんのことがあって、ありすぎてとても一枚の、たった四百字づめの紙には書けない気がした。
読み終わったあと、涙がでそうになった。
それは、思い出し泣きとか、文に感動したりとか、この学級にいることの喜びとか、あと二カ月ちょいぐらいしかこのクラスにいられないさびしさ、悲しさとか全部がまざったものだと思う。
「挑」はクラスの良いところ、悪いところすべてを映す鏡みたいだ。しかもみんなの意見が、色々な面から見た形でのっているから、まるで文面の中でクラスについての話し合いをしているようで、見ているだけですごく考えることができる。
毎日「挑」を出している先生はすごいと思う。他の先生も言っていた。
そして、毎日日記を書いているみんなもすごい。
こんなすごいことをやってのけてる人達のクラスにいて私はとても幸せだ。だけど、「私だけ何やってんだ……」って気持ちにもなる。
冬休みにいっぱい、いっぱい勉強して三学期はクラスに恥じないような人間になっているよう今からでも自分を高めていきたい。
彼女の欠席は、ほとんどなくなっていた。
彼らが学級で過ごす時間も残り三カ月となっていた当時、日記上でよく見る言葉があった。
通信は一生の宝物
「先生、息子は通信を大切にしまっていて、時々出してきて見ているんですよ」。やんちゃな男子の母親は言った。
「娘が嫁に行く時に持って行ってしまうから、私たち親の分ももう一セットください!」と訴えてきた保護者もいた。
その反応は、三十代になった今も変わらない。学校が変わり、子どもが変わっても、反応は同様なのである。
行事連絡や持ち物連絡、イラスト、時候の挨拶、当たり障りのない言葉。そんなとおりいっぺんの学級通信ならば、こうはならないはずだ。
子どもたちが支え合い励まし合い、時には本気で議論した日々の事実と、教師の隠し立てのない本音と、そして互いの真剣な心の交流とが刻まれているから、「宝物」となるのだ。
製本された通信をひとたびめくれば、当時のことが鮮明に思い出される。教師にとってもまた、通信は自らの実践を顧みて課題を自覚するための「宝物」となるのである。
本書には日記指導と学級通信の発行(これもまた指導)によって生まれた子どもの事実を収録した。
生徒の思考力と書く力とを伸ばす日記指導のポイントと、読まれる学級通信の書き方についても具体的に論じた。
サークルのメンバーもまた、私の学級通信(二〇〇六年、二〇〇七年、二〇〇八年度版)を読み込み、自ら実践して得た事実と実感とを綴っている。
子どもの事実と、教師の腹の底からの実感
この二点のみに依拠して教育実践を磨いていく。それがTOSSの流儀である。
本書を読んで共感した部分が一つでもあれば、ぜひ実践してみてほしい。あなたの新たな一歩を、子どもたちが待っている。
/長谷川 博之

















子どもたちが、日々何を考えて生活しているのかを知る手段として
日記は活用していましたが
学級通信と連動することで、こんなにも子どもたちの意識が変わるのだということに驚きました。
具体的な声かけの方法や指導の仕方も書かれているので
とても参考になります。
明日からの指導に生かしたいと思いました。
「日記」と「通信」との連動≠フ方法がとても詳しく載っています。
日記指導はもとより、学級経営にも「日記」と「通信」を生かすことで
自分たちの生活を見つめることができる生徒が育つ様子がよくわかります。
日記指導のみならず、生徒への語りも多く、生徒指導の本としても
とても参考になりました。
丸ごと追試は無理でも(400号近く出すのはさすがに難しいと思います)
日記と通信の連動を学べただけでもとても参考になりました。
まえがきで引き込まれてしまう,こんな本,「あり」ですか?
日記と学級通信による指導について,実例を基に具体的な書かせ方(手立て)・書き方が詳しく丁寧に書かれています。(この実例がまたすてきです。)
指導のための所信表明,趣意説明の仕方,
行事や日常指導とのリンクの仕方,
コメントの仕方まで本当に至れり尽くせりの内容です。
表面的な指導本ではありません。
学級づくりを支える教師の骨太な心の持ち方,教師として,人間としての生き方を示してくれる「人生の指南書」と受け取りました。
「目的と手段を勘違いしないこと」等,教育に関わる根本的なことが書かれていますので,
学校種を越えて全ての教育関係者の皆様方に読んでいただきたいです。
長谷川先生のご執筆部分はもちろん,森田先生はじめサークルメンバーの皆様の分析も学びいっぱいです。
ぜひどうぞ!
学級通信のイメージを覆す一冊と言えます。
このように子どもたちを巻き込み、学級を作っていく先生を渡しは知りません。
真の意味で子どもを巻き込んでいく学級経営の在り方を学んだように思います。