- はじめに
- 第1章 毎日の数学授業の教材について考える
- 第2章 授業を変える教材開発&アレンジの工夫38
- 1 「カードの活用」
- 1年 正の数・負の数
- 2 「誤答利用」
- 1年 正の数・負の数
- 3 「□の使用」+「増加」
- 1年 正の数・負の数
- 4 「問題づくり」
- 1年 正の数・負の数
- 5 「条件変更」+「問題づくり」
- 1年 文字と式
- 6 「多様な解法」+「条件変更」
- 1年 文字と式
- 7 「混在」
- 1年 一次方程式
- 8 「問題づくり」+「増加」
- 1年 一次方程式
- 9 「誤答利用」
- 1年 一次方程式
- 10 「条件付加」
- 1年 一次方程式
- 11 「□の使用」
- 1年 一次方程式
- 12 「増加」
- 1年 比例と反比例
- 13 「増加」
- 1年 平面図形
- 14 「増加」+「条件変更」
- 1年 平面図形
- 15 「条件変更」
- 1年 平面図形
- 16 「混在」
- 1年 空間図形
- 17 「オープンエンド」+「□の使用」
- 2年 式の計算
- 18 「オープンエンド」+「条件変更」
- 2年 式の計算
- 19 「条件変更」+「増加」
- 2年 一次関数
- 20 「増加」
- 2年 平行と合同
- 21 「多様な解法」
- 2年 平行と合同
- 22 「問題づくり」
- 2年 平行と合同
- 23 「点の移動」+「新たな発想」
- 2年 平行と合同
- 24 「オープンエンド」
- 2年 三角形と四角形
- 25 「増加」+「条件変更」
- 2年 確率
- 26 「限定」+「拡張」+「一般化」
- 2年 課題学習
- 27 「条件変更」+「一般化」
- 3年 式の計算
- 28 「□の使用」+「増加」
- 3年 式の計算
- 29 「混在」+「カードの活用」
- 3年 平方根
- 30 「誤答利用」+「問題づくり」
- 3年 二次方程式
- 31 「辺の長さの表し方の工夫」
- 3年 二次方程式
- 32 「共通点探し」+「既習の利用」+「一般化」
- 3年 関数
- 33 「混在」+「誤答利用」
- 3年 関数
- 34 「条件変更」+「多様な解法」
- 3年 相似な図形
- 35 「条件変更」+「共通点探し」+「一般化」
- 3年 相似な図形
- 36 「点の移動」
- 3年 課題学習
- 37 「共通点探し」
- 3年 課題学習
- 38 「条件変更」+「共通点探し」
- 3年 課題学習
はじめに
中学校数学の授業を大きく左右するのは教材です。しかし,その教材を何もないところから開発していくことは至難の業です。本書は,見慣れた教材であっても,ちょっとした工夫(手法)で変わる,ときには激変することを38の教材で紹介します。見慣れた教材をBeforeで示し,ちょっとした工夫(手法)で変化した教材をAfterとしています。
これまでに読んだ教材開発の書物には,すばらしい教材が掲載されていました。それらの教材を知るたびに,このような教材を開発したいと思ったものです。しかしながら,どのようにすればこのような教材をつくることができるのかを示した書物に出会うことは,ほとんどありませんでした。
そこで,本書ではちょっとした工夫(手法)が見えるようにしました。このちょっとした工夫(手法)は,料理に例えれば隠し味のようなものかもしれません。本書では,18種類の隠し味を,すべて隠すことなく示しました(当然のことながら,隠し味そのものは,まだまだあると思います)。
公立や国立の中学校に勤務していた22年間,数学の授業準備として最も時間を割いてきたのが,教材開発です。オープンエンドアプローチや条件変更のことを若いころに知り,自分なりに新たな教材をつくってきました。また,当時は6社から発行されていた教科書に載っている教材も参考にしながら,教材開発に力を注ぎました。
指導主事として務めてきた4年間,算数授業や数学授業を数百回も参観する機会をいただきました。工夫された教材が載っている指導案を読むと,「早く授業を参観したい。子どもたちはどのように学習するのだろう」と待ちきれない気持ちになったものです。
3年間という任期付で大学に勤務し,教育学部や大学院の学生の教育実習前の指導案を読み,個別に指導したり,実習の様子を参観したりしました。もう少し教材を工夫すれば,違った授業展開になっただろうと思える授業もありました。
平成20年から上越教育大学教職大学院に勤務しています。担当している授業の中で,見慣れた教材(Before),ちょっとした工夫(手法),変化した教材(After)を例示し,18種類の手法を提示しました。その後,演習として大学院の院生さん(現職教員や大学を卒業して入学してきた学生)が実際にアレンジする時間を設けました。院生さんは小学校算数の教科書や中学校数学の教科書の中からBeforeの教材を探し,ちょっとした工夫(手法)でアレンジして新たな教材(After)を作成しました。見事に大改造した院生さんも多数いました。また,現職教員の院生さんには,本書の原稿を読んでいただき,読みづらい部分の指摘などもしていただきました。ご協力いただいた院生さんに感謝申し上げます。
中学校数学の教材に関心のある先生方や,数学教員を目指す学生さんなどに本書をお読みいただき,数学の教材を開発したりアレンジしたりする際の一助になれば幸いです。
最後になりましたが,本書の企画・出版に際して,明治図書の矢口郁雄氏と愛沢彰子氏には大変お世話になりました。長年,実践したり考えたりしてきた教材開発や教材アレンジについてまとめる,よい機会を与えていただきました。厚く御礼申し上げます。
2013年2月 /松沢 要一
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- 明治図書
- 日ごろの教材研究に役立っています。2019/12/720代・中学校教員
- 今ある教材の少しの変化で(ビフォー・アフター)とてもおもしろく気にいりました。2013/2/16トマト