- まえがき
- 特別支援教育基本用語
- ICD-10(国際疾病分類第10版)精神および行動の障害
- ITPA言語学習能力診断検査
- アスペルガー症候群(アスペルガー障害)
- アセスメント
- インクルージョン
- WISC-V知能検査
- ADHD(注意欠陥/多動性障害)
- LD(学習障害)
- LDI学習障害評価調査票
- オプトメトリスト→視覚機能訓練士
- 絵画語い発達検査(PVT)
- ガイドライン(試案)(平成16年1月)
- カウンセリング
- 書き障害(書字障害)
- 「学習障害児(LD)に対する指導体制の充実事業」
- 「学習障害児に対する指導について(報告)」(平成11年7月)
- 学力
- 画像診断
- 学校教育法
- 学校心理士→スクールサイコロジスト
- 感覚統合療法
- 観察法→行動観察
- 記憶→短期記憶,長期記憶,作業記憶
- 教育課程
- 教員養成→教育職員免許状
- 強迫性障害
- グッドイナフ人物画知能検査(DAM)
- K-ABC心理・教育アセスメントバッテリー
- 言語
- 言語障害→コミュニケーション障害,言語発達遅滞,ことばの教室,構音障害,吃音
- 言語聴覚士→言語療法士
- 行為障害(CD)
- 行動変容(行動修正),行動療法,応用行動分析,強化子,トークンエコノミー
- 校内委員会→ケース会議(ケースカンファレンス)
- 広汎性発達障害(PDD)
- 心の理論(TOM)
- 個別の教育支援計画
- 個別の指導計画
- 「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」(平成15年3月)
- 「今後の不登校への対応の在り方について(報告)」(平成15年3月)
- コンサルテーション
- 作業療法士
- 算数障害
- 視覚障害→盲,弱視
- 肢体不自由
- 失語症
- 自閉症(自閉性障害)→高機能自閉症,自閉症スペクトラム障害,広汎性発達障害
- 就学基準
- 就学時健康診断
- 重点施策実施5か年計画(新障害者プラン)
- 就労支援
- 巡回相談→巡回指導
- 障害者基本計画
- 障害者手帳
- 情緒障害→通級による指導・通級指導教室
- 情報処理
- 人格障害
- 進路相談→サポート校,フリースクール他
- スクールカウンセラー
- 全国実態調査
- 専門家チーム→特別支援教育士(LD・ADHD等)(旧LD教育士)
- 相談機関→児童相談所,教育相談所(室),教育(相談)センター,教育研究所他
- ソーシャルスキル
- 田中ビネー知能検査X
- チック障害→トウレット障害
- 知的障害→精神遅滞(医)
- 注意→不注意,注意欠陥
- 中央教育審議会の審議(中間報告)平成16年12月
- 中枢神経刺激薬
- 聴覚障害→聾,難聴
- 通級による指導→通級指導教室,ことばの教室,きこえの教室他
- 「通級による指導に関する充実方策について(審議のまとめ)」(平成4年3月)
- DSM→DSM-W・ICD-10
- 低出生体重児
- 適応障害
- 特殊学級
- 特別支援学校(仮称)
- 特別支援教育
- 特別支援教育コーディネーター
- 特別支援教育士(LD・ADHD等)→LD教育士
- 特別支援教育推進体制モデル事業(平成15〜16年度)
- 特別支援教室(仮称)
- 特別支援連携協議会
- 「21世紀の特殊教育の在り方について(最終報告)」(平成13年1月)
- 認定就学者
- 発達障害
- 発達障害者支援法
- 発達性協調運動障害(DCD)
- 反抗挑戦性障害(ODD)
- 病弱→身体虚弱
- 不安障害
- 不登校
- 盲学校
- 薬物療法→中枢神経刺激薬,抗精神病薬,気分安定薬,抗不安薬,抗うつ薬
- 養護学校
- 養護教諭
- 読み障害(読字障害)→書き障害,読み書き障害,ディスレクシア
- 理学療法士
- 臨床心理士
- 聾学校
- 特別支援教育をより深く理解するための Q&Answer
- T 誰もが知りたい特別支援教育
- なぜ特別支援教育に変わるのか
- 特別支援教育の基本となる考え方は
- 特別支援教育で対象となる児童生徒とは
- 特別支援教育を担当するのは
- 特別支援教育コーディネーターの役割を詳しく知りたい
- 個別の教育支援計画について知りたい
- 今後の特別支援教育はどのように展開していくのか
- U 教師や保護者が感じる不安にこたえる
- 気になる子どもを受け持ち,困ったときにどうするか
- 軽度発達障害と思われる子どもの保護者にどう伝えるか
- 子どもへの伝え方をどうするか
- 通常の学級はどんな影響を受けるのか
- 行動面の困難をもつ子どもへの支援
- これまでの特殊学級,通級による指導はどうなるか
- 心理検査はなぜ必要なのか
- 診断名が変わるのは
- 軽度発達障害に効く薬はあるのか
- 〈資料1〉 今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)のポイント
- 〈資料2〉 小・中学校におけるLD(学習障害),ADHD(注意欠陥/多動性障害),高機能自閉症の児童生徒への教育支援体制の整備のためのガイドライン(試案) (公表について・はじめに)
- 〈資料3〉 主な支援グループ(親の会)連絡先
まえがき
すべての子どもたちが,例外なく小・中学校を義務教育として経験し,さらに高等学校や大学などへの進学,あるいは就労といった進路を選択しながら,社会へと自立していく。それだけに子どもの発達にとって,小・中学校における教育は,人格形成という意味でもその果たす役割は限りなく大きい。
しかし,今日の学校はさまざまな問題を抱えている。学力の低下,いじめ,不登校,学級崩壊……こうした事態に多くの教師たちは,急激に変化しつつある家庭・学校・社会環境の中で,子どもたちに何が起こっているのか,また一人の教師として,何ができるのかを真剣に問い続けている。
一人一人の子どもたちはいったい何を求めているのか,そしてわれわれ自身は子どもたちに何が提供できるのか。その問いへの回答を探し続ける営みこそ教育のあるべき姿であり,混迷する現状の学校教育を解決する鍵が隠されているのではないだろうか。
かつて特殊教育こそ教育の原点だといった教師がいた。対象となる子どもがなかなか理解しがたく,特別な支援を求めているという意味では,まさに特殊教育こそ,個を大切にする教育の原点とも言える。特殊教育から特別支援教育への転換は,障害の種別や程度によって特定の場で行う教育から,一人一人の特別な支援教育のニーズに的確により柔軟に応える教育への転換である。すべての子どもを包み込むインクルージョン教育の中での新しい教育システムの構築を目指している。
特別支援教育は,1%程度の特別な支援ニーズをもつ子どもたちを対象としてきた従来の特殊教育から,その10倍近くもの支援ニーズをもつLDやADHD,高機能自閉症やアスペルガー症候群などの軽度発達障害のある子どもたちも視野に入れた,学校全体としての支援システムを創り上げていかなければならないのである。
特別支援教育について,今日,全国の大勢の教師たちが強い関心を寄せている。文部科学省の推進体制モデル事業も着々と進行し,中央教育審議会における制度整備の検討も進行している。こうした動向を背景に,子どもたちが求めているニーズを自らの教育の場でどのように満たすことができるのかを実践し,競う時代に移行しつつある。形だけのシステムが作られても意味がない。そのシステムが子どもたちにとっていかに役立つかである。そのためには子どもたちの抱える問題に敏感に気づき,より早く,より効果的に問題の解決や改善ができるかが問われている。ここに特別支援教育が学校再生の一つの重要な鍵であると言われる理由がある。
平成14年4月,今後の小・中学校での特別支援教育の展開を願って,私たちは雑誌『LD&ADHD』(季刊誌)を創刊した。全国のよりよい教育実践の掘り起こしと情報の共有化を目指してのことである。今回,全国でスタートした特別支援教育を,さらにすべての教師が広く,深く,理解するために,その中核となる基本用語を,教育だけでなく心理学,医学,福祉の関連領域まで広げ,100厳選するとともに,教師が日常的に接することの多い大切な質問を選びやさしく解説した。
特別支援教育コーディネーターはもとより,すべての教師,保護者の方に活用していただければ幸いである。
2005年6月 編集を代表して /上野 一彦
『中教審答申 特別支援教育のキーワード解説』といっしょに手元におきたい1冊と思います。
編者の1人・上野先生、とても有名な先生ですよね。明治図書のブログコーナーで「KAZ先生」の名前でオフィシャルブログをされているのを拝見しています。最新のことが垣間見れて…。そんな先生の本ですから…おすすめです。