学びが定着!板書見ながら“算数作文”高学年

学びが定着!板書見ながら“算数作文”高学年

インタビュー掲載中

授業をしっかり頭にインプットする仕掛け=板書再現!

算数で今一番脚光を浴びているのが「説明する」活動。こういう答えが出るのはなぜ、何でこんな式になるの―その根拠を説明できるようにしなければならないのだ。もちろんよく理解できていなければそれは不可能。そんな学力を磐石にするのが板書見ながら“算数作文”だ!


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ISBN:
978-4-18-011010-0
ジャンル:
算数・数学
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 192頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2024年5月13日

もくじ

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はじめに
序章 子どもが自分と対話する板書見ながら“算数作文”
1.盛り上がった算数の次の時間が静寂な「書く」時間になる瞬間
2.「板書見ながら“算数作文”」で子どもも教師も意識が変わる
3.自分と対話する子どもたち
T 板書見ながら“算数作文”で授業が変わる!
1.算数作文を書くために工夫したこと
その@「授業の流し方を変える」
そのA「板書を変える」
そのB「終末を変える」
2.算数作文で教師が変わる
3.算数作文で学級が変わる
U 板書見ながら“算数作文”の実践方法
@「帰納」「演繹」「類推」をつなげていき,考え,説明する力を伸ばす
【第5学年「多角形の内角の和」】
A算数のよさを感じ,充実感をもてる算数作文
【第5学年「円」】
B公式につながる算数的活動を通して,考える力をはぐくむ
【第5学年「図形の面積」】
C1時間の振り返りを書くことで,統合的・発展的な見方を育てる
【第5学年「複合図形の体積」】
D既習事項を使いたくなる場面を仕組み,関連付ける力をはぐくむ
【第5学年「異分母分数のたし算・ひき算」〜つながる分数〜】
E図形の組み合わせを見つける
【第6学年「円の面積」】
F思考錯誤の中から,演繹的な考え方をはぐくむ
【第5学年「素数を見つけよう」】
G時系列の板書で,段落構成を意識した算数作文
【第5学年「分数のかけ算」】
V 国語教師が算数作文から発見したこと
2位数×1位数の計算の仕方を考える 〜筆算にたどり着く〜
【第3学年「1けたをかけるかけ算の筆算」】
W 板書見ながら“算数作文”の評価
1.算数作文についてのアンケート結果から
2.算数作文で生まれる意外な変化
3.算数作文を書かせるようになって…

はじめに

 教室の中には,鉛筆で文字を書く音しか聞こえない。

 板書を見つめ,じっと何かを考えている子の姿が見える。


 子どもたちは昨日の午前中,今年度最後の算数作文を書いていた。


 算数作文を書く日の授業は大いに盛り上がる。子どもたちの説明活動も熱気を帯びている。

 「今の説明がよくわからないんだけれど…?」

 「だからね…」

 「ちょっと待って,その続きはぼくが説明するよ!」

 子どもたちは,いつもの授業に増して,自分が疑問に思っていることを解決したいという意欲に満ち溢れている。

 授業で一番大切な説明活動で,どれだけ理解できたかがその後の算数作文のできに影響があると,自然と気付いているからだ。

 私への注文も多くなる。

 「ここに図を描いて説明したいんだけど,消さないでね」

 「先生,今の意見は黒板に残して…」

 それでも,少し意地悪をして「黒板に書くスペースがないから」などと言って,わざと板書を簡略化すると,今度はノートにメモし始める。


 以前の私は,算数の授業で学んだことを作文に書いたら,どうなるのか想像すらできなかった。作文指導にあまり自信がなかったせいか,授業を作文に書くことを伝えた途端,「えーっ,何それ」という反応が子どもたちから返ってくるのではないかというおびえもあった。

 しかし,反応は全く逆であった。

 確かに子どもたちの第一声は,「えーっ」であった。しかし,その後は,「どんな風に書けばいいの?」「会話文は使っていいの?」などと質問が矢継ぎ早に続いた。

 子どもたちにとって直前の授業で行った内容を作文に書くという活動は,普段の作文を書く活動より抵抗感が少ないのだと,正直ほっとした。

 しかし,ほっとしただけでなく,その作文を書く時間の静寂さに驚かされた。鉛筆を動かす音しか聞こえなくなるほど集中しているのだ。

 でき上がった作文を掲示したとたん二度目の驚きが私に訪れることになる。

 友だちの作文を見た後の算数作文のレベルがグンと上がったからだ。

 授業中に「わからなかったことがわかり始めたときの説明」や「なるほど,そうか!」と思わせてくれた友だちの意見を書き込んだ作文は,確かにわかりやすいし,授業の流れが生き生きと再現されている。

 そのことに気付くと,算数の授業とその後の作文の内容が劇的に向上する。


 私は算数作文に取り組めたことに感謝している。

 子どもの考える力が大きく向上したのが実感できるからだ。また,作文に書くことによって,言語活動も充実させることができるから。

 しかし何に増しても,私の授業構成が大きく変化したからだ。板書を基に作文を書くのであるから,板書について深く考えることはもちろん,授業の構成も山場のある展開にしなくては書く意欲がわかない。

 算数作文は子どもたちの授業態度を大きく変え,私が授業へ取り組む姿勢も大きく変えた。

 この本を手に取った先生方は,日々の授業を高めようとの意欲を強くおもちの方だろう。そんな先生方には,この算数作文に取り組んでみることをお薦めする。きっと,先生方や子どもたちに大きな変化が現れるはず…。

 ここに書かれた事例をもとに,明日からの授業を再構成し直し,子どもと一緒に高まる算数授業づくりを目指していきましょう!


  平成24年3月   /熊谷 純

著者紹介

田中 博史(たなか ひろし)著書を検索»

1958年 山口県生まれ

山口県公立小学校教諭を経て,1991年より筑波大学附属小学校教諭

共愛学園前橋国際大学非常勤講師,基幹学力研究会算数側代表,算数授業ICT研究会代表,全国算数授業研究会理事,学校図書算数教科書監修委員,日本数学教育学会出版部幹事

熊谷 純(くまがい じゅん)著書を検索»

1967年生まれ

青森県七戸町立天間西小学校教諭

基幹学力研究会幹事,算数授業ICT研究会幹事,全国算数授業研究会幹事

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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