- はじめに
- 第1章 子どもの発達と気づきのシステム
- 1 子どもの発達を考える
- (1)三つ子の魂百まで
- (2)母乳と愛着
- (3)笑顔と社会性
- (4)触感覚と対人関係
- (5)テレビやゲームと心の発達
- (6)睡眠の問題
- (7)社会の変化
- 2 発達障害と早期診断
- (1)発達障害の位置づけと特徴
- (2)発達障害と早期発見
- (3)高機能広汎性発達障害(HFPDD)の早期発見
- (4)注意欠陥多動性障害(ADHD)と早期発見
- 第2章 乳幼児のアセスメントの実際
- 1 0歳からの気づき
- (1)生活のリズム・情緒の安定
- (2)感覚に関して
- (3)運動の発達に関して
- (4)人とのかかわりに関して
- (5)「まねをする」ということ
- (6)クレーン現象の出現
- (7)指さしについて
- (8)「視線が合う」ということ
- 2 アセスメントの実際
- (1)胎生期
- (2)健診現場から
- (3)お母さんのことばから
- (4)ことばの問題
- (5)社会性の発達
- (6)感覚について
- (7)運動の発達について
- (8)行動特性
- 第3章 保育所での実践
- ―発達を深く理解した上で
- 1 はじめに
- 2 安心して過ごせる環境づくり
- (1)物的環境(空間づくり)
- (2)物的環境(小さな空間)
- (3)人的環境(小さな空間)
- 3 目で見てわかる視覚支援
- (1)スケジュールの提示
- (2)時間の提示
- (3)遊び場面での視覚支援
- 4 ルールを見える形にした支援
- (1)ことば遊び
- (2)ひとかご玩具のコーナー
- 5 発達を促す体づくり
- (1)生活の場面でできる体づくり
- (2)ボディーイメージの発達を促す遊び
- (3)手先を使う遊び
- 6 まとめ
- 第4章 自閉症の子どもの『ことば』を育てる
- 1 「伝えたい」という思いを育てる
- (1)快いかかわりから安心感へ
- (2)子どもが感じていることを受け止めてことばにする
- 2 子どもが何を伝えたいのかを受け止める
- (1)「〜したい」思いを受け止めてことばにする
- (2)不安な気持ちを受け止めてことばにする
- (3)ことばに含まれる意味を受け止めて
- 3 どう伝わったかを推察して,受け止める
- (1)「子どもが感じていることを受け止める」ことに立ち返る
- (2)ことばの通じにくさ
- 4 受け止めてくれる人がいて,自分に気づく
- 第5章 幼児の感覚運動遊び
- 1 感触を楽しもう
- (1)感触の違いを楽しんで歩こう
- (2)シーツでかくれんぼ
- 2 揺れを楽しもう
- (1)タオルブランコ
- (2)先生に揺らしてもらおう
- (3)ブランコで遊ぼう
- (4)ラージボールで揺れて遊ぼう
- 3 スクーターボードで遊ぼう
- (1)引っ張ってもらおう
- (2)先生を引っ張ろう
- (3)1人で漕ごう
- 4 斜面で遊ぼう
- (1)スクーターボードを使って遊ぼう
- (2)ダンボールを使って遊ぼう
- 5 トランポリンで遊ぼう
- (1)跳んで遊ぼう
- (2)ボールを使って遊ぼう
- (3)スピードを楽しもう
- 6 シッポとりで遊ぼう
- 第6章 専門機関でのかかわりと保護者への対応
- 1 専門機関でのかかわり
- (1)幼児期という時期のお母さん(養育者)の環境
- (2)専門機関に繋がるということ
- (3)母親たちの訴えと相談を受ける者の心構え
- (4)専門相談員の役割
- 2 保護者への援助
- (1)就学前児の発達の問題への気づき
- (2)援助者と保護者のパートナーシップ
- (3)保護者の望みと支援
- (4)“保護者の発達”の支援
- 第7章 就学時健康診断での実態把握
- ―入学後の支援に生かす
- 1 子どもたちを理解するための健診を
- 2 保護者への支援
- 3 就学時健康診断の観察の実際
- (1)面接での観察の例
- (2)面接での観察記録用紙
- (3)特性に応じた支援のポイントの例
- おわりに
はじめに
『「特別」ではない特別支援教育』のシリーズもようやく4冊目を刊行することができました。この4冊目は特に乳幼児期にポイントを絞って,特別支援教育の視点から考えてみることにしました。「文部科学省」,「特別支援教育」という概念から,小学校以降の取り組み,組織づくりがこの分野では重視されてきました。「厚生労働省」も早期発見,早期療育ということを掲げ,ずいぶん前から取り組んでいたことは確かです。しかし,現場の実態はどうでしょう。1歳半健診,3歳児健診と子どもたちがチェックを受けて,スムーズな発達支援が行われているはずですが,なぜか様々な問題が保育所や幼稚園,家庭で頻繁に発生しています。それによってお母さんが悩み,保育士さんも指導の手立てに苦慮しているのは確かです。本当にお母さんや子どもたち,保育士さんたちへの適切な支援がなされているのでしょうか。
例えば,保育士の養成課程の中でこういった分野を扱う科目は「障害児保育」1科目だけです。これだけでは,今の多様化した子どもたちへの対応は難しく,今までのようにしつけという名のもとに上から押さえつけてしまう保育になってしまうかもしれません。大学で習う専門分野は知識だけでなく,実践を伴った経験知が,今後必要になってきます。若い保育士さんたちが現場に出たときに,本当に子どもたちを見る目を養い,指導できる人材を育成することが必要になってきます。お母さんたちも同じで,少子化,核家族化したために「子育てのすべ」を知らない世代になってきています。そのため,力づく,ほったらかし,あげくの果てが虐待に至ってしまうことになりかねません。どこかで安心できる子育て支援をしていかなければなりません。
この『0歳からの特別支援教育』が,子どもの発達をもう一度捉えなおし,今問題になっている「発達障害」「睡眠」「愛着」等をテーマに,「一人ひとりのニーズに応じた子育て」とは何かを考えてみるきっかけになればと思います。
2010年7月 編著者 /中尾 繁樹
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明治図書
















